放課後の白昼夢(デイ・ドリーム) 4
サファイア:森や湖に行くとね、不思議な事が起こるらしいの
何が起こるのかは、行った者にしか分からないの
水晶:(ぽつりと)……私がここにいる事も不思議な事……だよね
サファイア気付かない
水晶:私ってどうしてここに来たんだろう? 体育倉庫に閉じ込められて、
死体に足を引っ張られて、気が付いたらここにきてた
あの死体ってまさか……ジルコン? まさかね、そんな事は……
サファイア:何ブツブツ言ってるの?
水晶:あ、いや別に……(話題を変えようとする)
そういえばオニキスってアクアマリンを
探してたけど、一体どういう用なのかな?
サファイア:さぁー? でも……
水晶:でも? 何?
サファイア:本人に聞いた訳ではないから、分からないけど……
ちょっと耳貸して?
二人、内緒話のように
水晶:えぇーーーっっ オニキスがアクアマリンに恋ぃぃぃぃぃぃぃ!?
サファイア:声が大きい!! だからね、そうなのかなー? ってそれだけ
確信はないけど
水晶:そっかー だからアクアマリンを探してたんだー
サファイア:おーい 水晶ー? それでね、水晶は?
水晶:はい?
サファイア:水晶は好きな人っているの? 水晶ったら人にばっか喋らせて
自分は言わないってのは駄目よ?
もちろん話してくれるわよね? ね?
水晶:始めのイメージと違うよサファイア……好きな人なんていない
サファイア:ウソも駄目よ
水晶:いない……いないよ……
サファイア:何かあったの?
水晶:何もない……何も
サファイア:何もないならそんな顔しないでしょう?
水晶:しつこいなぁっっ 何もないって言ってんの!!
サファイア:(溜息)……ならいいけど
水晶:…………
アクアマリン上手より登場
アクア:ったく、うるせー声だなぁ 外にまで聞こえたぞ、何かあったのか?
サファイア:何でもないわ
アクア:ふーん、別にいいけど
水晶:…………
サファイア:アクアマリン、さっきオニキスが行かなかった?
アクア:会ったよ。
暇だし、ドラゴンの森へ行こうかな……水晶、行くか?
水晶:えぇ? 私?
サファイア:何を言うの!! 水晶は女の子なのよっ そんな危険な場所……!!
アクア:もしかしたら帰れるかもしれないぜ?
不思議な事が起こるっていうんだから。どうする水晶?
水晶:……行く、私行くよ
サファイア:旅は危険なのよ? いつどんな魔物が現れるか分からないのにっ
無理よ、水晶!!
水晶:行くよ、私。何故ここに来てしまったのか分からないんだもん
じっと待ってるのもイヤだし。行ったら何か分かるかもしれない
サファイア:水晶……でも……
水晶、フッとサファイアを見て
水晶:行く、自分の為に。
何もなかったら、何も手掛かりなかったら帰ってくるから
サファイア:じゃあ、元の世界へ戻れたら戻るの?
水晶:……うん
暗転
サファイアにスポット
サファイア:大切な人ほど……どんどん私から離れていく
水晶、無事に帰れるといいけれど……
暗転