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台本たち  作者: 魅桜
人形の女主人
12/27

人形の女主人(ミストレス) 1

一人芝居用の台本です。

人形たちの声を同じにならないようにするのが大変でしたが楽しかった。



登場人物


・ウーティス 人形の館の女主人

・ハイマ ウーティスの後の女主人

・イマージュ お手伝い人形

・お客様たち 

・人形たち 童話より引用




  緞帳 上がる


  カラン(戸の音)


ウーティス:いらっしゃいませ。<人形の館>へようこそ。

      ……何か? ああ、外は雨ですものね。雨宿りですか……?

      今、紅茶を入れますわ。寒い夜はこれが一番。

      ミルク・ティーですか? 今、ミルクが切れてますけど……


  カラン(戸の音)


ウーティス:イマージュ、御苦労様。あら、ミルクも買ってきてくれたのね。

      良かったですわ、これでミルク・ティーが飲めますものね。

      椅子を出して差し上げてイマージュ。

      どうぞ、椅子に掛けておまちくださいな。


ウーティス:あら、イマージュ貴方が作るの? そう、じゃあお願いね。

      ミルク・ティーと久し振りにカクテルでも飲みましょうか。

      アルコールはいけない? ……ふふ……いいの今夜は。

      そうね……“アレキサンダー”がいいわ。


  戸の閉まる音


ウーティス:駄目よ貴方は。“アレキサンダー”は飲み過ぎに注意!!

      なんですからね。“アレキサンダー”にのめり込んで、

      アルコール中毒になる方が多いんですから。

      “ミルク・ティー”の方が体が温まりますわ。

      少し“ブランデー”を入れてね♪

      

ウーティス:申し遅れました。

      私、この<人形の館>の女主人「ウーティス」と申します。

      ……変わった名前ですか?

      確かに「ウーティス」とは「誰でもない」という意味ですけれど。

      どんな悩みをお持ちなんですか? 分かりますわ。

      分からない方が失礼ですわよ、そんな思い詰めた顔してちゃね。

      怒らないで下さい・ね? 人形たちが騒ぎ出しますから。


ウーティス:「人魚姫」? ええ、出来ますわ。

      人魚姫が王子様を殺そうとするシーンですね? かしこまりました。



ウーティス:――――深い闇の中。人魚姫は闇の中を歩く。

      愛しい王子のもとへ行くために。声の出ない人魚姫。

      魔女にその綺麗な声を売ってしまった、この足と引き換えに。

      もし、人魚姫の声が聞こえたら? それは心の声、人魚姫の想い。



人魚姫:この扉の向こうに王子様が……。

    お姉様たちは美しい髪を売って短剣を届けた。

    私を海の底の世界に戻すために。


  戸の開く音


人魚姫:王子様……王子様……綺麗な寝姿。

    何故、私が助けたと気付かれないのかしら?

    私が、貴方を助けたのに。ねぇ、その時の姫、人魚姫でしょう?

    どうして気付いて下さらないの?

    気付いて下さらないのなら……いっそ!!


  剣を振り上げるが下せない人魚姫


人魚姫:出来ない……この人を殺すなんて。だって愛してるんですもの。

    愛し過ぎて……逆に殺せない……


  王子が目を覚ます


人魚姫:いやぁ……この人にこんな姿を見せるなんてっ!!


  舞台の端に逃げる人魚姫


人魚姫:なんて苦しいの? こんな思いするくらいなら死んだ方がっ!!

    ……お姉様たち!? ごめんなさい、王子様を……出来なかったわ……



ウーティス:どうでした? 「人魚姫」は。貴方もこんな恋を?

      でも、死んではいけませんよ。

      人魚姫は泡になって消えたのではなく、

      風になって今でも世界中を飛び回っているのですから。


  戸の開く音


ウーティス:イマージュ、遅いじゃない?

      “アレキサンダー”を作ってて遅くなったの?

      ミルク・ティーだけでも先に持ってくれば良かったのに……

      さぁ、冷めないうちにどうぞ。

      イマージュの入れた紅茶は美味しいのですから。

      体も十分に温まりますわ。


ウーティス:落ち着かれました? あら、雨が上がったようですわ。

      お帰りですか? 気を付けて下さいね。

      夜の闇はとても深いですから取り込まれぬように。

      それでは御機嫌好う。


  カラン(戸の音)


ウーティス:疲れてしまったわ……駄目ね、何? イマージュ。

      そうね、今夜はもう店を閉めましょう、……閉店(クローズ)




お客様がいるように芝居できてるかなぁ? と不安になりながら練習したのを覚えています。

マンガにして話を膨らませるの面白そう、と思ってお客様たちの名前を後から考えてたような……?

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