集う極振り勢.6
福袋から英雄王ゲット!
3年目にしてようやく手に入れることができました。
てか最大100連分の石くれるとかヤバくね?
アルバス渾身の一撃により核は砕かれた。これでアホみたいな再生能力も消え去ったと思いたい。
(グォォ……おのれ、忌々しきニンゲンモドキめが!また我が覇道を阻もうと言うのか!)
お?ニ"ャーーーーーッ!?とティルヴィングで浄化されたからか、ボスがまた普通に喋り出したな。てかニンゲンモドキって何さ?
「って危な!?ちょ、動けないんじゃなかったのかよ!」
「うわー、凄いね。まだダークネスグレイヴの効果時間中なのに無理矢理暴れ回るなんて」
「ちっ、そんなのありかよ……スピード遅いから避けるのは楽だけど、さぁ!」
ただ逆境の効果で攻撃の威力がヤバいことになってるな。尻尾にかすった大木が、まるで発泡スチロールで出来てるみたいに蹴散らされてるし。アイシャさん以外が攻撃食らったら一瞬で死に戻るんじゃないか?
(ええい、ちょこまかと!面倒ダ……まとメて滅ぼし、滅、破滅ゥゥゥ!!!)
ちょっと待て、その口を開けて何かをチャージするようなモーションはもしかしなくてもブレスか!?ドラゴンメインになったからってブレスまで使えるようになったってのか!?
赤黒い光がやつの口内で徐々に成長していく。徐々に輝きを増す魔力の塊は、まさに滅びの一撃と言うに相応しい凶悪な威力になっているだろう。
「アルバス!あいつの顎カチ上げて自爆させろ!アレは撃たせちゃ不味い攻撃だ!!」
「無理だ!頭の位置が高過ぎて攻撃が届かない!」
「ちっ、野郎……俺の攻撃をまるで意に介さねぇ!ライリーフ、アレを止めるのは無理だ急いで離脱するぞ!」
「その必要はないわ!みんな、私の後ろについて」
「ダイヤさん!MPが回復したんですね!」
「ええ、時間かかっちゃってごめんなさい……あの攻撃は私が相殺するわ。魔法少女の名にかけて!やるわよ、フェア!!」
その瞬間、ダイヤさんから圧倒的な魔力が吹き荒れた。信じられないことに、ボスから感じる魔力が小さくなったように感じられる程だ。
「終極の光よ、始元の闇を正しき輪廻に導いて!禁呪・虹光束ねし終焉の華!!」
「グルルォォォォオオオアアアア!!!!」
激突する虹色の光と闇色の焔。2つが拮抗したのは僅かな時間だけだった。
「オォォォォォォォァァァァア!?」
「いっ……けぇ!!!!」
ダイヤさんの魔法が勝り、光が焔諸ともボスを飲み込んだ。
「ハァ……ハァ……ありがとうフェア。ゆっくり休んで」
「お~、なんかバトルもののアニメの最終回みたいな攻撃だったね」
「あれの直撃を受けたんだ、ボスモンスターもさすがに倒せたんじゃないかな?」
「アルバスゥ!!何故安易にそんなことを口に出すんだ!」
「な、なんだよライリーフ!僕が何か悪いこと言ったとでも言うのか!?」
「新マスター、世の中にはお約束ってものがあってですね、やったか!?みたいな台詞を言うと――」
GYYAAAAAAAAAAAAァァ!!
「――ほら、こんな感じで敵の生存が確定してしまうのです」
「それ物語の中での話だよね!?」
はっはっは、ティルナートはアルバスより賢いみたいだな。ふふん、これも俺の教育の賜物と言えよう。なーんて現実逃避はここら辺で止めておこうか。
ボスはあのでたらめな威力の魔法を受けて尚生きていた。その見た目は満身創痍、そんな言葉が生ぬるく感じるくらいにはボロボロだ。だって肉の9割近くが消し飛んで骨だけだからな!
