はじまりはじまり
唐突にいきなりに、知りたくもなかったのに、俺の前世は罪とふぇちに塗れていたことが判明した。
今の段階だけで、確定しているふぇちは次の3つ。
それは、巨乳に眼鏡にスニーカー。
きっと探せば、いくらでも出てくると思われる。
どうやら俺は業が深すぎて、何度も生まれ変わりを繰り返してるらしい。
生まれ変わる度に、新たなふぇちを獲得し今に至る。
そう教えてくれた俺の前にいる3人の女の子が、それぞれ違う表情で俺を見ていた。
まず1人目は、顔より先に大き過ぎる胸に目がいく女の子。
名前はカタナ。
俺が侍をやっていた時のふぇちが具現化した刀だと、勝ち気な顔で言った。
なんでも、侍だった俺は刀を胸に挟むのが好きだったらしい。
刀は斬る物ではなく、挟む物だと名言を残したそうだ。
俺の馬鹿野郎。
2人目は、黒髪ロングに眼鏡が似合うクールな女の子。
名前はレンズ。
俺が教師をやっていた時のふぇちが具現化した眼鏡だと、心の内を探るような眼差しを向けてきた。
眼鏡は顔の一部ですと、本気で信じていたらしい。
眼鏡は色んな意味で、かける物だと名言を残しやがった。
俺は変態だ。
3人目は、小麦色の肌に八重歯が可愛い、ショートカットの幼い女の子。
名前はクック。
俺が腐れオタクの、こんこんちきだった時のふぇちが具現化したスニーカーだと笑顔を見せてくれた。
健康的な幼女に、しこたま蹴られたい願望があったらしい。
幼女のスニーカーは、履くものではなく吐くまで嗅ぐ物だと名言を宣いあそばれた。
俺、呪われろ。
まあ、言われなくても解るが、3人は人間ではなく付喪神だ。
大切にされた物が意思を持ち、人型になるという有名なアレだ。
意思を持ち体を得てから、ずっと俺を探して旅をしていたらしい。
生まれ変わりを繰り返す俺を探すのは、笑えないくらい至難の事だと聞かなくても解る。
カタナに至っては2百年だ。
感動の再開に、3人が最初にくれた言葉は……
「ほら、挟めよ」
「どうぞ」
「クンクンしていいよ」
ありがたいのと情けないので涙が出てくる。
話を聞き終わった俺は、もうどうでもいいと欲望に身を任せパンツ一丁になった。
3人もウェルカムの雰囲気だったが、まだ話は終わってないから後でねと最も重要なことを教えてくれた。
その聞かされた内容に、俺は気持ちとアレが萎えるしかなかった。
どうやら、俺はもうすぐ殺されるらしい。
新しいふぇちを獲得して、布教を始める前に死神さんがやって来るそうだ。
どういうことだと更に詳しく聞くと、俺は生まれ変わる度に伝道師をやって、ふぇちを広めては多くの人を堕落させていたみたいだ。
そして、殺しにくる死神から俺を守るタメに来たと、3人は最後に教えてくれた。
話し終えるとすぐに、胸を突き出したり眼を瞑ったり足を差し出してくれたが、萎えたアレと気持ちが戻らず、後にしようと言うのが精一杯だった。
これから、俺はどうなるのでしょうか。
ああ、みんなに自己紹介を忘れてました。
俺に再開できて嬉しそうな3人に、物部月仁と名乗ると、今はそんな名前なんだと妙に感心されてしまいました。
さすがに、まだ死にたくはないので、殺されないよう頑張ろうと思ってます。