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妹注意報!うちの妹は、干物ときどき天使!?  作者: こりんさん@クラきょどコミック5巻12/9発売!


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第14話「相談」

 柊さんと一緒に帰るようになって、早いもので一週間が経っていた。


 相変らず周囲の視線や、クラスからの尋問が無くなりはしないものの、それでも俺達が一緒に帰る仲なんだという事は周囲にも浸透してきているようで、この光景に驚く人の数はかなり減っていた。

 だがその代わりに、俺に対する嫉妬の視線は比例して増えているため、むしろ悪化している気もするけれど……。


 そしてもう一つ。

 流石に俺と楓花が兄妹だという事が学校中にも広まっているようで、そこに対する変な噂をされる事は無くなっていた。

 兄妹仲がいいんだなと、周囲もそこは受け入れてくれているようだ。


 だがその結果、今度は俺と柊さんに関する噂は広まってしまっているらしい……。

 柊さんが、俺なんかを相手に想いを寄せているとは誰も思っていない。

 そのうえで、俺が一方的に柊さんに対して気があるんじゃないか? と噂されてしまっているようだ。

 その結果、一部では「柊さんを守る会」なんてものまで結成されており、俺の事を警戒し監視しているのだとかなんとか――。


 それを初めて聞いた時、本当に勘弁してくれよと思った。

 俺のことはともかく、そもそも柊さん自身が望んでいるわけでもないのに、勝手にファンクラブのようなものを結成し、そして勝手に柊さんの交友関係に干渉しようとしているのならば、即刻止めさせるべきだ。

 柊さんからしてみれば、彼らの都合なんて知ったこっちゃないのだから。


 ちなみに、このファンクラブもどきは楓花に対しても存在しているようで、流石は四大美女といったところだが、そんなものは友としても兄としても決して許すわけにはいかなかった。


 気があるのならば、群れを成して姑息な活動なんてしていないで、ちゃんと相手に想いを伝えるべきなのだ。

 そのうえで、しっかりと当たって砕けて貰って、二度とうちの楓花や柊さんに近付くなって話だ。


 そんな事を考えながら、今日も今日とて俺は、四大美女の二人と一緒に下校しているのであった。

 楓花と柊さんの二人は、今ではすっかりと打ち解け合っているようで、二人で談笑しながら帰っている姿に、俺は兄としては安心する。


 そして気が付くと、俺はそんな笑い合う美少女二人の姿に見惚れてしまっていた事に気が付く。

 笑い合う二人の姿は、とにかく尊いのだ。

 仮にこれが一人なら、もしかしたら自分に自信で溢れたような男なら、声をかける事ぐらいは出来るのかもしれない。

 でもこの二人が揃って、こんな風に笑い合っている姿を見せられては、もう間に割り込む事なんて、きっとどんな男であっても不可能だろうと思えた。

 一緒に帰っているはずの俺ですら、間に入るなんて絶対に許されないと感じてしまう程なのだからだ。


 大天使と大和撫子――。

 今日も俺は、一歩下がったところでそんな二人の姿を見守りながら歩く。

 なんだか最近はもう、こうして二人を見守っている事が俺の役目のようにすら思えてきていた。


 ――って、それじゃファンクラブもどきの奴らと同じじゃねーか。


 そうじゃなくて、俺はこうして妹にちゃんと友達が出来た事が純粋に嬉しいのだ。

 今まで他人に対して壁を作ってきた楓花も、どうやら同じ境遇だった柊さんとならば話が合うようで、そんな似た者同士の二人が知り合えて本当に良かったと思う。


 だから俺は、妹の学校生活含め、何か手助けしてやれる事があればしてやりたいなと思っている。

 それは柊さんに対しても同じで、一方的かもしれないけど俺はもう柊さんのことは友達だと思っているから、もし何か困っている事とかあれば力になりたいと思っている。


 だからやっぱり、あんな押し付けるだけのファンクラブもどきと一緒にするなという気持ちで、今日も俺は二人の事を後ろから見守っているのであった――。


「そうだ、あの、良太さん? 実は相談がありまして――」


 すると、楓花と楽しく談笑していた柊さんだが、突然立ち止まり俺の方を振り向いて、ちょっと言い辛そうにそう相談してきた。

 力になりたいと思った矢先の相談事に、俺はちょっと戸惑ってしまう。


「ん? ど、どうかしたか?」

「……えーっと、実はその、わたし今クラスの男の子から、その……付き纏われていおりまして……」


 とても言いづらそうに、柊さんは抱えているその悩み事を打ち明ける。

 そしてその悩み事とは、俺の思っていたレベルの斜め上を行くものだった……。


 ――クラスの男子に付き纏われてるって、それって普通に不味いやつだよな。


 そう思った俺は、驚きながらも問題が問題だけにここは真剣に相談に乗る事にした。


「そ、そうなんだ。……それで、相談っていうのは?」

「――はい、その……。もし可能であればで構わないのですが――少しの間だけ、その、なんて言いますか……わたしの彼氏役をやっては頂けないでしょうか――?」


 柊さんのその相談とは、やっぱり俺の予想の斜め上……いや、軽く天井を超えてくる内容なのであった――。


次回、明日12時更新予約済み

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