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4 反省と今後

戦闘なし回


不定期すぎてゴメンナサイ。

時間がないのです……

 語り手: アルタイル


 カイジは困惑していた。

 ソラが夕食を作るからと家に招かれたのだが、まさか天使と悪魔がゲームをしているとは。すかさず魔道書を取り出して吹っ飛ばそうとしたが、恩人だからとソラに止められてしまった。

 珍しく出してある折りたたみ式の大きなテーブルには、一級品と思われる美味しそうな料理がテーブルを埋め尽くすように置かれていた。

 見ていると涎が垂れてしまいそうな、なんかライトアップされているように見えるチャーハンに、具は少ないが食欲をそそる香りを湯気とともに広げる中華スープ。

 他にもおかずがたくさん用意してあり、どれもその辺の店には負けないようなクオリティだった。

 どこかで修行でもしていたのだろうか?


「カイジくん、ヤミさん、シセンさん、ご飯できたよー!」


「「はーい!」」


(何自然に居やがるんだ。せっかく二人きりで食事ができると思ったのによ……)


「ワンッ!(だったら誘いなよっ!)」


 ついてきたコクローを軽くスルーし、席に着く。

 ……やっぱり美味そうだ。


「いただきまーす!」


 すぐ隣で、ソラが子供っぽい笑顔でチャーハンを頬張っている。

 ……かわいい。正面じゃないのが非常に残念だ。


「美味しー!」


「人助けもしてみるもんだな!」


「いつもしてるよねー?」


 この二人はなかなかいいコンビのようだ。色々でかいのが……って、誰!?


「ちょ、ヤミさん!?どうしちゃったの!!?」


 ソラも動揺している。まあ無理もないだろう。さっきまで悪魔が座っていた場所にいたのは……落ち着いた印象の呑気そうな女性だったのだ。服装まで変化し、おっとり系美人な主婦ってこんな感じだろうと思えた。


「あーヤミちゃんはねー、周りで負の感情が強まるほど力が強くなるけどー、逆に幸せな空間では弱体化して……性格も穏やかになるんだー。」


 髪型も違うし、完全に別人である。そういえばシセンとかいう天使の声がやけに響いて聞こえる。


「人間のお二人さんどうしたのー?不思議と視線を感じるなー」


「「……。」」


 さっきまで天使が座っていた椅子に、一本の黄金の片手剣が鞘も無く立て掛けてある。


「あぁ〜、シセンさんはですねぇ〜、周りが幸福に満ちているときは役割などないのでぇ〜、こんな風にぃ〜、本来の姿で動かなくなるんですぅ〜」


 もうどこから突っ込んでいいかわからない。ソラはどうも個性的なやつらを連れてきたらしい。


 ♢ ♦︎ ♢


 食事の後、今日会ったことを端折って話すソラ。それをカイジは終始深刻そうな表情で聞いていた。


「つまり、ソラはこの短期間で2回も襲われたのか。」


「アタシは何度も戦ってるけどな、そんなやつ見たことないぞ。」


「影と光って一度撃退されると周りは警戒するんだけどねー」


 つまり、ソラは何かしらそうしたものに好かれやすい体質で、今後も襲われる可能性が高いのだ。


「今日はお前ら二人がいたから良かったけどな。」


「私一人だと身を守ることもできないし……」


「「「そこだっ!!」」」


「え?」


 今まではソラに自衛手段がなく、2度も誰かに助けられる結果となったのだ。もちろんソラも対不審者グッズはいくつか持ち歩いているが、物理の常識が通じない相手には意味がない。だから……


「俺がアヤノに魔術を教えてやる!」


 カイジとしてはソラを助けるヒーローとしてのポジションも捨てがたいが、何よりも大事な人のためだ。ここは頼れる先生になることを選択する。


 しかしソラとしては、全く未知の領域となる。そもそも難しそうだし、高校を中退したソラとしてはついていけるか不安だった。


「そんな顔すんなって。ちょっと難しいけど、どちらかといえば感覚が大事だしな。」


「でも私はバイトもあるし、カイジくんも学校行かないと……」


「よし、書類上でインフルエンザにでもかかっとくか。」


「そこまでしなくても……」


「おいおい、俺の大事な幼馴染(ソラ)のためだ。これくらいしなくてどうする!」


「カイジくん……」


 カイジのセリフに耳まで真っ赤になるソラ。気づけば展開されていた桃色結界に、天使と悪魔は会話に入れずにいた。

 もっとも、悪魔の方は母親のように温かい目で眺めているが。


「部外者はもう帰りましょうか〜」


「……そうだねー、このままだとヤミちゃんまでダメ悪魔になっちゃうしなー」


「あ、もう帰るの?」


 帰ろうとする二人を見つけたソラは、冷蔵庫からラップに包んだ大皿を取り出してキッチンへ駆けて行った。そして二人に持ってきたのは、ふた切れのチーズケーキだった。


「これ、良かったら食べてね。趣味でお菓子作りもやってるけど二人じゃ食べきれなくて。」


 ちゃっかりカイジがカウントされている通り、普段はカイジに半分おすそ分けしている。

 特にこのチーズケーキは、調子に乗って大きいものを作った結果食べ切れそうになかったものだ。


「ありがとうございます〜」


「ありがとー。ではそろそろ失礼しまーす」


 そうして出ていく恩人たちを見送りつつ、ソラは今後のことを考えてみる。

 確かにカイジの言った通り、自衛手段は必要だ。次も襲われた時、都合よく助けが入るとは思わないほうがいい。カイジがどう教えてくれるかはわからないが、ここは真面目にやっておくべきだろう。

 ……高校の勉強と違い、命に直結する問題なのだから。

なんとかまとめました。

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