第7話 さよなら師匠
あれから8年が経った。
今の僕は14歳って師匠が言ってたっけ?
あれからちゃんと毎日師匠が言った特訓をやり続けた。
師匠がとある日ある言葉を僕に言った。それは、
「バルよ。お主に最後の特訓を与える。」
「な、何でしょうか?」
「お主の神聖魔法でわしを消してほしい。」
「な、何を突然言うのかと思えば...頭どこかでぶつけましたか?」
「いいや。冗談抜きじゃ。お主しか頼めんのじゃ。」
「え?なんでですか?」
「この身体を見てみろ。」
そう言って僕に腹部を見せてくれた。
なんと言うのだろうか。黒く染まって禍々しいオーラも放たれている。
「これを見たらわかる通りわしはアンデッドじゃ。だがしかしあやつの最後の思いを叶えてあげたくてわしはここにおるのじゃ。あと2日も持たへん。わしはお前に特訓する事を言われたのじゃ。さぁもう時間も無い。さぁわしに神聖魔法を当てて消してくれ!」
僕はなぜか泣いていた。
捨てられた僕を拾ってくれ強くしてくれた方を僕が消すなんて...現実に抵抗する事が出来ない自分が憎かった。
「師匠。今までありがとうございました。」
パァァァ...
師匠は砂のように消えていった。
ニッコリと笑いながら。
もう甘える事はできない。
アイツらを潰すためにな。