表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/390

【第5部〜旧世界の魔神編〜】  第2章 みっちゃん

 春町に作られた研究室に着いた。もう夜も遅いので、部屋を案内されると、眠りについた。検査は明日の朝行われる。

「ふわぁ~ぁ!」

大きく背伸びをしながら欠伸をして、目を覚ました。シャワー室が付いていたので、シャワーを浴びて、髪の毛をドライヤーで乾かしていると、部屋の呼び鈴が鳴った。

「はい」

「朝食の時間です。支度をしたら、食堂へお願いします」

「分かりました」

ドアホンで応答すると、足音が遠ざかった。急いで着替えて食堂へ向かった。

「もしかして、青山か?」

声を掛けられて振り向くと、男性が立っていたが、誰だか分からなかった。

「俺だよって、私は田中だよ」

「えーっ!まさか、みっちゃん?」

彼女は、今ではすっかりたくましい男性だが、元カノの親友の田中美智子さんだった。

「すっごく綺麗になって…、ユリとはもう別れたんだろう?だったら、俺と付き合わないか?」

「えっ?」

「性別が入れ替わってから、最初の頃は戸惑って泣いてたけれど、今は自分が女だった事も思い出せないよ。男になって、女の子8人と経験したしね。俺、上手いって言われるよ?満足させてあげるからさ。俺と付き合ってよ」

「あははは、考えとく…」

みっちゃん、女性だった時とキャラ変してるんだけど…。まぁ、確かに友梨奈とは違って、女性だった時も男子とHして遊んでる噂はあったけども。

「ねぇ、友梨奈…いや、友徳くん見てない?」

「あー、ユリの男名を知ってるんだ?ユリもここにいるけど、まだ未練があるの?」

「まさか…私、大好きな男の人と失恋したばかりで、ここに来たのよ…」

「へぇ、そうなんだ。だったら、俺が癒してあげるから、付き合おうよ。元々友達だったし、知らない仲じゃないんだからさ」

 友梨奈と付き合っている時に、みっちゃんが失恋したのを慰めていると、私の事を好きになれば良かった、と言われてキスされた事がある。あの時、不可抗力だったとは言え、友梨奈以外とキスをして、浮気してしまった罪悪感にさいなまされた。その事を言っているのだろう。

「ごめんなさい。失恋したばかりで、まだそんな気になれないから…」

そう言って断った。

「失恋から立ち直る近道は、新しい恋だよ。他に好きな人を作れば、すぐに忘れられるから。経験者だよ俺は。俺が失恋した時、慰めてくれたよな?お前の優しさに、コロっと惚れちゃって、何だか良いなぁと思ったからあの時キスしたんだよ?ユリに遠慮しなければHしてたよ」

あははは、と笑えない冗談か本気なのか分からない事を言われた。それから、みっちゃんに案内されて、食堂に行った。

「じゃ、じゃ~ん!この美女は誰だと思う?」

「えー!まさかの瑞稀!?」

「お前ら即答かい!」

「青山くん。いや、青山さん、俺と付き合って~!」

ほとんど、同窓会の様なノリでワイワイと騒いだ。

「ほら、他の人もいるんだから、静かにしないと!」

私が周りの目を気にして言うと、皆んな返事をして小声になった。ふと、友梨奈と目が合って、ドキッとした。

「あははは、ユリが気になる?」

そう言うと友梨奈の隣に私を座らせて、私を挟んだ。

「あ、あのー。久しぶりだね?」

「そうだね」

「あははは、何なの、その他人行儀みたいな感じは?別れちゃうと、そんな感じになるんだ?」

「そう言う訳では…。ちょっと緊張しちゃって」

「緊張かぁ。瑞稀、めっちゃ可愛くなっちゃって。別れるんじゃなかったなぁ」

「だって、友梨奈…いえ、友徳くん、彼女作ったじゃない?」

「あー、あれは勝手に誤解しただけだろ?彼女じゃないし。俺は、お前しか彼女がいた事がないよ」

「えっ!嘘っ…」

「ユリはね、ずっと瑞稀の事が好きで、忘れられなかったんだよ?俺は、今日2人をくっつける手伝いをしようと思ったんだけど、気が変わったわ。だって、瑞稀がこんなにめちゃくちゃ可愛いんだもんな。寄りを戻す気なんて無いだろう?俺にしとけよ!」

「もう、みっちゃん強引過ぎだよ。そんなんじゃ、友達にもなれないよ」

「昔、何があったかユリに言ってやろうか?」

そう言うと、顎クイされて友梨奈の目の前で口付けをされた。離れようとしたが、頭を押さえ付けられて舌を絡められた。

だ、皆んな見てるのに」

「2人っきりなら良いのか?俺もう我慢出来ないよ。部屋に戻ってHしようぜ」

私の右手首を掴んで、左腰に手を回すと、部屋に連れ込もうとした。

踏ん張っても力では敵わずに引き摺られた。

だぁ、誰か助けて!」

「みっちゃん、いい加減にしなよ!」

友梨奈が助けに入ってくれた。

「ユリ、こいつとはもう終わったんだろう?だったら俺がもらっても良いだろう?」

「本人が嫌がってるんだから、無理矢理はダメだろう?」

「嫌よ嫌よも好きのうち。絶対、気持ち良くさせてやるから、やらせろよ」

だぁ。止めて、みっちゃん。お願い」

友梨奈が間に入って、みっちゃんから引き離すと睨んだ。

「瑞稀は可愛いなぁ。ユリに免じて今回は止めるよ。でも俺は絶対に諦めないからな」

みっちゃんは、自分の部屋に戻って行った。

「友梨奈、あっ…えと、友徳くん、助けてくれて、ありがとう」

「お礼は良いよ…元カレが、犯されると分かって見殺しには出来ないよ」

「犯されるって…」

「あははは、何だか変だね。男だったのに、犯されるってどうなの?」

「ははは、本当、変だよね…春町の皆んなだけ…何でこんな思いをしなくちゃいけないんだろう」

朝食を食べ終わると、広い会議室に私達は集められた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