113 二人の反応
17/45//64日
夕方。
「ただいまー」
ディルムとミリアが帰ってきた。
「おかえりー」
玄関まで行くと、二人が大荷物を持って家に入ってきた。
「何その荷物?」
「食べ物と布だよー」
ミリアが答えた。
「布?」
「また服を作ろうと思って」
「なるほど」
「今度はたそがれの分も作ってみようかなーって」
「あーそういうこと」
あれ?
何でたそがれが人化したことを知っているのだろうか。
「たそがれ用のちっちゃい服を作って着せてみたいんだー」
どうやら獣状態のほうに服を着せたかったようだ。
「二人とも、とりあえず荷物を運んでくれ」
「あはは、了解でーす」
「わかったー」
荷物を運び終わったあと。
「あれ、たそがれは?」
ミリアが聞いてきた。
「あーちょっと待って」
たそがれは今私の部屋にいる。
何でも二人にこの姿―人化状態―を見せるのはちょっと恥ずかしい、らしい。
(じゃなんで私ならいいんだろ)
ちょっとあきれにも似たような感情をしながら部屋に入ってみた。
部屋に入ると、ベッドの隅で小さく丸まってるたそがれを発見。
「たそがれ、リビング行くよ」
「うぅぅ・・・」
とりあえず手を引っ張って連れて行く。
「連れてきたよー」
「あ、来たー・・・ってその子・・・誰?」
予想通りの反応。
「たそがれだよ?」
「えっ」
「たそがれだよ?」
「えっどうゆうこと?」
「んとね、魔法でこうなった・・・らしい」
「へ?えーと、ちょっと頭の中に入ってこないなー・・・」
その間たそがれはずっと私の後ろに隠れていた。
壁の隅から眺めてる感じで顔を出してはいるけど。
「えと・・・人化魔法でこうなった・・・」
と、たそがれが声を発した。
(さっきまでの元気はどうしたのか)
「え!?しゃべった!?声可愛いー!」
ミリアが大きな声でそういうと、後ろのたそがれがびくっと跳ねた。