表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

殴り書きとか

彼岸花

作者: 三隅 凛

 男は原稿用紙に向かっていた。彼は小説の一部分を書いていたのだ。

 その原稿用紙には一文だけ書いてある。


 彼女は胸に大きな彼岸花を咲かせ、倒れた。


 男はシャープペンシルを投げ、立ち上がった。鞄を掴み、散歩に出かけた。

 彼は当てもなく歩いていた。道には彼岸花が咲いていた。彼は特に気にする事もなく歩いていた。その彼岸花は既に盛りを終えており、色が薄くなっていたからであろう。

 暫く歩くと、また彼岸花が咲いていた。男は目を見開いた。その彼岸花は純粋な赤色をしていたからだ。男は暫く立ち止まってその花を見ていたが、やがて踵を返した。

 自宅に辿り着くと、男は先程自分が書いた文を読んだ。そして、原稿用紙を半分に引き裂いて、丸めてゴミ箱に捨てた。

だからなんだと言われれば特になにもありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] たぶん彼は、 純粋な赤色の彼岸花を見て、自分の書いた文章の中の彼岸花の鮮やかな赤色が鮮明に頭に浮かんで、少し怖くなったのかもしれない…   などと考えながら読んでました。
2011/10/03 22:39 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