５話 マイスターの武器。
ぼちぼち更新していきます。
ひとしきり俺たちはゴブリン狩りをした後に、各々町を見て回ることになった。俺は丁度露店通りを歩いているところだ。
「いろいろな露店があるんだな。」
武器防具から雑貨までいろいろあった。中にはオーダーメイドで装備を受け付けている店もある程だった。
ポーションなんかの種類も豊富なところもあった。
「生産職は凄いな。」
ふと呟くと、その言葉に反応した者がいた。
「お？プレイヤーか。武器でも見ていくか？」
ふと声をかけられた。見たところ彼方もプレイヤーである様だ。パッと見で鍛冶師とは到底見えない、どちらかと言うと科学者といったところだ。
「俺は、イアンだ。」
「セツナ。」
俺たちは簡単な自己紹介を済ます。
「そうか、セツナか。ゆっくり見ていくと良い。」
「あ、ああ、そうさせて貰う。」
露店だが、武器の種類が豊富で見ていて飽きない。
数ある武器の中でも一際目立つ一本の剣があった。
【名も無き白銀の剣】
攻撃力 １２０
特殊効果:速度補正１５ 防御魔法貫通
その性能に内心驚愕する。圧倒的な攻撃力と特殊効果は他の露店の武器が霞むようだった。
「ほう、その剣に目を付けたか。お前さんに扱えるかな？」
「この剣、凄い性能だな…。」
イアンはニヤリと笑う。
「性能だけじゃないぞ、こいつはかなりのジャジャ馬だ。お陰でまだ名前の無い剣だがな。」
「値段が無い様だが？」
「売れても出戻って来るからな。使える奴がいないんだ。」
俺はその剣を手に取ってみる。ドクン、と鼓動が聞こえた気がした。
「使ってみるか？」
「良いのか？」
「構わんさ、その代わりと言っちゃあなんだが俺も立ち会わせてくれ。それが条件だ。」
「分かった。」
そう言って俺たちは二人で町を一旦後にした。
「相手はスライムで良いだろう。」
「ああ。」
俺は2、3度剣を振ってみるが、今はまだそこまでジャジャ馬という感じは受けなかった。
むしろ、ロングソード以上に軽く扱い易そうな剣だと感じた。
「はあああぁぁぁぁ！！」
俺はスライムを斬りにいく。速度補正が入っているせいか、身体が軽い気がする。
斬りつけるとスライムは呆気なく消滅した。斬った感触がほとんどなかったのに俺は驚いた。
「ほう、これは…。」
俺は剣を振り続け、次々にスライムを討伐していく。
周囲のスライムを粗方狩り尽くすと、イアンが近づいてきた。
「その剣はセツナ、お前さんにやろう。」
「なに？」
「違うな、その剣を使ってデータを採らせてくれ。」
「どういう事だ？」
俺はイアンの言っている事がよく分からなかった。
何のデータを採るのだろうか？、という疑問がだけがあった。
「その剣の実戦データだ。」
「そんな物、いるのか？」
「大変重要だ。今後の武器開発の為にな。」
「成る程。だがいつもイアンがパーティに居るとは
限らないんじゃ無いか？」
「その点は大丈夫だ。戦闘データは逐一俺の方に
送信される様に出来ている。」
なんだその技術、ファンタジーにあるまじきものじゃ無いか？。まぁ、ここまで強力な武器が手に入るんだ、文句は言えない。
「分かった、引き続きこの剣を使わせて貰う。
ありがとう。」
「いや、こっちも渡りに船だったさ。
それより、その剣の名前、どうするんだ？。」
そう、未だに名無しの剣なのだ。どうしようか。
「それだったら、マイスターなセツナにピッタリの名前を付けてやろう。」
元々イアンが作った武器だろうに、俺に拒否権無い気がするんだが…。
「ま、マイスター、か…。」
またそのネタか！、と叫びたくなる。
「その剣の名は、E.X.I.A.だ。」
「エクシア？」
「EXtra.Innovation.Arms、だ。
どうだ？いい名前じゃないか？」
「E.X.I.Aか、いい名前だな。」
こうして俺は、愛剣となったエクシアを手に一旦町に戻るのであった。
【セツナ】Lv5
HP ７０
MP ２０
力 ２８
守 １８
速 ３６（１５）
技 １９
知 １６
【装備品】
〈武器〉 E.X.I.A . 攻撃力１２０
（特殊装備、マイスター専用）
特殊効果:速度補正１５ 魔法防御貫通
〈防具〉 冒険者の服〈上下〉
冒険者の靴
〈装飾品〉 なし
【アビリティ】
〈革新者〉
【スキル】
〈スラッシュ・閃〉〈対話〉
