第2話 家の中を捜索していたら――
「おーい。君誰だ?」後ろから声が聞こえてきた。私が上っている気の向こう側の家に男の子がいた。この木から移れそうな距離だ。
「そこで待ってて。今行く。」男の子はそう言い、木に乗り移った。やっぱり、乗り移れるんだ。で、誰?
「誰なの?」私は聞いた。「俺は、ヴィオ。チャイの弟子。」
「チャイって、チャイナのこと?」私はまた質問。
「ああ。そうだけど。で、君は?」
「私は、ラーム。」ヴィオはかっこよかった。イケメンで、優しそうで、私の好みのタイプだ。
私がヴィオにうとれてたら「なんでチャイの家に居るんだ?もしかしてラームも魔法使いとか?」
「え…?ヴィオって魔法使い?」
「そうだけど…。」ウソでしょ?私と一緒…。ていうか、私も魔法使い?
「私は、チャイナの孫?」よく分からなかった。嫌いな人だし。今、私たちは木の上で話している。私は落ちそうだけど踏ん張っている。
「分からないのかよ。家の中入っていい?チャイ居る?」
「いると思うけど?」こういい、私とヴィオはチャイナの家に入った。
「チャイー。お邪魔しマース!」ヴィオはしたへ降りていった。弟子って言ってたっけ?何で弟子?やっぱり謎だらけ…。チャイナはいつ居なくなるだろう…。仕事に行ってくれれば私は自由なのに。ヴィオが居なければだけど。私は、ベットに寝転がった。そして、目を閉じて、夢の中に入っていった。
「ラーム?」メルニア?!どこ?私は目を覚ました。目の前にはチャイナが居た。メルニアの声にそっくりだ…。間際らしい。私はチャイナに背中を向けた。目を合わさないように…。
「聞きたいことある?今なら何でも答えてあげるわよ。」
私は体を起こした。「何でも?」これはいいチャンスだ。「ええ。」
「メルニアに何したの?ひどい事って何?」私は、チャイナと目を合わせた。本当はダメって言われたけど、鋭い目つきで見てやりたかった。
「何もしてないわ。」…じゃぁ、何でメルニアは逃げたの?意味が分からない。何もされてないのに、メルニアが逃げるわけないじゃん。
「本当に?何もしてないってあり得ない!」私は叫ぶように言った。「…」チャイナは黙り込んだ。何かあるはずだ。
「教えて!」
もう、話すのだけでもしんどくなった。怒鳴ったりしたからだと思う。私はまたベットに寝ころび、チャイナに背を向けた。チャイナは
「分かったわ。ラームが魔法を信じるなら教える、でも今日は寝なさい。明日は、仕事だから留守番よろしくね。」
と言って部屋から出て行った。魔法を信じる…?なんで??チャイナは私に何をして欲しいの?私は、メルニアの事を考えた。メルニア…今何してる?教えてよ。ひどい事って何?…こんな生活いやだ。助けてよ。いつも一緒だったのに…。私は、涙が出そうだったけどこらえた。…よし!明日、この家を捜索しよう!今度こそ!
