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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

凍えるための魔法

作者: メガネさん
掲載日:2024/02/12

僕が生まれたのは、永遠に凍えるように寒さが吹雪く雪国。そのうち、一番寒い日だった。


「わあ!窓が凍ってる!珍しい、いつもは雪で曇って見えないくらいだったけど」


僕が生まれたのは、多分。裕福な方の家だったと思う。路地に住み、日々凍えるような貧民でも。屋敷に住み、民を納める貴人でもなかった。もちろん、従者など居ない。


本のページを捲りながら、どうしようもない空間を持てあましている。


「今日は一段と冷える。」


私は、どれだけの時が経てど泣かなかったらしい。両親はだんだんと不気味がり、私を子供部屋に入れ込み、朝昼夕のご飯を運ぶときだけしか顔を合わさなくなった。ただ、私が愛されてはいるというのは感じていた。


この部屋に時計は無い。寒さで動かなくなってしまうからだ。


「そろそろ、お昼ご飯が運ばれてくるはずだと、思ったけど。」


どれだけの時間がたっただろうか。幸い、部屋には本があった。本棚の上に行くに連れ、難しい本が入っていた。私が成長するにつれて、届くようになる本が増えて、私の中の知識も増えていった。そのほとんどは、童話の形式で、歴史を、教訓を、もちろん、魔法の知識を、伝える物だった。


「寒い。今日はずっとこのままなのかな?」

「この国にも春が来れば、寒さで凍える人間もいなくなるらしいのに。」


そう、つぶやいた。

この国は常冬なのだ。どれだけの防寒対策をしようと、やはり寒いものは寒い。外は吹雪いていて、いつも窓からは何も見えない。

ただ、これはまた別の寒さだった。私のいる部屋の扉の前に、黒い霧が吹き出る。髑髏を被った死神がその中から現れた。


「お前は、未だお前なのか」


死神らしき者は言った。本に書いてあった姿と変わらず鎌を持ち、黒い布で体を隠している。意味の分からない質問だった。「未だ」ということは、いつか変わってしまうのだろうか。しかし、そんなこと理解できなかった。


「分からないと。貴方は誰なんですか?命を奪うという死神か?それとも」


私はそう答えた。すると髑髏の目の闇が一層と暗くなる。ひびが入ったというのが正しいかもしれない。でも顔はよくわからなかった。


「死神である。理解するな。」


たぶんこの髑髏は嘘をついた。嘘をつけないように造られているのだろう、ヒビがその証だ。本には使い魔の契約についても書いてあったから知っている。

髑髏は続ける。


「それで、歪みはあるか。頭が割れたりするように」


死神であることは理解できた。これはちゃんと死神だ。私を殺しに来たことも理解できる。なぜなら、彼は鎌を持ち童話に描かれているような見た目だったからだ。

そして、死神が対話をしてきている。それに私も答えている。不思議だ。本来、神とは人には干渉しないものだろう。そんなことをするのは、物好きの悪魔か、下級天使くらいだろう。


「そんな事ない。僕はずっと僕のままだ。人として、歳を取ることはあっても、それは変わらないと思うけど」


すごく声が震えていたと思う。怖かった。

私は、いまだ窓に頭が届かない大きさである。手を伸ばせば届くが、窓が冷たかったので、初めて触って以来触ったことが無い。子供だと、本にそう書いてあった。そして死神は恐ろしい物とかいてあった。それに、恐ろしいと伝えられていたものに、子供が恐怖するのは自然なことであろう。


「そんなはずはない。お前は歪むのだ」

「お前は歪む」と、2回ほど繰り返す。


「貴方の言う歪むってどのようなことなの。正しい形でなくなることと書いてあったよ?」


僕は、本に書いてあることしか知らない。手の届く高さにある物しか読んだことはないけれど。届くようになった本はどれも面白かった。論理のようなものも多くあったが、娯楽のない部屋ではすべてが極上の芸術だった。


