二つの決断と疑惑
「えぇ!?」
僕は、思わず声を上げた。
僕は、吉田 潤、高3です。
僕は、ピアノ教室に行っている。その上、その教室で一番うまいと言われているのだ。
「だからってぇ・・・」
僕はそんな感じだ。
え?何でって?
考えてもみなよ。ええ?いくらうまいからって発表会で、リストの「ハンガリー狂詩曲」の第2番を弾けって親にも先生にも言われたんだぜ!?
「いくらなんでも・・・」
こうなるでしょ!?
でも・・・弾いたらかっこいいしね。やってみるよ。
早速家に帰ってピアノに向かうが
最初の10のメロディとそのあとの少しは難なくいけたけど・・・
「え?え!?ええ~~・・・」
って感じでなかなか進まない~。クソッ
気分転換(?)に最後のところをやってみたら・・・
はい。指が終了~。
って感じになって、進まない。
ま、とにかく、練習だ!ツェルニーの60番練習曲とか、メンデルスゾーンの無言歌集とか、やろーっと。
母「ご飯よ~」
母が呼ぶ。
気分転換にはちょうどいいな。行くか。
母のカレーを食べながら、僕は考えていた。
本当に僕にあの大曲が弾けるのか?
確かに愛の夢とか 軍隊ポロネーズとかも弾けるようになってしまった。
別に、変更してもいいんだ。別れの曲とかあるしね。
でも・・・もし僕の実力で弾けるとしたら、もったいないことをしたことになるな。
よし。直前まで粘ってみよう。
次の日
「何度やったらできるの?!」
先生が怒鳴る。
「まあ、難しいし、まだ間に合うから変えてもいいけど・・・」
ううっ、また言われた。本っ当、難しすぎるよ~。
母「夕ご飯よ~」
母が呼ぶ。行くか。
・・・
母「どうかした?」
僕が黙っているのを心配してか、母が尋ねた。
「ああ。大丈夫。」
僕はそう答えたが、内心は大丈夫なわけが無い。
僕は、本当にあの曲が弾けるか、前にも増して悩んでいたのだ。
~変えてもいい~
ピアノの先生も言っていた。
「どうしよう・・・」
お風呂の中でも、布団の中でも考え続ける僕。
「眠れるかな・・・」
そう思った途端に、夢の中へ引きずり込まれた。
僕は夢で、ハンガリー狂詩曲の第2番を完璧に弾きこなしている夢を見た・・・
~次の日~
今日は月曜日だ。
母「早く起きなさ~い」
母が呼ぶ。
「今起きる~」
答えて、眠いのをこらえて、起き上がった。
授業中・・・大好きな国語の時間。
「・・・・だぞ~」
はっっ
なんか今妄想にふけってたような・・・なんだっけ?
授業に集中しなきゃいけない。
~昼休み~
「なあなあ、お前、ピアノですごい曲弾くんだって?」
親友の祐介君に声をかけられた。
「あ、ああ。まだわかんないけど。」
と僕は答えた。
「弾けるようになったら、俺にも聞かせてくれないか?」
……え?
「え、ええ~っと・・・弾けるようになったらね・・・」
控えめに答える。
「弱音は吐くな。お前ならできる。約束だ。」
ええ?なんか急激な展開なんだけど・・・
「ああ。ありがと」
と、僕たちは、約束をしてしまった。
その約束のせいで、あそこまで悩まなくてはいけなくなることを知らずに・・・
~家(帰宅前)~
母「あの曲のせいでうちの潤があそこまで悩んで・・・大丈夫かしらねぇ・・・」
~家(帰宅後)~
「ただいま~」
母「あら、おかえり・・・」
父「おかえり・・・」
「あれ?父さんかえってたの。ところでどうかした?」
父「早いのはたまたまだ。ところで話が・・・」
「ええ!?」
僕は、思わず立ち上がった。
父「あの曲は、お前には難しすぎるだろう。ほかの曲を弾きなさい。」
「僕は、裕介君と約束したんだ!だから、どんなに難しかろうと弾く!」
母「だけど・・・」
僕はピアノが弾けるんですけど、だからかどうかは別として、ピアノを題材にした作品を作ってみてるんですが、よろしくお願いします!
あと、曲を知らない人はYouTubeで検索してくださいね~
12月20日 文章ちょっと付けたししました。