「何でそれで生きてんだよ……。はぁ、アルバスが余計なこと言うから」
「まったく、ゴキブリ並にしぶとい野郎だな。アルバス、次から言葉には気を付けろよ?」
「ぼ、僕のせいじゃないだろ!?システム的に倒せてなかっただけだって!」
「ごめんなさぁい、私が仕留めきれなかったのが悪いのよぉん」
ん?最後に聞こえた野太いオカマ口調の声はなんだ?だが何故だろう、俺はこの声を知っている気がする。
やめろ、後ろを振り向いてはいけない!封印された記憶を思い出してしまう!そう俺の体が訴えてくるが、声の主が誰なのか確認しない訳にもいかないのでガクガクと震える体を無理矢理動かした。
「ごめんなさいねぇライリーフくぅん?もう少し私が魔法少女として立派だったならぁん、きっとあの魔法で決着がついたはずなのにぃ!ここからは愛と正義の魔法の拳で戦うわぁん!」
「―――ぁ、は、はい、よろしく、です……」
振り替えると、そこにいたのは身長2メートルで筋骨隆々な魔法少女のコスプレイヤーだった。
嗚呼、思い出した。思い出してしまったよ……。ダイヤさんは、プリティ・ダイヤモンドさんは漢女だった!なるほど、なるほどな?魔法少女になると体型も性別も変わるのか。んでもってそっちの姿で装備サイズの自動調整を行うと、元の姿になったときにパッツパツのムッキムキな変態が出来上がる訳だ。何故衣装がパッツパツだったのか、その謎がとけてスッキリしたぜ。
……………うぅ、俺の初めてが奪われていただなんて。
「せめて魔法少女の姿だったなら……」
「どうしたのぉん、ライリーフくぅん?」
「う、噂に聞いてはいたが、あんたがプリティ・ダイヤモンドさんだったのか。何て言うか、スゲーな」
「う~ん、惜しいなぁ。ギリギリボクの守備範囲外だ」
「ギリギリって、先輩の守備範囲広すぎですよ……」
「ら、ライリーフ!おっぱいが雄っぱいになってしまいましたよ!?なんてもったいない!」
……ティルナートがおっぱいマスターと呼ばれる日も近いだろう。
さて、気を取り直してボス戦再開といこうか。敵は文字通り死体に鞭打って動いているようなもんだ。HPは既に底をついているから、おそらくMPをHPの代わりに消費して動いているんだと思う。そしてそのMPも先ほどのブレスでかなり減っている筈だ。
「つまり、俺が息の根を止めることも可能……ふ、ふふふ、要らんこと思い出す切っ掛けを作った怨みだ!俺の怒りの八つ当たりフルコースで殺す!!」
「ら、ライリーフ……?」
「俺がァ!メインアタッカーだァ!!!」
「あ!待てって!1人で突っ込んでも勝てるわけないだろうが!?」
GYYYYAAAAAAAAAAAァァァァア!!!!
俺の接近に気がついたボスが迎撃せんと腕を振るう。だがこれまでのどの攻撃よりも遅い。
「んな攻撃今更食らうかよォ!」
木刀でパリィ……成功!浄化吸収でMPを奪い取る。フハハハハ!今のお前にとって、この木刀は死神の鎌にも等しいと知るがいい!
「そして雷召嵐武のリキャスト終了だ。ギアを上げるぜ?雷召嵐武!天翔天駆!」
あ、骨だけなんだし内側に入り込めば無敵なんじゃね?まさに天才的発想!残った内臓に直接ニ"ャーーーーーッ!?をぶちまけてやるぜ!
「うへぇ、なんかドロドロしててキモいな。それじゃ冥土の土産にありったけ持っていきな!スゥ……ニ"ャーーーーーッ!?」
GYYYYYYAAAAAAAAAAAァァアア!?!?
「どうだ、直接臓物を焼かれた感想は?クックック、まだまだあるからじっくり堪能してからくたばってくれ」
「うわぁ……なんか僕、ライリーフが悪役に見えるんだけど」
「ボスの見た目の方がよっぽど凶悪な筈なんだけどな。見ろよあいつ、嗤ってやがるぜ?」
「んふふ、彼は潜在的Sだったんだね。これは次のウ=ス異本が厚くなる予感!」
「あらぁん?そう言えばアイシャちゃんは何処にいったのかしらぁ?……ってあんな所でお昼寝してるじゃない」
「ボス戦の最中に寝れるとかスゲーなアイシャ嬢」
GYYYYYYAAAAAAAAAAAァァアア!?!?
「フハハハハ!……ん?あいつら何で攻撃しないんだ?まぁ俺1人でなんとかなりそうだからいいんだけどさ」
(お、のれぇ!おのれニンゲンモドキめが!!許さん、許さんぞォ!!)
「あ?おいおい、許さねぇはこっちの台詞だっての。俺のステータスとスキルを奪った罪は重いぜ?」
(黙れ!我は龍帝ドラグニス!!真に世界を統べる者なり!!我が覇道を阻む以上の罪などありはしない!!)
「寝言は寝てから言えよ。お前が龍帝?ハッ!その辺に落ちてた骨の欠片が随分と増長したもんだぜ。どうせグーヌート辺りにでも負けたんだろ?敗者は敗者らしく眠ってろ!」
俺は世界樹の木刀を肉に突き立てた。
(ぐっ……グァァア!!……消える、我の力が!意志が!)
「素材は俺が有効活用してやるから安心しろよ。きっちり対グーヌート用の決戦兵装に仕上げてやるさ」
(…………クァ………ガ……グ………ォ……)
《ワールドアナウンス》
《ユニークモンスター、『THE BEAST of Seven head』が討伐されました》
《討伐者はライリーフ・エイルターナー、アルバス、マルティ、アイシャ、プリティ・ダイヤモンド、ウォーヘッドです》
《ワールドクエスト、『災厄の獣を討て!』評価S》
《災厄の眷属と1度以上戦闘を行ったプレイヤー全員に報酬として10万コルと称号【災厄を越えし者】が送られます》
あ、名前言っちゃうのね
災厄を無事討伐した主人公!
有名人4人と一緒に名前が出てしまったが果たして運命やいかに!
作者は報酬をご都合主義全開で盛りまくるか、そこそこにしておくかで悩み中