「違う。お前が歪むのだ。擦り切れ、跡形も無くなる程に」


それは『捻じれる』ではないだろうか。私が、跡形なくなるなんてわからない。確かに、私の原型をとどめていなければ、それは歪んでいると言える。


「でも、私は今ここに居る。だってそうだろう、今、ここで、息をして、瞬きをして、生きてるんだから」


「何故?10年だ。それだけあったのにか?」


「十年だって?私が目覚めて見た太陽の数はまだ二千回くらいだよ。そんなにたってないでしょ?」


不思議だ。窓は雪に埋まっているし、私は椅子に立ってやっと窓の外が見える身長だが、わたしは二千という数字を迷いなく答えた。


「時に対しての歪みだったか。これはどうにもならぬな。お前を殺す。」

「案ずることはない、苦しみは無い。浄化のようなものだ」


髑髏が割れる。その内側には、闇ではなく光りがあった。髑髏は人顔に、黒い布は二対翼になった。


「僕が僕であること自体が、貴方が神であるのなら、あなたの言う歪みであるのなら、僕の首を切ればいい。王には従いなさいと、本には書いてあったから知ってるよ。」


翼が羽ばたくように開き、それは鎌を振り上げる。

ああ、死ぬのだ。私は、神に殺されるのだ。そう思うような不気味な気迫があった。でも僕が思うに、これはそんなに大層なものじゃない。指で目の前の物を指し。


「でも、貴方は神で、王じゃないだろう」


心から否定した。神とは人を導く物の事で、表立って手を下す存在じゃないから。


「悪魔か?天使や神の姿は、力のある者ほど、貴方のように、人には近くないものだから。」


教典に載っていた。天使の姿。大きな瞳一つに7対の翼だけだが、その翼は、虫でも、鳥でも、鉄、機械でもない。

ただ、その存在を示すためだけの大きな翼。それは空をも埋め尽くすそうだ。


「私は子供。貴方の言うとおり、私の中で時間が歪んでいるのなら、もしかしたら私は大人かもしれない」


閉じ込められて、知らぬ間に大人になっていたのかもしれない。比較対象は本棚か、窓だけだった。


「そうか、歪みよ。お前もまた、人の生まれであったな。理解できぬ物には恐怖し、発狂をきたすか。扉の前に居た者どもも、精神を砕いていた。」


「お前から感じていた不快感はそれのせいか。嗅いだこともない匂いも、凍えるような寒さでもない。」


「そうだ。邪魔であった故に、抵抗できぬよう、足を落とし、腕を裂き、頭を割った。」

「まぁ、望まぬ殺しであったがな。そろそろ血が凍っているだろう。」


目頭が熱く、涙があふれだす。窓は割れ、風が強くなる。冷気が強くなる。何故だろう。

堪えれない怒り、腹の中が煮えるのを感じる。

凍えるほどの風が、氷と雪と共に部屋に入ってきているのに、体の内側はまるで火事のように熱かった。

窓が凍る。扉が凍る。涙も凍る。


「お前は、何でここへ来たんだ?私を殺しに来たんだろう?なぜ私の両親を殺す必要がある?」

「そもそも、お前は霧を出して瞬間移動ができ...もういい。これは私の仮説にすぎないし。」


凍る、凍る、凍れ。と、そう念じる。

私がこの部屋に居たのは。私が凍らせてしまうからだ。

皆、凍えてしまう。母は、父は、僕をそうして閉じ込めた。

私にとって、寒さは心地よいものだった。

この部屋は、私の部屋は、『凍える為の魔法』と名が付ついた。


「『凍えて、凍って、割れて、砕けて』死ねば良い!」


唱える。ただ、そう在るべしという意志を込め、あらゆる感情を、憎悪を、言葉に込めて。

魔法の呪文にしては、子供らしく、幼稚で、全く洗練されていないけれど。意志と血によって魔法は起こる。

冷気が放たれる。魔法と言うには、格が無く、冬の空気を圧縮して飛ばすだけだった。


「寒いな。ただこの程度であれば、表面すら凍らぬわ」


「そうね、詠唱に命令形は余り宜しくないの」


窓に、誰かがいる。紺のローブに魔女帽子、腰のベルトにはウィッチクラフト、フラスコの薬。

魔女だ。お手本のような魔女。魔女の姿をしたそれは言う。


「誰だ。来客だなんて、初めてだのに、また貴方もこれの仲間だったりするのか?」


「その質問の答えはNOだ。じゃあ手本を見せやろう。『渦巻き、絡まり、目眩まし。捉えるは鎖。捕らえるは万の円環』」


悪魔の足元に陣が広がる。決して広い物ではない陣からは、渦模様に回り、陣から鎖があふれだす。あの悪魔を縛り上げる。


「何故、貴女がここに居る。先の魔女狩りで数は減ったと思っていたのだがな。」

「《渦眼の魔女》だったか。け、汚らわしい魔女め」


「はぁ、《ウィッチ》と括られるのは、私たち《ウィザード》的にNGなのよね。『括り上げよ、縛り上げよ、銀の縄。そして鎖巻き取られる。落日に縛られた処刑法。過去の忌者の処刑法。火炙りの刑』」


縛られた悪魔が浮き上がり、磔刑の十字架に括られる。ちょうど、窓からの光が消え、十字架と括られた悪魔が燃え上がる。

確かに魔女だ。火刑や磔刑は教会の処刑法である。当然、残酷であり、40年前の魔女狩りから禁止された法だ。それを魔女と呼ばれた人物が使うなど、悪趣味なことこの上ない。

