魔王編
「すみません、お巡りさん」
振り向くとそこには、腰の曲がった可愛らしい小さなおばあさんが居た。
(お巡りさんと来たか、すげーな予想の範囲に収まる人誰も見てねぇ)
「はいはい、おばあさんどうしましたか?」
作者はもちろんゲスいので”巡査”になりきる。
「あの、私の捜索願いはどうなりましたか? 無理やり昨日連れてこられて、誘拐されてます」
(おーすげー設定やな。後、貴女100%私より長くココ居ますよね?)
「あーその件ですか、ご家族の方から、ココでおばあさんを保護するように頼まれてるので、ココに居て下さいね」
(間違い無く家族の手に負えなくて、ココに姥捨てされていると作者は感じていた)
「あっ! 私、△△に住んでるんです」
(え? マジ? 隣町じゃん!)
「ほう、そうなんですか私は□□に住んでるのでお隣さんですね」
(あっ! 書き忘れてますがこの精神科病院は救急車が信号フル無視で体感30分は揺られてました)
その後、このお隣の町に住む、おばあさんとこの会話を後7回まったく同じやり取りをする事になるとは、作者も夢にも思わなかった。
(看護師曰く”気にいられましたね”だそうだ。まぁ暇つぶしにはなった)
それでは、次からは”作者がもう限界だから退院させろ”と得意の”屁理屈全開”で退院する原因になった方々。まぁご本人さん達にそんな意図は無いと思う。
※かんごしさーんおじいさん
この方は寝たきりのようで、ずっとベッドに寝ていた。足の甲に栄養か何かの”点滴”を打たれ、物凄く大きな袋に繋がっていた。
これ、やった事ある人なら分かるんですが”足の甲”に点滴ってめっちゃ痛いんですよ。作者は血管が異様に細く硬いので、点滴何度もされた事があります。
(うわぁ……足の甲に点滴か……あれ痛いんだよな……でもこの人きっと普通に点滴すると自分で抜いちゃうんだろうな)
まぁ最初はこんな程度しか思わなかったのですが、この方の正体は”魔王様”のお1人でした。
「かんごしさーん! あやなたかならー!」
「かんごしさーん! あまなほわまかは!」
「かんごしさーん! ないあそほやたかは!」
はい、後半部分は何言ってるか分かりませんでした。ただ、これ大声で絶叫するかのように、止まらないんです。2秒間隔ぐらいでずっと言うんです。
しかも……しかもですよ。24時間です……
(怖いですよね? 声枯れないの? 喉痛くね? 渇かない?)
とまぁ聞き流しが出来たのは3時間ぐらい。その後の事は後から書きます。
※やーい! やーい! おばあさん
この方も”魔王様”のお1人。
はい、もう分かりますね? 独り言系の魔法使う魔王様です。
この人の独り言は、よく観察 (ゲス)していると同じ事を言ってます(そう言う方の特徴なのでしょう)
「やーい! やーい! バカじゃないもーん!」
「やーい! やーい! 言ってやったもん!」
これをエンドレスに繰り返してました。
ご自分のベッドに寝ている時も、食事の為に椅子に座っている時も。
きっと過去に”バカ”等と言われ続けた過去でもあったのでしょう。ご高齢の方なので、現在よりも”偏見”も”差別”も普通にあったでしょうし。
この方、かんごしさーんおじいさんの声に負けて、最初は全く気になりませんでした。まぁ、この方も作者が屁理屈こねる原因になるのですが。
(残り御三方の”魔王様”です)
※キー! と叫ぶおばさん
この方は昼間はずっと、まぁご家族が購入されて病棟に入れたであろう、高そうな車椅子(リクライニング付き)にずっと座って大人しくしてました。
(お? 制服着てない人も居るんだな)
最初の印象はこんな感じでした。意識と言うかまぁ無いのかずっと車椅子に乗ってました。夜は看護師がベッドに移してましたが。
そして、この方の正体は、夜(夕食後)に本性を見せるのです。
かんごしさーんおじいさんに負けない大声で。
「キー! キー! キー!」
と叫ぶのです。こちらの方もまぁ10秒間隔ぐらいで。
※助けておじいさん
この方も、まぁ夜型の”魔王様”です。
キー!魔王様と違い、この方は”就寝時間”と共に目覚めるタイプの人でした。
「助けてー! 落ちるー!」
「助けてー! 落ちるー!」
これを大きな声(絶叫)で繰り返すのです。
もう、ぶっちゃけ……叫ぶ→繰り返す系の”魔王様”だらけなので、話も長くなりますし、短めに紹介します。
※もう帰るおじいさん
「もう帰るぞー! おーい! 帰るぞー!」
「もう帰るぞー! おーい! 帰るぞー!」
この方は昼間もこれずっと言ってましたが、夜になると、まぁ大半の方は自主的なのか薬のおかげなのか知りませんが寝ます。静かになると声も響くんです。
※パイナポー頭
この人は叫ぶとか、繰り返すとか、実害は無いのですが”気持ち悪く”1番”怖かった”です。
この方、面長で丸い顔と髪の毛が本当に”パイナップルの葉っぱ付いてる状態”にそっくりで、1番最初に作者による”あだ名”を付けられた方です。
この人、同室の方でまぁ、何か話している所を見た事はないのですが、ひたすら”見てくる”のです。
何処に居ても必ず……食事の時も、部屋のベッドからトイレに行く時も、帰ってきた時も、じーーーーっと見つめてくるのです。怖くて仕方なかった(目がイッちゃってる人の目なので)。
まぁ、作者の目に留まり”あだ名”を付けられ、退院する原因になった方の紹介も一通り済んだので、次の話は、作者が実際に看護師とのやり取りで、こんな”駄々”をこね、退院を勝ち取った話でもして、このエッセイを終わろうと思います(長くなれば分けるでしょうが)
実話ですが、人物名(まぁ覚えてないし、そもそも知らないんですが)や場所等を公表するつもりはありません。




