表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/28

第22話 グッバイ。港街

ナイトは図書館で情報を集め、ブラムは修行、そして私は魔法の研究に勤しみ、あっという間に2週間の休日は終わりを迎えた。


港街を出ようとする私たちを、船で出会った子供たちがお見送りに来た。


「勇者様! 2週間の短い間、ありがとうございました! おいしいものを食べさせてもらった思い出に、お金の援助まで、このご恩は末代まで忘れません!!」


子供からの感謝の言葉。普通の大人の表面だけの感謝とは違う、心からの感謝だ。この純粋な感謝にナイトがなんと答えるのか。それが気になる。


「そうか」


うん。いつも通り。悪く言うと、気持ちがこもっていない。良く言うと、無駄のない。そんな返事だ。


ナイトのいつも通りすぎる返事に子供達は若干戸惑っているが、笑顔でお見送りをしてくれている。そんな空気を和ませようとしたのか、それともただ単純なだけなのか、ブラムが話し始める。


「こっちこそ、お前らがいてくれたお陰で、大分楽に街で過ごせた! 感謝してるのはこっちも同じだ! そうだよな! ナイトー!!」


笑顔で感謝を伝えたブラムは、「お前もお礼くらい言おうぜ」と言わんばかりにナイトの頭を引っ張って、子供たちの眼前まで持ってきた。


「そうだな。お前たちの協力により、情報収集が捗った。ありがとう」


ブラムは、感謝の言葉を伝えたナイトに「ヘッ」と笑みを向けたあと、ナイトをもとにいた位置まで戻した。


私は正直驚いた。ナイトから「ありがとう」と言う言葉が出たことに。私の予想では「感謝する」や「助かった」等の言葉が出てくると思っていた。ナイトも素直な部分があるのだと感心している。


「おい。何を考えている?」

「いやだって、ナイトから『ありがとう』って言葉が出てくると思わなくて……」

「お前は一体、俺をなんだと思っている? 俺は『感謝の言葉はしっかりと伝えろ』と教わってきた。その通りにしているだけだ」

「そう……なの?」

「そうだ」


ナイトの受けてきた教育、少し気になるな。勇者としての教育なのか、それとも普通の人としての教育なのか。この世には数多の教育方針があるが、ここに全裸で立っている時点で前者ではないだろう。


私が考えを巡らせていると、ナイトに目で「早く行くぞ」と訴えかけられたので、子供達に簡単な挨拶をして、さっさと港町を出ることにした。


「二人とも、私からもありがとう。また会いましょうね」

「「せーの!」」

「「はい! また会いましょう!!」」


去り際、別れを告げた私に、女の子の方の子供が語りかけてくる。


「フィオナさん、フィオナさん!」

「どうしたの?」

「ナイトさんと、お幸せにしてください!!」

「え?」


この子は何か勘違いをしているようだ。私はナイトを勇者で、いざというときに頼りになる、かっこいい大切な仲間だとは思っているが断じて、恋心を抱くことはない。


「いや、私とナイトはそう言うのじゃなくて――」

「照れ隠ししなくて良いですよ!! フィオナさんの顔を見てると分かります! 赤いですもん」

「いや、あの赤みは裸を見たからで――」


私が誤解を解こうと少女と話し込んでいると、前からナイトが、冷えた視線で私を見つめ、


「早くしろ」


と急かしてくる。このまま話し続けられる雰囲気でもない。私は誤解を解くことを諦め、港町をあとにするのだった。


「「バイバーイ!!」」


私たちを見送るその声は、より一層私の気恥ずかしさを掻き立てるだけだった。


――ナイトに恋心を抱くなんて、本当にあり得ない!! 理論的じゃないわ!

投稿しました!! 書き方のスタイル? というのを少し変えてみました! 読みやすくなっていたら幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