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2.神様

ー約2週間後

か、体がだるい…。これは、普通に体調が悪いのか『夢』のせいかどちらだ…。

私は机に突っ伏しながら、2コマ目の講義が始まるのを待った。

「りな?どうしたの?大丈夫?」

同じ学科のゆうかが、講義室に入ってすぐに声をかけてきた。

「あ、ゆうか。ちょっと体調悪くて…」

「それは休まないと!!」

「いや、休むほどではないから大丈夫」

「そぉ?」

そう。休むほどではない。

このまま働けと言われれば働けるくらいだ。

………………

…………

……

2限が終わりかけた時、自分が私の元へと来た。一体いつの夢の自分なのかは正直わからない。でも、姿的にそんなに前ではなさそうだ。

「戻れ」

周りの人にバレないよう小さな声でそう言い、私の中へ戻した。

自分が戻ってきたことで、体が少し軽くなるのを感じた。

やはり、この体調の悪さはこれが原因か…。

かなり記憶に残りやすくなってるし、このままだとまじで死ぬかもしれないな。

今日の昼はちょっと探しに行くか。

そう思い、ゆうかに今日は一緒にお昼食べれないと言おうとした時だった。

「りな、最近変なことない?」

突然、ゆうかがそう言った。

「え…っと」

な、な、なぜ…!?え、ん???

なんでそんなこと聞くのかもわからないし、どう答えればいいのかわからないし、話していいのかもわからず、私は混乱した。

「どうなの?」

ゆうかはぐっと私に詰め寄り再度どうなのかを聞いてきた。

その圧に負け、つい

「あ、ある…」

と答えてしまった。

その後、私に起きていることを伝えると

「んー。あの方ならわかるかな…。3、4限は授業取ってる??」

「いや、取ってないけど…?」

「よし、じゃあ、ちょっと出かけるよ」

そう言われ私はゆうかの車に乗った。

「なんで、私に変なことが起きてることがわかったの?」

「2限の始めと終わりで魂の量が違ったから」

「え、魂が見えるの?」

「いや、はっきり見えるわけではないけど、なんとなくわかる。だから、人の寿命もわかるんだよね」

まじか。霊感があるとかなんだろうか?

………………

…………

……

しばらくするとある神社に着いた。

てっきりお寺に行くのかと思っていたので、なんで?と疑問を持った。

車を降り、本殿へと向かった。

その神社は非常に広く、立派なものだ。あまり神社に詳しくないが、ここらでは有名なのだろうか。

本殿へ着き、ゆうかは二礼二拍手一礼をした。

一礼が終わった瞬間辺りは真っ白になった。

「なに…?これ…」

「りな、こっち。はぐれないで」

ゆうかに手を引っ張られ向かった先には、着物を着た美しい女性がいた。

この人が神様?

「神様、ありがとうございます」

「あ、ありがとうございます」

ゆうかに続いてお礼の言葉を述べた。

「いえいえ~。ゆうかが来てくれて嬉しいよ~。隣の子の名前は何かな?」

「この子はりなと言います。今日はりなのことを相談しに来ました」

「ふんふん。りなちゃんね。確かに魂に異変が起きているわね」

私はもう一度、私に起きていることを話した。

「こりゃまた珍しいことが起きてるね」

「魂の減少も起きてますし、早く原因特定して解決してあげたいんですけど、原因はなんだと思いますか??」

「んー、なんだろう。こうなる前に何かあった?」

「え、えと…。特には。ある日突然『自分』が現れて」

「無意識の願いか何かか、良からぬものに目をつけられたか……。原因はなんであれ、このままだと命と人格が危ないからとりあえず、それをどうにかしようか」

「は、はい!お願いします!」

命だけじゃなく人格も危ないのか…。

神様は私の額に手を当て、何やら呪文のようなものを唱えた。

ふわっと温かい感じがした。そして、さっきよりも体調が良くなった。

「よし。とりあえず魂の保護をしたけど、100%守れるわけじゃないから。強く引っ張れれば外に連れていかれるし、強い意志を持ってしまった魂が戻ればあなたの人格に影響を及ぼしてしまうかもしれない。でも、今までよりは出ていかないし、影響も少なくなったわ」

「そうなんですね。ありがとうございます」

「どういたしまして~」

神様は優しく微笑みながら私の頭を撫でた。

なんだかほわほわするなぁ。

それにしても、なんでゆうかは神様と顔見知りなんだろ?それに、普通神様に会えるとかありえないよね。

そう思い、先程から気になっていたことを聞いた。

「あの、ところで2人はどういう関係なんですか?」

「「それは言えない」」

2人は口を揃えてそう答えた。

「え、あ、そうなんですか…?」

「うん、ごめんね。あと、ここでのことは他の人に言わないで欲しい。今回は、りなの命が危なかったから連れてきたけど、普通は入っちゃだめだから」

「そうなんだ。…わかった。約束するよ」

「あ、でも、りなちゃんも入れるようにしとくから、身の危険を感じたからここにおいでね~」

「え?!いいんですか!?」

そんな特権、貰っていいのかとかなり驚いた。

「この件が終わるまでだけどね」

「ありがとうございます!!!」

この件が終わるまででもなんだか嬉しい。

それに命や人格が危うい状況で助けてくれる存在があるのは、本当に心強い。

「ゆうか、あとで入り方教えてあげてね」

「わかりました」

「そいじゃーまたねー」

私たちは神様に一礼すると、また辺りが真っ白になった。

しばらくすると、すーっと霧が晴れるように景色が戻っていった。

「よし、じゃあ、大学に帰ろうか」

「うん。ゆうか、ありがとうね」

「どういたしまして」

私たちは車に乗り、ゆうかの運転で大学へと向かった。

その途中で1つ、気になっていたことを聞くことにした。

「あのさ、ゆうかが何者なのかって聞いたらダメなやつ?」

「あーー。ダメなやつだね」

「そっか」

「…不気味だなって思う?」

「いや、別に?何者でもゆうかはゆうかだしね」

「そう、それならよかった!!」

ゆうかはにこっと笑いながらそう答えた。


今日はかなり不思議な体験をしたけど、今まで抱えていた不安が軽くなった。

いい夢が見れそうだ。

読んでくださりありがとうございます。

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