次の朝、やっぱり暑い。私は、服を着替え捜索をすることにした。まず2階を捜索しよう。長い廊下を私は歩いていた。一番奥に、見るからにちがうドアがあった。私はおそるおそるあけて中へ入ってみた。…ここはチャイナの部屋?一面に服が散らばってる。そして大量の歯。何?この歯。人間を食べた?そう思うとますますチャイナのことが嫌いになった。…来るんじゃなかった。私はそう思ってチャイナの部屋から出ようとした。すると、一つの鍵が置いてあった。何の鍵だろう。私はその鍵を手に取り、ポケットに入れた。重い…。私は、チャイナの部屋から出て、一階に行くことにした。階段を下り、リビングに行くとヴィオが居た。
「なんで居るの?ここ、チャイナの家だけど…」
「留守番を頼まれたんだ。ラームが逃げるかもって言ってたと思う。」
「今日は逃げないわ。でも、この家の捜索をするから。」
私はそう言い、リビングに一番近い部屋のドアを開けて入った。ここは何の部屋?ベットがあり、トイレがありお風呂もある。まるで私の部屋みたいだ。お客さんとかが来た時用?私はどこに窓があるのか探した。窓はベットの所にあった。だが、その窓は小さくて私が通れそうにない。
「なんだ?その鍵。」
ヴィオが後ろから話しかけてきた。
「分からない。チャイナの部屋に行ったらあった。」
私は鍵をポケットから取り出し、鍵をよく見た。少し大きめの鍵。普通のドアの穴には入りなさそうだ。
「チャイの部屋に行ったのか?俺でも行ったことないのに。」
「きっと。チャイナが居たら、私にすごく怒ってるだろうね。とても、散らかってたんだから。」
私は鍵を再びポケットにしまった。そして、私はその部屋から出て外に行くことにした。
「ヴィオ、ゴメン。私、急いでるから。何の鍵か知りたいし、まだまだ行ってないところとかもあるから。」
外に出てもやっぱり暑い。風が少し吹いていた。その風も暑い…。最悪。私がチャイナの庭を少し歩いてると、小屋があった。なんだろう。近くに行くと、今持ってる鍵と同じぐらいの鍵穴があった。私は鍵を入れ、回してみた。すると、キーと言う音と共にドアが開いた。後から来たヴィオが
「まぢかよ…」
と少しびっくりしている様子。私は迷いもなくその中へ。…すごい。そこには、本がずらーっと並んでいた。私はそのうちの一冊の本を手に取り、読んでみた。魔法についてだった。
『自分が持っている魔法を使い果たしてしまったら、その人は死ぬ。』
私はこの文章に目がいった。死ぬ…?だから、私の家族は早死にの人が多いのか。じゃぁ、メルニアは?メルニアも魔法使いなんでしょ?私はその本を見た。すると
『魔法をずっと封印している者は自分が分からなくなり、精神を病まんでしまう。』と書いてあった。
自分が分からなくなる?と言うことは…私も分からなくなってしまうの?私は知らないうちに走っていた。病院…どこ?大きな道路に出ると、ちょうどタクシーが止まっていた。
「病院に行ってください。」
「何病院?」
私は思い出していた…。分かったわ。トームズ病院だわ
「トームズ病院です。早く行ってください。」
私は不安だった。まだ、自分のこと分かってるかな…。わかってたら、チャイナにされた「ひどいこと」について教えてもらう。
病院に着いた。私は急いで車を降り、待っててください。とタクシーの運転手に告げ、メルニアの病室へ急いだ。メルニアの病室は203号室。私は覚えていた。そして、メルニアの部屋についた。
「メルニア!」
「ラーム?どうしたの?急いで。」
私はほっとした。まだ大丈夫だ。
「魔法…使って。魔法を使わないと、自分が分からなくなっちゃうよ!」
メルニアの病室には誰もいない。メルニアだけだ。
「どうするか、分からないの。ゴメンね、ラーム。諦めて…。」
私は床にぺたんと座った。メルニアには時間がないんだ…。私、チャイナに魔法を教わろう。その前に…。
「チャイナにされたひどい事って何なの?」
「小さい頃、目の前で飼っていた、犬を殺した。ナイフでね。私もされるのかと思った…。とても怖かったわ。」
そうなんだ…。これを聞き、私も怖くなってきた。でも…、メルニアのために頑張らなくちゃ。私がメルニアを助けてあげる。だから、待って居てね。
私は、病院を出てタクシーに乗り、チャイナの家へ帰った。メルニアのそばにどれぐらい居ただろう。そんなことも考えながら。家に帰ると、チャイナが帰ってきていた。私は自分の部屋へ行き、見つからないように鍵をカバンの中に入れ、下へ降りた。
「チャイナ、私に魔法を教えて。」
私は決心した。メルニアを助けれるなら何でもする。




