表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/285

装備を強化したら詰んだかもしれない.2

寝落ちして投稿遅れてしまいました。

本当に申し訳ない……!

 ゴリラが長い髪を靡かせつつ近づいてくる。こいつ、威圧の眼光が効いてないしかなり格上なんじゃないか?


モンスター

キューティクルコング Lv■■


 鑑定してもレベルが表示されない。つまり予感的中って訳か。しかしなんだって初心者エリアにこんな強力なモンスターが?あの猿もそうだが今までファースの山林では見たことがない。……ってマップ切り替わってるじゃん。猿を追いかけるのに夢中になりすぎたか。フィールド名は、賢者の森?掲示板でも見たことないマップだな。もう世界樹の果実は取り戻してあるし、逃げてもいいんだけど……


「ウホッ!」

「ぐぉ!……見た目以上に素早いなチクショウ」


 そして靡く髪がいちいち綺麗で思わず見とれてしまう。しかも仄かに柑橘系の甘く爽やかな香りまでさせやがって!ゴリラの癖に!ゴリラの癖にィ!


「クソ!美少女になってから出直して来やがれってんだよォ!!」

「フッ」

「ドヤ顔、だと……?」


 まるで、この美しさが分からないなんて可哀想ね?とでも思っているかのような弱者を蔑む表情だ。


「ライリーフ、キューティクルコングはより長く美しい髪をしている個体が雄雌問わず上位者とみなされるんです。おそらくこの個体、ゴリラ的にかなりの美人ですよ!」

「その情報今いるか!?ってふざけてる場合じゃねぇ!」

「ウ~ッホホホホホホホホホォ!!」


 ゴリラのラッシュ。即ちゴリラッシュを寸での所でガードする。あ、俺のステータスじゃガードしても意味ないとか思ったろ?それがそうでもないんだなぁ。みんな忘れてるかもしれないけど一応盾持ってるからね。LUKさんが仕事をしてくれれば……


ガギィーン!


「ウホ!?」

「ジャストガードだって発動する!」


 両腕を弾かれ万歳のポーズになったゴリラの鳩尾に渾身のシールドバッシュをお見舞いしてやった!


「ウ、ウホォ……」

「よし、このまま逃げるぜ!」


 俺は全力でその場から逃げ出した。


「え~?倒さないんですか~?」

「今のはアーツですらないなんちゃってシールドバッシュだ。スタンが決まっただけでダメージは全然通ってない!」

「ライリーフ、そんな基礎の技すら使えないんですか……?流石に同情します」

「うるせぇ!俺だってLUK1000になればいい感じのアーツ覚える予定なんだよ!んぉ!?」


 背後から嫌な気配がする。ちっ!まさかもう追い付いて来たのか?ちらりと後ろを盗み見ると、丸太に乗ったゴリラが猛スピードで迫って来ている。


「お前は世界一の暗殺者か!?ガフぉ……ッ!」


 ぐ、ツッコんだせいで丸太が諸に当たってしまった。そしてゴロゴロと地面を勢いよく転がる途中の事だった、ズルリ……とまるで俺から抜け出したかのように身に付けていた装備が全て外れたのだ。


「はぁ……?今度は一体何が――」


 そこから先の言葉は続かなかった。否、続けることができなかった。蛇に睨まれた蛙ってのはこんな気分なのかね?全然体が動かねぇや。

 目の前で、俺の装備だった何かがゆっくりと起き上がる。や、ヤバい……こいつは明らかにゴリラ以上の脅威だ!直感的に俺はそう理解した。だってゴリラが震えながら後退ってたからな。

 でもこいつ、俺の装備だしワンチャン味方ってこともあるんじゃないか?頼む、そうであってくれ!


「は、ハロー……マイベイビー?」

グルルルル……

「ライリーフ!近づいてはいけません!!」

「え?」


 次の瞬間俺は宙を舞っていた。いやー、何回目だよこのパターン。で、この後はどこかしらに叩きつけられるんだろ?ふっ、俺はもう学んだぜ!天翔天駆を起動し無理やり体勢を立て直す。


「いきなり攻撃とはやってくれるじゃねーの!……は?」


 振り向いた俺が目にした光景は、ゴリラが俺の装備だったモノに補食される瞬間だった。え?てことはさっきのって、俺に向かって攻撃した訳ですらなかったのか!?


「ら、ライリーフ……逃げましょう!アレに1人で挑むのは無謀ですって!」

「……ティルナート、知ってるか?」

「何でしょう?」

「食事中って生物が無防備になる瞬間なんだぜ?」

「ま、まさか……!?」

「せめて一撃くらい食らわせないと気が済まねぇ!!」

「ダメですってばぁ!!」


 俺は走りながら骨塊の大剣を引っ張り出し、おもいっきり奴に向かって叩きつけた!


「いっ!?」

グルオオオオォォォォォォァ!!!!!!!


 俺の大剣はいとも簡単に防がれてしまった。はは、なんてこった。こいつ、()()()()()()()じゃねーか!1つが食事中でも他の頭が自由なんじゃ隙でも何でもないわな。


ミシミシ……


 あー、しかもこれって()()()()()()()()()()()?怨嗟の骨鎧に補食吸収なんて能力が増えてたしあり得るな。やっベーや。ただでさえ強そうなのにおやつ代わりの強化アイテムあげちゃったぜ。で、おやつを食べ終われば当然次は俺が狙われる訳で……


「ティルナートの言うこと聞いとくんだった!」

「だから逃げましょうって言ったのにぃ!」

グルルオオオォォォォォォァ!!!!!!!


 尻尾で横凪ぎに一閃。鞭のようにしなるそれを回避できる程のAGIはない。それどころか普段より遅くなってる気がするぞ?そんな疑問を抱きながら俺は死に戻ったのだった。

ついに現れた災厄の獣。

詳しい能力やクエストの発生条件は次回!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