第17話 上級魔法の習得
港町に着いてから3日。私達勇者一行は各々やるべきことに取り組んでいた。ブラムは特訓、ナイトは調べ物、私は魔法の研究に勤しんでいた。例の子供達は、ナイトの仕事を手伝いに毎日図書館へ行っているらしい。
この前、襲来した四天王に私とブラムは手も足も出なかった。だから私達も強くなって、ナイトの足を引っ張らないようにしないといけない。理論的に考えて、魔法で肉体の基本スペックを強くすることはできないが、肉体のスペックを補うことならできる。
【筋力強化】や【速度強化】などの魔法は、自分の肉体スペックを補うだけではなく、ブラムやナイトに掛けることでさらなる効果が望めるから有用だ。あとは、【回復魔法】や【魔法再生】などの回復魔法は、ナイトが回復系のスキルや特技を一切持っていない事もあって、必須級の魔法。
強化系・回復系の魔法を重点的に鍛えれば、私でもなんとか四天王や魔王との戦いについていけるかもしれない。
よし。この方針にしよう。
次に雑品屋へ向う。私は魔力が多いとは言えない。魔力回復の薬があったおかげで、魔法学院を首席で卒業できたと言っても過言ではない。
この街の雑品屋は、前に行った村の雑品屋と比べてかなり大きい。て言うか、比べてはならないレベル。薬売り場だけで大きめの棚が7つ分もある。
これはどれを買っていいのかわからない。
店舗が大きいだけあって、前みたいに店員さんが話しかけてくれることもない。
しょうがない。自分で探そう。
お金はナイトにゴネまくったことで、金貨1枚もらうことができた。案外彼はチョロいのかもしれない。
棚に並んでいる商品のなかに、一際目を引くものがあったので、手に取ってみる。
「【G魔力回復薬】 えっと、『とても強力な魔力回復薬です。魔力が一瞬で全回復します。一日三錠まで』」
「なにこれ! めっちゃすごいじゃん!」
「えっと……値段は――」
64000マノン!? 高ッ! で、でも、こんなすごい薬、買う価値は十分にある。私は30分以上棚の周りをうろちょろした末、ようやく購入する決心が着いた。
「これください」
「あいよー! 70400マノンになりますぜ」
「これでお願いします」
「毎度あり!」
まったく。この国の政府はいくら税金を取ったら気が済むのだろうか。消費税が高くて高くてしょうがない。でもこれで凄い薬が手に入ったし、魔力切れを気にせず、思う存分魔法の研究ができる。
さてと。宿の自分の部屋に戻って私は魔法の研究を始める。魔法の習得には2つの方法がある。一つは生まれつき、もう一つは魔法理論の理解。私の場合、後者で回復魔法を手に入れた。
魔法には大きく分けて初級、中級、上級、超上級の四段階がある。私の回復魔法はそのうちの中級。現段階の私の回復魔法では傷を治すのに大幅な時間をかけてしまう。時間を短縮できる上級を習得できれば、大きなアドバンテージになる。
魔法理論の理解と言っても、方法は数多ある。魔導書を読む方法、独学で考える方法、誰かに教えて貰う方法など挙げていったらキリがない。
しかーし!! 私は火魔術を上級まで習得したちょっとすごい魔法使いなのである!
上級魔法の習得にあたって、一番大切なのは、「ほかの上級魔法を習得したことがあるか」なのだ!! 上級魔法のイメージができるかできないかで習得難易度は大きく変わってくる。
私は、心の中で自問自答する。
(大丈夫? 回復魔法の上級、習得できるの?)
もちろん私はこう答えた。
(――問題ない!)




