ある日の午後 1
「次は私が書く!!」
と言った先輩の台本を顧問が
「何が言いたいのか分からない」
と却下した為、公演2週間前くらいに慌てて書いた物。
登場人物
・山音 未来
・悪魔 兄
・悪魔 妹
・田木 梓 声のみ
・いじめっこ 深冬 声のみ
・いじめっこ 里緒 声のみ
・いじめっこ 南 声のみ
緞帳が上がる
ある放課後の教室 いくつかの机と椅子
中央辺りの1つに未来が座っている
未来:梓、遅いなぁ? クラブまだ終わらないのかな……マンガでも読んでよ
戸を閉め、カギをかける音
未来:え? 何!? ま、いっか
深冬:「ま、いっか」!? あんた馬鹿なの!?
閉じ込めたに決まってんでしょ?
山音未来、閉じ込められたの!! 分かってんの!?
南:深冬さん~~血圧上がります……
深冬:うるさいっ!!
未来:え!? 閉じ込められた……? どうやって?
里緒:あ。戸を閉めてぇ、カギかけてぇ……
未来:ふむふむ、なるほどねー
里緒:そして……何でしたっけぇ?
深冬:知らん。答えてんじゃないわよ、何をやってんのよ!!
未来:どうして私を閉じ込めたのよ
深冬:山音未来!! あんたが気にくわなくて大嫌いなのよっ!!
未来:そこまで嫌われてるとは思わなかったけど……
南・里緒:嫌いだから閉じ込めてんの!! 当たり前でしょう!?
深冬:山音未来、よく考えれば? 自分がどうして嫌われるのか。
その能天気さじゃ分からないと思うけどぉ!!
里緒:いつ、その戸が開くか分からないよぉ? 深冬さんワガママだから
南:田木さん助けてくれるかなぁ?
未来:梓に何かしたの!?
南・里緒:さあね
深冬:南!! 里緒!! さっさと行くよ!!
南・里緒:はーい
足音が遠ざかる。戸をにらむ未来
未来:私だって好きで能天気やってるわけじゃないわよ……
能天気やってる方が楽だもの。その方が皆と一緒にいられる
決して仲間はずれにされない、一人ぼっちにならない
だから……私は……
チャイムの音
未来、我に返ったように
未来:あーもー!! 梓まだかなぁ? 1時間も待ってるのにぃ!!
マンガ読み終わったしなぁ……どうしよ?
と言いながら二冊目を読み始める
悪魔兄妹ひょっこり現れる
未来:……何か視線を感じるんだけど……?
未来振り向く、丁度隠れる二人
未来:……気のせい?
また、ひょっこり現れる兄妹
どうしても気になる未来
未来:やっぱり視線を感じる……
未来振り向く。また隠れる二人
未来:……?
再び、ひょっこり現れる二人
急に振り向く未来
未来:なっ、なっ、何!?
妹:見つかっちゃったねぇ?
未来:誰よ!! あんた達!!
兄:何で言わなあかんのや
妹:あかんのやー
兄:お前は黙れ
妹:はーい、でも、や!!
怒る兄
未来:……(呆れたらしい)
落ちたマンガを拾い読み始める未来
慌てる二人
妹:あーっ!!どぉしよぉ~~!!
兄:お前のせいや!! いつもやったらお前が答えるやろ?
せやから「言わなあかんのや」って答えたのに……
妹:え? 私が答えるんだったのぉ……?
兄:そうや!!
妹:はーい、ならいってきまーす♡
先輩の卒業公演だったから台本もおまかせしたのに顧問よ……
私が書いたのも似たり寄ったりだと思うのですが。