飛ばされたようです
目を開けると、どこまでも広がる白い世界のなかにいた
「あれ...ここはいったい......俺はさっきまで家にいたはず...」
急いで体を起こした俺は、まず状況を確認する。
「俺の名前は笹牙 葉留、16歳でちょうど高校の入学式から帰ってきたところ。よし!覚えてる」
「次はなぜここにいるかだが......」
(それは儂が説明しよう)
何だ?いきなり頭に声が聞こえたような気が...
(気のせいではない、しっかり喋っとるぞ)
どうやら本当に誰かが俺の頭に直接話しかけているようだ、試しに
(お前は一体誰なんだ?)
と聞いてみる。
(儂はクトじゃ、一応神をやっておる)
(クトか、良い名前だな......って神!?)
(一応だがそうじゃぞ)
(どうして俺はここに?そもそもここはいったいどこなんだ?)
(ここは神界と呼ばれるところじゃ。それと、ここへ来た理由なんじゃが...)
(理由?理由がどうしたんだよ)
(実はじゃの、お前さんは儂のちょっとした手違いでここへ来たのじゃ)
(手違い?どんなだ?)
(実は儂が病気で死ぬ予定だった人間を天界、つまり天国へと導こうと部下の天使に命令したんじゃが)
(どうしたんだ?)
(その時渡した名前の漢字が違い、お前さんを間違えてつれてきたんじゃ)
(はぁ?!つまり俺は死んだのか!?)
(まぁ、そうじゃな)
(「そうじゃな」じゃねぇよ!!どうするんだよ!!そもそも戻れるのかよ!?)
(悪いがもう戻すことはできないんじゃ)
(おい!?本当にどうしてくれるんだよ!)
(まあ落ち着け、代わりといってはなんじゃが、お前さんを異世界へ飛ばすことになったからの、無論特典付で)
(特典?どんなだ?)
(詳しいことはあちらの世界についてからじゃ。では、飛ばすぞ!)
その瞬間、俺の視界は光で真っ白に塗りつぶされた。
おいおい、一体どうなってるんだよ...