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チュートリアルで詰んだかもしれない.5

 あれからさらに3日が過ぎて現在木曜日。え?3種類の消費アイテムはどうだったかって?

 どこかの街で使える☆☆☆☆以上確定のガチャチケと使うと24時間取得経験値が増えるドリンク。あとは真理の書とか言うよくわからない本だった。どれもこれもスライムを倒す役に立たないアイテムだとは思わなかったぜ!

 だから俺は相も変わらずスライムと向き合い続けた。ひたすら石を拾い、ひたすら投げつけ、ひたすら殴り、ひたすら蹴った。そしてその成果がこれだ!



スキル一覧

解体Lv1 採取Lv13 採掘Lv1

体術Lv2 投擲術Lv4 集中Lv9

精密動作Lv4 身体制御Lv1 探知Lv1


 体技と投擲が進化して体術と投擲術になったのだ!てかあれれ?またなんかスキル増えてね?集中しすぎてアナウンス聞き逃してるのかもしれないな。まぁ今はスルーだ。効果は後で確かめよう。

 アイテムストレージを開く。そこには集めに集めた石?が99×16も入っている。

 次にセットされているスキルを確かめる。

【体術】【投擲術】【集中】【精密動作】【解体】

OK完璧だ。

長かったスライムとの戦いを終わらせよう。

「待たせたなスラ公、今日こそお前を葬ってやる!」


 まるで嘲笑するようにやつの体がプルルン、と揺れる。ふっ、その余裕がいつまで続くか見物だぜ!


「いつもと変わらない揺れかただとおもうんだけど?」

「ナナさん!ここはそう言う雰囲気出さなきゃいけない場面だからスルーしてくれ!てか自然に心を読まなかったか今!?」

「ごめんごめん、さぁ続けて続けて」


 ……ん"ん"。集中、集中。

 アイテムストレージから石?を全てオブジェクト化する。そして投げる、投げる、ひたすらに投げ続ける!

 リジェネでHPが回復していくが与えるダメージのほうが僅かに上回っている。

 少しずつ、だが確実にHPは減っていく。俺は石?が底をつくまで一心不乱に投げ続ける!だが……。


「わかってたさ!これだけじゃ沈まないってことくらいな!」


 やつのHPはまだ2割も残っている。ここからは肉弾戦だ!

 殴る蹴る当て身頭突き肘鉄抜き手膝蹴り等々。流れるように、とはいかないまでも出来る限り隙は小さく攻撃を繋げた。繋げ続けた。

 投擲のダメージよりは低くてもリジェネの効果を辛うじて上回れている。

 クリティカルの決まりかたもいい。このままいければ勝てる!


「ぐっ…!ブハッ!」


 くそ!ここでスタミナが切れたか!?

 スライムのHPは数ドットだが残っている。ここで攻撃を当てられなければまた振り出しに戻ってしまう!俺は無理やり体を動かした。


「と、どけぇ!」


 フラフラになりながら、祈るようにスライムに向かって拳を突き出した。スタミナが完全に切れてもうこれ以上動けない。

 どうだ?倒せたのか……?





 スライムは弾力を失い、デローンと伸びて光の粒子に変わった。


《戦闘に勝利した!》

《expを800獲得》

《ジョブレベルアップ!ステータスポイントを獲得した》

《ジョブスキル研究を覚えた!》

《ジョブレベルアップ!ステータスポイントを獲得した》

《ジョブレベルアップ!ステータスポイントを獲得した》

《アイテム、再生粘生物の真核を1つ手に入れた!》

《アイテム、再生粘生物の粘液を7つ手に入れた!》

《アイテム、再生粘生物の柔皮を3つ手に入れた!》

《称号【再生の兆し】を獲得した!》


「ハァ……ハァ……は、ははは!やった、やったー!ナナさん俺ついにやったよぉ!」

「ライ君おめでとう!諦めずによく頑張ったね、私もすごく嬉しいよ」


 あぁ、6日もかかってしまったけれど俺はついに成し遂げた。

 LUK特化でまともなダメージも与えられなかったが、それでもスライムを倒せたんだ!


「いやーこれでようやく次のチュートリアルに進めることができるよ」

「えっ」

「当然だろ?相手が悪かったとは言え、さっきまでのは攻撃の仕方を覚えるチュートリアルだもん。次はモンスターも攻撃してくるよ」

「そ、そんなぁ……」

「そんな情けない顔しないの!連続でリジェネスライムが出てくるようなことはさすがにない、と思うから……今日中には終わるんじゃない?」

「時間がかかることは確定なんだ……」

「そりゃそうだよ、そんなステータスなんだもん」

「死んだらどうなる?」

「ここでデスペナ無しで直ぐに復活できるよ」

「そっか、とりあえず石拾ってくる……」

「うん、いってらっしゃーい」



 休憩もかねてゆっくりと30分かけて石?を拾い集めた。初日以降ストレージにあっても邪魔だからと見向きもせずに放置していた草?と骨?もついでに拾っておいた。


石?×99

草?×34

骨?×17


 これくらいで十分かな?次はモンスターとの本当の戦闘だ。きっと攻撃がかすっただけで死ぬんだろうなぁ。


「お帰り。準備ができたら魔法陣に触れてね?」

「またこの魔法陣なんだな」


 戻るとナナさんが初日にも描いていた魔法陣を展開して待っていた。準備はできているが一応お祈りしておこう。


 LUKさんLUKさん、今回は仕事しないでくださいな。レアモンスターとかチュートリアルの後で出会えればいいのです。どうかだらけていてください。仕事は少ないほうが楽でいいでしょう?遣り甲斐がほしいなら待ってて下さい。チュートリアルが終わったらカジノでも探してブラック企業のように使い倒して差し上げます。だからどうか今は休んでいて下さいまし……


「よぉし準備完了、いくぜ!」


 魔法陣に手を触れる。……ヤバい、これ明らかに前回よりも激しい輝きだよな!


