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【第5部〜旧世界の魔神編〜】  第3章 レミュラ

 ルシファーとミカエルが、細身のXNUMX人を敵と見定めた。細身のXNUMX人が、どうやらリーダー格の様だ。ベルゼブブは必然的に太めが相手となるが、大丈夫かな?ルシファーとミカエルは双子の兄妹で、その強さは天界屈指で互角だ。XNUMX人である細身の奴の強さは、私と互角と仮定するとテンダラース(S10ランク)だ。2人がかりなら互角に戦えるだろう。太めの方も同じくらいの強さだとすると、オクタス(S8ランク)のベルゼブブ1人では一方的にやられるかも知れない。目の前のこの女をさっさと倒して、ベルゼブブの助太刀に入らなくては、とりきんだ。

 女のXNUMX人は、正面からゆっくり向かって来る。絶対の自信がなければ、こんな態度は取らない。舐められているのが腹が立つ。

「あらあら、怒ってるの?挑発に乗りやすいね。貴女の大事そうにしてたペットの頭、潰しちゃって御免なさいね?あははは」

「ペットだって?それは…巧、巧の事かぁぁぁぁぁ!」

練気剣ヴァジュラ

気を練れば練るほど、斬れ味が増して行く練気剣(れんきのつるぎ)だ。貫通効果も手伝って、最終的には斬れない物など無くなる。これを受け止めるには、同じく気を練った武器が必要となる。

 しかしこの女は、練気剣ヴァジュラを素手で受け流した。剣道3倍段と言うが、徒手で剣などの武器を持った相手と相対するには、3倍の段位が必要とされる。剣帝の剣技をマスターしているこの私の3倍も上だと言う事か?しかもコイツの武術には見覚えがある。帝釈天(インドラ)の妻である舎脂シャチーが使っていた武術に似ている。

「ほら、ほら、ほらぁ~」

 体術は完全に私を上回っている。押されて防戦一方となった。カウンターを狙われて蹴りを入れられると、吹き飛んだ。

「うぐっ…」

「あははは、弱いわね。こんなのがこの星で最強だとすると、私達の相手じゃないわね。直ぐに殺しちゃっても良いんだけど、あたし1人でアイツらの交尾相手をするのは、正直しんどいのよ。暫くは、あんたに代わってもらうからね?」

「お前、名前は?」

「あははは、知りたいの?まぁ、これから長い付き合いになりそうだしね。教えてあげる。レミュラよ。あの太いのはダルカンで、細い方がミシュランよ。あんたは?」

「私はアナト。お前を倒す者だ!」

 練気剣ヴァジュラを投げ付け、生まれた隙に間合いを詰めて殴り掛かった。拳を突き出して腹に一撃を入れると、左のパンチは相打ちでお互いに喰らい合った。怯む事なく右の膝でボディを狙い、そのまま蹴り飛ばした。

「馬鹿な!何だそれは?それは私の…」

「そう貴女の…模倣ラーニングさせてもらったわ。これで互角よ?」

「ふざけるなぁ!」

 殴り、かわし、蹴り、カウンターを入れ、受け流す。2人の力は拮抗し、体力の続く限り殴りあったが、徐々に動きのキレに差が出始めた。アナトは自動回復オートリジェネのお陰で、傷だけでなく常に体力までもが回復し続ける。

 レミュラが最後の気力を振り絞り、ダメージをかえりみず、正面から打ち込んで来た。私は臆する事なく受けて立ち、殴り合った。狙い澄ました全力のカウンターをレミュラにお見舞いすると、銀白のタイツが弾けて消え、全裸になったレミュラが素顔で転がった。

「く、くそっ…」

「ごめんね、チートで。それにしても、美人ねぇ。そんなに綺麗なのに、アイツらと代わる代わるHなんてしてたんだ?」

「それがどうした?それくらいしか娯楽が無いから仕方がない…」

「ふ~ん、じゃぁ私がもっと楽しい事を教えてあげようか?だからもう争うのは止めにしない?」

「私は良くても、あの2人が認めないだろう。私しか抱いた事が無いから、飽きて他の女…お前を抱こうとしてるんだ…」

「じゃあ2人とも倒しちゃえば良いかな?」

「倒す?あの2人は、私なんかよりも強い。勝てるはずが無い」

私はレミュラを拘束すると、ベルゼブブの元へ向かった。


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