俺の下に人を作らむ
自他ともに認めるいわゆるキモオタの見た目のせいで、友人ができたことがなかった。
いや実際にはそれだけでないのかもしれないが、自己否定を本能的に拒否しているのかもしれない。
人間の心は実にもろい、そんな当たり前のことが自分に当てはまっていて驚く。
これは自分が他と違うというイキりではない。
まあ、実際他とはマイナス方向で違うのだが、それがかっこいいとも思わないし、逆に本当に恥じているし、何度自身を呪ったかは分からない。
だが、最近は大して自己嫌悪感はなかった。
ただ、外れくじを引いただけ、それだけと思い始めた。
誰か俺のおかげで外れくじを引かずに済んだと思えば、少しは気が安らいだ。
そう、少しは、気が安らいだ、と思い込ませていた。
自分が幸福でないのに、他社の幸福なんて喜べるわけがなかった。
そんな奴がいたら手には聖書もしくは経本でもあるだろう。
あいにく俺は無宗派でね。
塵が募ったストレスの山を掃除するため、ネットでコメント欄に嵐を呼んでいた。
そんな中で広告を踏まされ馬鹿な若者の間で流行っている動画投稿サイトへ転移させられた。
そんなことでイラつく自分に元の木阿弥じゃないかと思いながらも、せっかくだと思い少し見ていた。
くだらないとヌルヌルスクロールしていた俺の手が止まった。
その動画では俺のようなキモオタの見た目のビフォーアフター動画で、イケメンに変わっていた。
俺はそこに希望が見えた気がして、その日はその方法について延々と調べた。
そして、方法を自分なりにまとめやることをリスト化した。
時間がかかりそうだったが、何年耐えてきたと思っているんだ。
俺は笑い止まらなかった。
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