放課後の白昼夢(デイ・ドリーム) 6
水晶:白い服を着た男だった……たぶん……
アクア:ジルコンか? サファイアも、もう諦めてる。けど信じてるんだ
ジルコンは帰ってくるって……
お前にだって信じれるものがあるだろう!?
そんなものないとか言う気かよ
水晶:信じろ? 何を信じろって言うの!? 私が何も言わないからって、
ただそれだけで人をいじめて満足してる奴らの中で何を信じるのよっ!!
アクア:お前、自分の親友すら信じられないって言うのか……?
水晶:親友……? みこの事?
……ぃの、恐いのよ、裏切られるのが!! もう傷つきたくないのっ!!
アクア:臆病者!! 恐い恐いってただ逃げてるだけじゃねーか
……変わろうとしたか? 自分から、自分から変わろうと努力したか!?
水晶:……努力? 自分から変わろうとしたか、ですって!?
分かったような事言わないで!! あんたに何が分かるのよっ!!
アクア:わかんねーよ!!
わかりたくねぇ、オレは逃げない臆病者になりたくないから
思い上がりだと言われればそれまでだけど、オレは自分を信じてる
自分を信じてるから自分に正直に生きていこうとするだけだ
水晶:あの場所はここみたいに綺麗じゃない……真実を言えば叩かれる
何も反応しないと反応するまでいじめる。
反応したらどんどん痛めつけられるっ!!
どうやってもいじめられる、痛めつけられる、傷つく!!
まるで心臓に刃物を突きつけられたよう……
そんな場所……そんな場所で!!
アクア:だから信じられないって? だからウソつくのか?
自分の心にウソを重ねて傷ついて……そんな馬鹿な事ってあるかよ!!
水晶:馬鹿な事で悪かったわね!! でも仕方ないの耐える為にはっ!!
……時々、思う事があるの。私は何の為に生きてるんだろうって
答えなんて見つかりっこないのに……何処にもないのにっ!!
アクア:答えを見つける為に人は生きるんだ。人は……強いよな
傷付いても生きてる。生きていこうとする勇気を持ってる
例え死の淵に追い詰められても、どん底に突き落とされても
そこから這い上がろうとする勇気を強さを持ってる
……水晶、本当は素直になりたいんだろう?
自分で分かってるはずだ
水晶:自分で分かってる……? 素直……?
アクア:あっちの世界へ帰りたいんだろう?
ここら辺から嵐がおさまり明るくなってくる
水晶:アクア……マリン? あんた一体……
アクア:今戻れば……また。それでも帰りたいんだろう? 生きる為に、違うか?
水晶:そりゃ今戻ったらまた……けど、みこに会いたい――……
ここにいるとね落ち着けるの。素直になれる、何でもできそう
そんな気がした――――
アクア:で、今の本心は?
水晶:アクアマリンに怒りぶつけたらスッキリした。今、気付いたよ
今からでも遅くない自分と闘おうって、その為には……帰らなきゃ
アクア:そうだな、頑張れよ
水晶:うん。帰らなきゃ、みこが心配する
急に嵐の音が大きくなる
一際 大きい音
水晶:それじゃ。ありがとアクアマリン。オニキスと仲良くね
アクア:うるせーよ、水晶。闘ってこい
水晶:OK 闘い終わったらまた来てあげる、みこと一緒に
アクア:二度と来るな
水晶、穴の方へ向かう
暗転