悪魔があくまである故か、十字架の効力故か、抵抗なく燃えて塵となった。


「ちょっと!家が燃えるじゃないか!なぜ室内で火を焚いてるんですか?」

「アレの言う通り、魔女なの?」


魔女に飛び掛かり、その服を握りしめる。そのまま、二人とも冷たい床へ倒れた。その衝撃で、薬のいくつかが割れた。


「だから魔女じゃないって。確かに会合はあるけど・・・」


「やはり魔女ではないか」


魔女同士で会合を行い、魔法の研究報告をすると読んだ。やはり、この女は悪魔の言うとおり魔女に違いない。

魔女は信用してはならない。蛇のように狡猾で、蟻のように無尽蔵で、カラスのように賢く、黒猫のように不幸を呼ぶ。

そう、本に書いてあった。


「私は本に書いてあったものしか知らない。だけど、魔女は悪であると知っている!」

「だから、魔女狩りがあったんでしょ?」


「そうだね、《魔女は》悪だったから滅びたね。私は《魔法使い》だよ」


魔女の眼が蛇のように細くなる。思わず目を閉じてしまった。だが、手は離さず、馬乗りのまま、会話を続ける。


「魔法使い?ウィザードって言ってたね。魔術師という意味じゃなかったですか?」


ウォーロック、メイジ、ソーサラー、マジシャン、それぞれ魔法使いと言われる言葉だ。そのうち、ウィザードは『良い魔法使い』として使われることの多かった言葉だ。


「そうだね。私たちは『魔法使い』の括りの中でも、魔法により人々を救わんとする集団のこと」


「つまり、貴方は『良い魔法使い』、ウィザードであると。そう言いたいわけですか」


「そうだ。私は魔女じゃない」


目を開いた。魔法使いの目は、水な心を映すような見たこともない色をしていた。ウソをついた。窓から見えた、月の色に似た青色をしていた。正直、この目にどんな意味があるのか、全く察しがつかなかった。


「私は、ミティ・ヴィベル・ロウェン。魔法使いだ」

「あとこれを。時が来た時、君に渡してと言われていたものだ。」


彼女の手には、ペンダントと指輪が握られていた。指輪の一つは、ダイヤのような純白の宝石、もう一つは、深海のような深い蒼の宝石がそれぞれはめられていた。


「指輪は右の中指と、左手の人差し指に付けて。ハーキマークォーツの指輪が右で、アウイナイトの指輪が左ね。」

「ああ、ペンダントはちゃんと首にね。イスのルーンが刻まれているんだ。意味は、氷や、期を待つ者。君にピッタリだろう?」


ルーン文字も、北欧魔法もあまり知らない。その本は、手の届かない場所にあったから。私が今使えるのは、詠唱と知恵による英国式『口頭魔術』、本を魔法陣として術を拡大させる『術書魔法』の二種類だけである。石を使う魔法もあるとは教本に書かれていたが、まだ読んでいない。


このイサ?イス?という文字は『I』に酷似した形をしている。こんなものに、魔法的な力があるようには思えない。

今までに読んだ2739冊の本に書かれていた内容を踏まえれば、そう考えざるを得なかった。だが、私の体が、そのペンダントに確かな『寒さ』を感じるのである。

指輪を付け、ペンダントも付けようとする。

つけれない・・・


「ペンダント付けられないの…」


「妙に大人びているけれど、そういう所は子供らしいのだね・・・それでなんだけれど。そろそろ、どいてくれないかな?」


「ごめんなさい・・・」


私は魔法使いの上から立ち上がり、彼女にペンダントをつけてもらった。多少寒さが収まり、体の中にあった氷が、ゆったりと溶けていくようなイメージがした。心の荷が下りたような安心感だった。

首に下がっているペンダントを掌に乗せ、目を閉じ弱く握りこむ。


「これを…これを僕に渡してって貴女にお願いしたのは、誰?」


「私の師匠であり、私の祖母の友人であり、君の血縁者」


「つまり誰ですか?」


「君のお父さんだ。」

「で、キミ、名前は?」


「クレイ。クレイ=フローゼです。なぜ貴女の祖母と私の父が友人なのですか?」


それから、8か月ほどたっただろうか。あの魔法使い、ミティ・ヴィベルを師と呼び、魔法について習っていた。


「さてさて、今日も基礎からやろう。今から的を作るから、それを割って見せて。術の種類は問わない、星でも石でも本でも陣でも、好きな方法をつかって良し」


「はい、先生。」


彼女がこう好きにやれと言う時は、だいたい『複合させろ』を意味することが多かった。

両手の指輪を起点に、円を描き陣を作る。ペンダントのルーン文字から『意味』を取り出し、学ばせてもらった知識で詠唱する。


「『鈍く打ち壊す氷弾、雹の塊、飛ぶは隼の如く、矢の様に突き刺さる』」


矢の様に細い氷の塊が、目にもとまらぬ速さで的へ向かう。氷の塊は的と共に砕け散った。

まだ、唱えることが覚束ない。物質を伴わせることは難しいものだ。


「うん、40点!前回言った通り、詠唱に物や動物を絡めるのは良い!だけど、『突き刺さる』よりも『突き抜ける』の方が威力が増すね。かん通する方が良いかも。より命令形や断定を多用すると良いね。」

