集う極振り勢.2
ポイント報酬取りきったのにキールしか落ちねぇ……
「グルルアアァァァァァァ!!!!!」
「あぶな!?おい!さっさと核壊してくれよ!」
「そうは言っても!……くっ!こう暴れられちゃ迂闊に近づくことも出来ないだろ!」
こうもボスが暴れまわっているのには理由がある。
俺の予想通りティルヴィングは絶大な威力を発揮してくれた。だがその攻撃は胸の核ではなく蝙蝠頭の首に当たってしまったのだ。結果ボスは大剣の危険性を認識し、攻撃される前に潰す!とでも言わんばかりの暴れっぷりを披露してくれている訳だ。
「しかもHPが低下したせいで更にステータス上がってるし……」
俺は毎回攻撃を食らう度に残りHPが1になっていたので気にしたことはなかったんだけど、逆境ってスキルはHP50%を下回ると発動する。そしてそこからHPが減少していく程に効力が高まる仕様になっている。しかも素のステータスを基準に上昇するからステータスが高いやつほどより強くなるんだよなぁ。うん、ボスモンスターにこんなの持たせちゃダメじゃんね?
せめてもう少しゆっくり動いてくれればなんとかなりそうなんだけど、デバフはまだか?俺はボスから離れてマルティさんを探してみた。
「ちょ、マルティさん!何休んでるんですか!?デバフ掛けてくれよ!!」
「いやー、もう普通のアーツじゃ全部弾かれちゃうんだよね。今凄いの使う為の準備中だから許してくれ」
「凄いの?」
「そう、凄いの!黒くて太いのを無理やり捩じ込んでやるのさ!」
「アウトォ!!」
この状況で何てこと言いやがるんだこの人は!巻き添えで消されるなんてまっぴらだぞ!?
「えー?これくらいセーフでしょ?あ、純愛系がお好みなのかな?ちなみにボクはどれでも美味しく頂けるよ!」
「ええい、うるさい!俺はノーマルだ!どれだろうと好みじゃない!とりあえずその凄いのは奥義か何かなんだな?そうだと言え!」
「ちぇー、ノリ良いって聞いてたのになぁ。……まぁ奥義で合ってるよ。しかもボクのテンション上がってる方が効果が高くなるおまけ付きさ」
つまりテンション上げる為にアレな台詞を吐いていたと?超嘘癖ぇ~。でももし本当にテンションで威力が上下するのだとしたら……。
「はー……君がノリよく付き合ってくれなかったせいでテンション下がっちゃったなー。これじゃボスに効果がでないかもしれないなー」
「ぐぬぬ……何が望みだ」
「望みだなんて、腐腐。そうだね、ちょーっとこの前君たちをモデルに書いた本を世に出す許可さえ貰えれば十分だよ?」
「……この悪魔め!」
「残念、ボクは死神だよ」
俺はもしかしたら、勝利の為に何か大切な物を失ったのかもしれない。……なんてな!別にこれくらいどうってことないぜ!既に描かれてるもんはしょーがないし、隠れて描かれていたのを偶然目撃してしまうよりダメージは少ない。そう、あれは中学に通っていた頃のことだ。文芸部の部室に荷物を運ぶよう先生に頼まれた俺が見てしまったものは……。ふぅ、今ではあの程度でダメージを受けるほど柔なメンタルしてないが、あの頃はビビったなぁ。
「で、本出すなら後二人にも許可とらなくちゃだな。許可降りるとは思わないけど頑張んな」
「ふっ、ボクを甘く見すぎだぜ君?許可なんて既にもらってるに決まってるじゃん!あ、あとボクとの絡みも描いてあるから」
「……もしや男装してる理由って」
「そう!ある時ボク自身がBLになることこそが答えだと悟ったのさ!何故か女の子にモテモテになっちゃったけどね!」
腐のカリスマのしょーもない誕生秘話を知ってしまった。
話の脱線ばかりで戦闘が進まない不具合。
ボスモンスターさん、もっと派手に動いちゃってくだせぇ!
おまけ
THE BEAST of Seven headさんの必殺技
・ハウリングバースト
7つの頭がおもいっきり咆哮を上げることで物理的な破壊すら引き起こす音波攻撃!相手は死ぬ!
・メテオプレス
上空に跳び上がり、勢いをつけて隕石のように相手に向かって落下する質量攻撃!相手は死ぬ!
・眷属召喚(特盛)
通常一度に10体までしか呼べない眷属を大量生産で10倍呼び出す大軍攻撃!狼の頭がないと使えないぞ!
・ヘルズナイトメア
寝ている敵の精神に侵入し心を壊す精神攻撃!貘の頭がないと使えないぞ!
・絶対補食
倒した相手の大きさに関わらず丸呑みにして吸収できる!蛇の頭がないと使えないぞ!
・ブラッディディザスター
自身の血を全方位に放つ感染攻撃!蝙蝠の頭がないと使えないぞ!
・ドラミングソウル
魂を揺さぶるドラミングで相手に様々なデバフを掛ける。猿の頭がないと使えないぞ!
・アルティメットサーモンキャッチ
川の鮭を腕の一振りで10匹も捕まえる絶技!熊の頭がないと使えないぞ!