「ちょっ、嘘だろ!?」


 またリジェネスライムなんて出て来てしまったら倒すのに1ヶ月はかかる気がするぞ!?光が収まりそこにいたのは……。


「キュイ?」

「ウサギ?」

「おお、レアモンスターのフォーチュンラビットじゃんか!私初めて生で観れたよ!」


 俺のことをバシバシ叩きながらナナさんが興奮気味に教えてくれた。


「痛い、痛いってば!」

「あぁ、ごめんねライ君」

「で?こいつってリジェネスライムよりは簡単に倒せるの?」

「うん、簡単だと思うよ。フォーチュンラビットは逃げ足が速いだけで普通のラビット種よりHPも低いからね」

「よし、ならサクッと倒して……って遠っ!?」


 ナナさんと話している間にフォーチュンラビットは脱兎の如く逃げだしていた。いや如くってかそのものだったわ。


「だから言ったろ?()()()()()()ってね」

「速すぎるでしょ、まだ戦ってもいないのに……」

「フォーチュンラビットは臆病だからね。攻撃してくることはないんだけど他の生物を見かけると一目散に逃げ出すのさ。レアモンスターの中でも見つけにくいし、通常フィールドだったらまず見失う。いやー本当にラッキーだねライ君」

「俺のAGIじゃもう追い付けないとおもうんだけど……」

「通常フィールドならそうだね。でもここは限りあるチュートリアルフィールドだ。端しっこまで追い詰めれば投擲で仕留められるだろう?」


 襲って来ないで逃げ惑う小動物に石を投げつけるのか。端から見たら最低な野郎だな……。でもしかたないよな?倒さないとチュートリアル終わらないからね!







「キュ、キユイィ!?」

「ふ、ふふ、やっと追い詰めたぞ」


 2時間の追いかけっこの末にようやくエリアの端に追い込むことに成功した。

 罪悪感が酷かったが、追い込む途中でも何度も石を命中させているので後一撃クリティカルを入れれば倒せるだろう。

 逃げようとするウサギの動きに合わせて最小の動作で石を投げつける。

「キユイィ……」


 パタリ……と倒れて粒子に変わる。ごめんよウサギさん、君の素材を使ってきっといい装備を作ってみせるからな。


《戦闘に勝利した!》

《expを1200獲得》

《ジョブレベルアップ!ステータスポイントを獲得した》

《ジョブレベルアップ!ステータスポイントを獲得した》

《アイテム、幸運兎の翼耳を2つ手に入れた!》

《アイテム、幸運兎の綿尾を1つ手に入れた!》

《アイテム、幸運兎の秘玉を1つ手に入れた!》

《称号【幸運の訪れ】を獲得した!》


 非常に後味の悪い戦闘ではあったが、これで無事チュートリアルクリアだろう。


「ナナさん、長いこと拘束しちゃってごめんな」

「いいさ、これが私の仕事だしね。たまにはこうしてじっくりと教えるのも悪くなかったよ?」


 毎回は勘弁だけどね、と小悪魔っぽく笑ったナナさんは最高に可愛いかったぜ。


「さあ、名残惜しいが君の冒険はここから始まる。前を向いて胸を張れ!どこまでも広がる自由な世界が君を待っている、目一杯楽しんでくれたまえ!」

「あー、ナナさん、またどこかで会えたりするかな?」

「君の行動次第ではそんなこともあるかもね」

「なら、次に会う時までにリジェネスライムをワンパンで倒せるようになっておくよ」

「今のステータスからかい?ふふ、それは楽しみだね。期待して待ってるよ」


 光に包まれ始まりの街への転移が始まる。


「そろそろ時間だね、君に幸運がありますように…って祈るまでもなく幸運か」

「いや、ありがとうナナさん。今のでどんなモンスターが出てきても逃げ切れる気がするよ!」

「それは良かった。祈った甲斐があるってものだね」


 体が宙に浮き上がるいよいよ転移の時だ。長かったチュートリアルだけど、いざ終わってみると少し寂しいかな。これでナナさんともお別れだが、いつかまた会えることを信じてこの世界を楽しもう。

 いざ、転移!


「あ、そうそうまだチュートリアルは終わってないからね?ちゃんと最後まで終わらせるんだよー」

「はいぃ!?」




そうして俺は始まりの街、アドベントへと降り立ったのだった。

name ライリーフ・エイルターナー

種族 人種 Lv1

ジョブ 研究者 Lv6

ステータス

HP 10

MP 160→170

STR 3

VIT 1

INT 9

MND 8

AGI 7

DEX 12→14 2up

LUK 564→567 3up


スキル

【体術Lv4】【投擲Lv6】【集中Lv11】【精密動作Lv5】【解体Lv3】

控え

採取Lv14 採掘Lv1 身体制御Lv1 探知Lv1 疲労軽減Lv1


装備

初心者のナイフ

初心者の上着

初心者のズボン

初心者の靴

幸運の証


称号

【再生の兆し】

10秒毎に最大HPの1%を回復

【幸運の訪れ】

ジョブレベルアップ時、LUKが上昇すると更に1ポイント上昇


あと少しだけチュートリアルは続くのです

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