「速さの表現は『隼』とできているのに、矢を絡ませると、どちらの速さが優先されるかわからなくなる。そして『鈍く打ち壊す』で始まってるのに、細長くて折れやすい『矢』を詠唱に使うのはナンセンス!ここは榴弾とか、もっと鈍いもの持ってくるのがベスト!」


「方向として同じ物の組み合わせの方が良いんですね?覚えておきます」


彼女は魔法に関しては辛口なのだ。基本的な炊事掃除は、人並みにできれば褒めてくれる。ただ、魔法に関してだけは、満点が彼女自身を基準にしている。しかも、添削は非常に早口で聞くのが大変だ。


「じゃあ次行こうか。まずこれ持って?」


「お小遣いだったり・・・」


硬貨が一枚、手渡される。公共機関やお店でも使えるちゃんとしたお金だ。


「しないよ。だけど、コレできたら好きなもの買ってあげる」

「このコインを浮かしてさ、今から離れる私の手に乗っけてみてね」


そう言うと、トコトコと魔法使いらしくない仕草で離れていく。ちょっと可愛いと思う。


「よし!初めていいからね」


よくわからない事を学ぶ日々。そんな日々一つが終わった。



※※※※※



長いローブを纏い、椅子に腰かけた一人の魔法使いが口を開ける。


「ラミティが弟子だなんてねえ?」


親戚の人が[あら●●ちゃん、彼女(彼氏)できたのね~]というような口ぶりである。こそばゆい感じがする。


その言葉の真意は、今回の会合の目的。つまり、私の弟子についてだ。

少し前まで、顔も知らず。ただただ、周りを凍らせる魔法力をもった少年。彼を弟子に取ったことについてが議題だ。


「妻子持ってるクェイクには言われたくないね。私はそういう契約の元で弟子取ったんだもん」


『魔法使い』は、魔術師や魔道士と違って『お家柄』とか『戒律』が定まっていない自由な組織なので、自由に結婚をすることが出来る。

ただ、弟子は別だ。魔術師は、魔法の強さを『血』によって管理し、育てることでより、強力な魔術師を作る。

魔導士は、修行と『戒律』による制約のもとで、制限された術を使う契約をすることで、魔法と肉体を強固に変える。

魔法使いは、そのすべての決まりを取っ払った組織。異端である。


「まぁいいじゃないですか。魔法使いは不足してるから、人手が増えるのは良いことでしょ?」


一番若い少女がそう言う。若く見えても、魔法で容姿を変えている。多分実年齢は彼女が一番上だろう。


「ファイが言うならカラミティの弟子の事は認めようか。」


「ならしゃーない、そいつんことは認めといたろか。でも特別やで?」


非情にウザったらしい。もう少し彼は礼儀を重んじれないのだろうか。


「方言は慎めデリュン、もう少し礼儀を、な?他派の奴らからしたら、私たちの弟子は禁忌その物だ」


「はは!それもそうやね!そもそも、そういうと決まりやし、先に許可とらんかったウズが悪い」


「そうだね。石も本もルーンも使う我々は異端中の異端だから。そうでもなければ、私たちが災害の名前を与えられるはずがない・・・だろう?まぁ、次からは風魔法か何かで言伝てしなさいね?」


「分かりました。以後...はないと思いますけど...気を付けます」


「はい!皆、今日はお開き!ラミティの弟子は承認、経過観察するように。」


「うし。乙」


「ではまた、8月後」


「んじゃの~」


次々に別れの言葉を告げて、彼らの椅子の後ろにある扉から、出ていく。


「アタシは先に帰るよ、ここは閉じておくのように」


「わかったよ、ディザ婆。バイバイ」


「婆言うな」


後十年もすれば、私たち魔法使いの時代がやってくる。これが私たちの合言葉だ。


残ったのは私と、魔女の円卓と、椅子だけ。

閉じるというのは、この会合の空間を、誰にも入れないように閉じること。現世との境界を歪ませる必要があるけれど、魔法使い達ならば分かるような暗号で閉じる。


「不可侵、錠前、閉門」


ゆっくりと、崩れていく。この部屋が、扉が。

崩れかけている扉を開きながら、家を思い浮かべる。


「帰ろう。帰ろう。愛しの我が家へ。」


そう。家には、弟子が。家族が待っているのだから。

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