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205.北の果ての国-3

その日は北の果ての国での祝日であった。

しかし戦火はおさまりをみせず、戦いは続いているようだ。

祝い事とは、数十年ほど前に起こったの他の国との戦の戦勝記念日で、その戦は北の果ての国にとって、まるで奇跡のような出来事だった。

その戦争が終わってしばらく時が過ぎても、国境付近ではたびたび話題にのぼった。


“あれは私達が独裁者から解放された日だったのだ”


北の果ての国境付近の住人の中には、独裁者による支配を恐れる者も多い。

かつての独裁者は、ある民族の弾圧を激しく行なったため、彼らから嫌悪され、恐れられている。

解放された彼らは、独裁者の支配を逃れるために、今もなお戦っているのだと言う。


彼らは決して裕福な身なりではないが、これで私達は充分なのだ、と彼に笑って言った。

彼らには彼の姿が、親しい知人に見えているらしい。


祝い事が終わり、誰もいなくなった古い砦で、彼はひとり呟く。

“戦争とはこのようなものであるのか”


彼の言葉に答える者はいない。


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