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台本たち  作者: 魅桜
放課後の白昼夢
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放課後の白昼夢(デイ・ドリーム) 2



  水晶倒れている。その水晶の足を誰かが持っている

  水晶、がばっと起き上がろうとする


水晶:うわっ、寝ちゃってたよ。もう倉庫の鍵、開いてるかなぁ?

   ん? 足に何か生暖かい感触が……うわぁぁぁぁぁぁぁ


  倒れていた人物が顔を上げる


アクア:びっくりした?

    いやぁ、見掛けない服を着てたモンだから、ついからかっちまった。

    悪ィね。あーあ、涙目になってらぁ


  水晶 回りを見る。知らない所にいるのでおどろく


水晶:ここ何処? 私……一体……えと……


アクア:(ジロジロと水晶を見)もしかして異世界から来たとか?

    ウソ? マジで!?

    初めて見たぁ、へーぇ あ、だから服が違うんだ! そーかー。


水晶:あんた……誰?


アクア:さー 誰でしょう?


水晶:知らないわよ あんたなんか今初めて見たんだから


アクア:あーっ 冷たいそんな事言う?

    ――オレはアクアマリンだよ。あんたは?


水晶:水晶(みあき)(くれない) 水晶(みあき)

 

アクア:水晶ってどういう意味?


水晶:ぇ……水晶(すいしょう)よ。紅の水晶、宝石の名前なんだ。


アクア:へーぇ、ローズ・クォーツねぇ いい名じゃん


  サファイア 上手より登場


アクア:おしっ 今から水晶はローズ・クォーツ決定!!


水晶:何いってるのよぉーーーーー


サファイア:にぎやかねぇ アクアマリン。そちらの方は?


水晶:紅……


アクア:(さえぎるように)ローズ・クォーツだよ。いい名だと思わないかい?


水晶:うるさいっアクアマリン!! あ、えーと……


サファイア:サファイアよ


水晶:サファイアさん初めましてっっ ローズ・クォーツ……こと紅水晶です


サファイア:“さん”なんてつけなくていいわローズ・クォーツ


水晶:じゃぁサファイア……水晶って呼んでほしいです……


サファイア:どうして? 貴方にとっても似合ってるじゃないの


水晶:でも水晶って呼んでほしいです


アクア:ローズ・クォーツ


水晶:だーーーーっっ!! 嫌だって言ってんでしょ!! 水晶様とお呼び!!


アクア:なんで“様”がつくんだ てめーっ


サファイア:あらあら、二人とも仲良くなったみたいねぇ


水晶・アクア:誰がこいつと!!


サファイア:アクアマリン、そういえば皆が集まってたわよ、宝石(ジュエル)がどうとか……


アクア:へーぇ、旅から帰ってきた所だし、いってみっかぁ


水晶:旅? もしかしてアクアマリンって芸人なの?


アクア:てめっ水晶っっ オレは珍しい宝石探しをしてるハンターだっ!!

    水晶っおまえ皆に嫌われてるだろう? 生意気とかワガママとか!!


水晶:きーーーっ ちょームカつくんですけど? んなワケないでしょっ

   人気者に決まってるじゃ……な……


  閉じ込められた事を思い出したかのように泣き出す水晶


水晶:ひど……そんな事言わな……くっ……ても……


サファイア:あらあら。アクアマリン、言い過ぎたみたいね。女の子泣かすなんて


アクア:別に言い過ぎてなんか……


サファイア:最低っ


アクア:すみませんっっ 僕の言葉がすぎました!!


サファイア:良く分かってるじゃない。

      早くいかないと皆が待ってるわよ、ホラホラ


  アクアマリン上手に退場


サファイア:水晶、いい加減に泣きマネやめたら?


水晶:あ、バレてましたー? サファイア凄いね、たった1回睨んだだけなのに

   アクアマリンったらビビっちゃっておっかしかったぁ。


サファイア:別に驚くような事じゃないわ。

      人間は誰だって表と裏の顔を持ってる。

      その表と裏をどう使い分けるかがポイントなのよ。

      水晶、本当に泣きたいんじゃないの?


水晶:え……


サファイア:さっきの言葉、ぐさっと来てるんでしょ? 泣けばいいのに


水晶:どうして分かるんですか――……


サファイア:正直に話してごらんなさいよ。聞いてあげるから


水晶:私って気が強くてどんどん好き勝手にモノを言うのは分かってるんです。

   私の良かれと思ってやってる事は、皆にとっては迷惑みたいで……

   一生懸命やってる事が皆にはやっぱり――――


サファイア:そうみたいね、分かるわ


水晶:……人間ってどうして人と人を比べるんだろう。

   自分を基準にして物事考えて……

   他人から見たら、あんただって自己中心的に生きてるじゃない。

   好き勝手やってるじゃないっワガママじゃない!!

   って言えたらどんなにいいか。でも言えないんです怖くって。

   どうして怖いのか分からないけど……自分もそうだからなのかなぁ?


サファイア:そう、人間ってそんなモノよ。

      そろそろアクアマリンの所へ行きましょう


水晶:えー……


サファイア:だったら水晶はどこで眠るのかな?


水晶:行きます……


サファイア:ほら、しょんぼりしないの。

      そうやってるとアクアマリンに笑われるわよ


水晶:サファイアって強い――……


サファイア:別に強くなんてないわ……


水晶:? なにか言いました?


サファイア:なぁーんでもない♪


水晶:変なサファイア


サファイア:それはお互い様


水晶:ひっどーい!!


  二人とも上手に退場




      暗転




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