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エクシリア・ホープス  作者: アギト
4/5

4話 First Battle

遅くなりました。


 早速モンスターと戦ってみようという事で、俺たちは町の外へと向かった。

 其処には多くの冒険者、プレイヤーがスライムと戦っていた。オンラインゲームでよくみる光景だ。


 仲間内で会話しながら戦う者、ソロで頑張っている者、テスターの立ち上げていたクランへ入っている者など様々だった。


「やっぱ人が多いかぁー!」

「流石に正式サービス開始日だからなぁ。」

「うん、仕方ないよね。」

「マイスターくん、少し進めばいいんじゃないか?」


 ナチュラルにいたナギさん。

 メンバーは俺、雄星、まり子、ナギさんだ。


「そのマイスターっての辞めません?」

「無理だな!。君のあだ名はマイスターだ!。」

「くふふ、セッちゃんマイスターだってさ、ぷくく。」

「何を笑っている?。君はブルーだぞ!」

「何故にっ!?」

「君の名前は、ユウ・・だろう?」

「ノオオォォォォォォウ!」

「ナギさん、私は!私は!」

「マリーは、マリーだな!」


 納得がいかない、なんでマリーだけ普通にマリーなんだ…。


「超兵になる事を期待しているよ!」


 普通じゃなかったな。

 一先ず、ナギさんのいった通り少し先に進んでみた。


「ギャギャギャ!」


 初のモンスターと遭遇した。ゴブリンだ。


「よりによって人型か…。」


 ナギさんがポツリと呟く。

 そして俺はナギさんのいっていた事を、その身をもって理解する。


「セツナ!剣を!」

「ああ!」


 腰に下げたロングソードを鞘から引き抜く。

 ゲームとはいえ、死にたくはないからな!。


 ゲームなので、死んだら町に戻されるのだがその時にデスペナルティは当然ある。

 ステータスの低下が凄く、そのまま町の外に出ればスライムに瞬殺されそうな勢いらしい。


「ギャギャ!!」

「ハアァッ!?」


 俺は迷わずロングソードでゴブリンを斬りつける。

 ザシュッ、という音を立てながらも血を流し腕をダラリとさせるゴブリン。


 俺は、その時恐怖を覚えた。ゴブリンを斬った感触が、この世界を錯覚させる。

 心臓の音が止まらない、ドクドクと早過ぎるかのような鼓動が更に俺に冷静さを欠かせる。


「セツナ!止まるな!」

「ハッ!?」


 ナギさんの声に我にかえる。例えゲームとはいえ、死ぬのはごめんだ。


「クッ、ハアアアァァァァ!!」


 ゴブリンの攻撃を躱しながら懐に入り、俺はロングソードで再度斬りつける。

 血の吹き出るエフェクトは無いものの、斬る感触は何とも言い難い不快な感じだ。


「ハァ、ハァ。」


 俺はロングソードを見るが、其処には血などは一滴たりとも付いていない。ゲームなのだと実感した。


「やったな!」

「初狩りだね!お兄ちゃん!」

「少し危ない場面はあったが、よく頑張った。」


 皆はそう言うが、俺の感情は端的に言えば、物凄く怖かった。

 命のやり取りをした感覚が取れない。


「モンスターを倒すのも、覚悟がいるんだな…。」

「セッちゃん?」

「お兄ちゃん?」

「例えモンスターキャラといえど、このゲーム内では生きているのと同義だよ。」


 成る程、と納得した。


「凄いな、このゲームは。」

「是非ともその感覚を忘れないでくれ、マイスター。」


 ナギさんの言葉に俺は首を縦にふる。

 それから俺たちはこのパーティでゴブリンやスライムなどを倒してまわった。


 スライムはやはりと言うべきか、経験値が1しかなかった。ゴブリンは5だったけれど…。


 ゴブリンを乱獲していたので、正直数は分からないけれど目の前のゴブリンを丁度倒した時アラームが鳴る。


 ピコーン!


 【セツナ】のレベルが2になりました。

 HP30→40

 力 18→21

 守 10→12

 速 11→15

 技 10→13

 知 11→13


 スキル【スラッシュ 閃】を習得しました。

 固有アビリティ【革新者】を習得しました。

 固有アビリティ【革新者】習得に伴い、【対話】が

可能となります。


 固有アビリティって事は、俺しか持っていないという事か?。


「なぁ、固有アビリティってなんだ?」

「うえっ!?固有アビリティ!。」

「ほう!固有アビリティを習得したか!」

「??」


 まり子は放っておこう。分からないって顔してるからな。


「あ、ああ、固有アビリティ【革新者】だそうだ」

「【革新者】?。」

「やはりキミはマイスターだよ!。【革新者】を習得するとは!」


 誰かナギさんの暴走止めてやれよ。俺は嫌だけど。

 一先ず雄星にアイコンタクトを送る。「どうにかしてくれ」と。


 するとすかさず雄星は「無理!」とアイコンタクトで返して来た。

 そうだよな、俺も無理だわ。


「それにしても、【対話】ってなにと対話するんだ?」


 俺の素朴な疑問にユウとマリーも首をかしげる。


「ふふふ、知りたいかね?」


 ナギさんがもったいぶる。知っていたら教えて欲しいよ、ホントに。


「対話というのはね、私にも分からん!」

「オイ!知らないのかよ!」


 あっけに取られている俺のかわりにユウがナギさんに突っ込んでいた。

 そりゃそうだ、勿体ぶっておきながら知らないって

なんだよ。


「まぁまぁ落ち着きたまえ。そう言うのは自分で

体験して調べていけばいいだろう?。」

「それは、そうですね。」


 ある意味納得だ、これは固有アビリティからの

スキルだから俺しか持っていないということだ。

 それならば、自分で調べて把握していった方が早い

のだから。


「それにしても、固有アビリティかぁ。いいなぁ〜」


 ユウのそんなセリフを聞きながら、俺たちは更にゴブリンなどを狩るのだった。

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