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大会本選

誤字、脱字の報告毎回ありがとうございます。

今回もまだライト視点です。

ライリーフの活躍を期待している方には本当に申し訳ないです。

少なくともあと3話以内にライリーフの視点に戻ると思うので今しばらくの我慢を!

 今日は予選最終日だ。0時までの戦績で本選の出場者が決まる。0時を過ぎても闘技場で戦うことは出来るらしい。ガチャ目当ての人はずっと張り付いてるんだろうな。

 現在の俺のレートは2600。掲示板ではレート2200以上なら本選確実だろうと予想されているみたいだし、蒼炎剣士のレベル上げを優先しよう。






「蒼炎斬!」

「ゲゴァアアッ!?」

「ヒュー、火力が段違いだな!アーツ一発でこれかよ」


 現在俺は王都からリブレス側のマップに進んでモンスターと戦っている。俺達のパーティは転移を使わずに王都にたどり着いたのだが、道中はかなり苦戦した覚えがある。特に厄介だったのが四方八方から襲ってくるスーパーボールフロッグだ。手足の無い丸い体で高速で木々の間を跳ね回り、体当たりを仕掛けてきた。剣で迎撃しても遠くに跳ねていくだけであまりダメージにならなかったので、リリィとフィーネの魔法頼りで切り抜けた。


 そんなスーパーボールフロッグがアーツ一発で倒せてしまった。武器とジョブの性能が上がったとは言えこの結果は予想外だ。これならサクサクモンスターを討伐してレベルが上げられるぜ!


……

…………

………………



「うわ!熱中しすぎた!もう1時かよ!?」


 現在蒼炎剣士のレベルは27。ある程度レベル上げたら闘技場に戻ってバトルするつもりだったんだけど、最終ボーダー絶対上がってるよな?これで本選に出られなかったら苦労して蒼炎剣士を解放した意味が……無い訳じゃないしいいか。その時は適当にガチャチケ集めでもして当たったアイテムをライに自慢してやろう。


「とりあえず今日はログアウトして寝るかぁ」


 お知らせによると、明日の10時頃に予選突破したプレイヤー宛の参加の確認メールが届くらしい。そして15時までに参加を表明すると晴れて本選出場者になるわけだ。俺も選ばれてますように!










『レディースアンドジェントルメーン!!ついにイベント本番のスタートだ!準備はいいか?俺は出来てる!司会進行はスプルド運営チーム、クレイジー・山中とォ!』

『……アシスタントのニュービー・沢渡でーす』

『おいおい、新入り。ちょーっとテンション低いんでな~い?もっと盛り上がっていこうぜ!Foooo!!』

『いきなり呼ばれた身にもなってくださいよ……。えー、では本選のルールを説明しますね?本選出場者128名にはAブロックとBブロックの2つに別れてトーナメントを勝ち抜いてもらいます。バトルのルールは予選の時と同じです。一戦の時間は5分、場外又はHPの全損で決着です。最後にAB両ブロックの勝者が戦って優勝者が決定されます』

『事務的な説明ありがとよ新入り!細かいことはおいといて早速1回戦を始めるぜ?AB両ブロックの選手!準備はいいな?いいよな!?それじゃ……レディー!!!ファイトォ!!!!!』




 ついに大会本選が開幕した。俺もなんとかギリギリで予選を突破することができた。割り振られたのはBブロック。そしてアルバスさんもBブロックだ。トーナメント表によるとこのブロックの決勝戦まで当たることはないみたいだな。つまりリベンジするにはそこまで勝ち抜かなきゃいけないってことか……。


「なーんてことばっかり考えて初戦で負けたりしたらダサいよな」


 同じブロックにはフィーネもいるし、油断ならない。下手したら初戦で負ける可能性だってある。リベンジのことは勝ち上がってから考えよう。


『ナイスファイト!いい試合だったぜ!負けた方も惜しかったな!さぁ、続いては第8戦だ。選手は準備してくれ!』


 おっと、もう俺の順番が回ってきたか。相手はどんな奴だろうか?



「ギヒヒ、ライトが相手とはついてるぜェ!公衆の面前でボコボコにしていいんだもんなァ!?」

「え?なんで俺へのヘイトそんなに高いんだ?」

「忘れたとは言わせねぇぞ!βの時、俺が一緒にパーティ組む筈だったリリィたんをかっ拐ってたことをよォ!!!」

「あ、あのときのプレイヤーか」


 β時代、まだソロで活動していた時に出くわした迷惑プレイヤーだ。こいつがきっかけでリリィとパーティ組むことになったんだっけ……。懐かしいな。


『おっと~?Bブロックの選手は何やら因縁があるみたいだぞ!うはは!いいねぇ、青春の迸りを感じるぜ!中身おっさんかもしれないけど』

『ハァ、そう言うのいいですから……。では第8戦。レディ、ファイト!』


「ウラァ!俺の必殺コンボを食らいやがれ!!」


 このプレイヤー、名前なんだっけ?とりあえず格闘メインのジョブっぽいな。 拳に炎を纏ってるし、炎拳士か?


「ビルドアップ!ヒートボディ!ガトリングナックル!!」

「おわ!初手から飛ばしてくるな」


 型としては炎剣士と大差ないが、攻撃を当てなくてもバフが乗るのが特徴だ。ただその分アーツ一回の上昇率は低いんだっけ?


「ギヒヒ!オラオラァ!どんどん俺の攻撃の威力が上がっていくぜぇ?反撃くらいしてみろよ!」

「それじゃ遠慮なく。フレイムアブソーション!」

「ゲェ!?俺の貯めた炎が!ひ、卑怯だぞこの野郎!!」

「これくらい当然の作戦だろうが!ブループロミネンス!」

「ンギャーーーッ!?」


『Bブロック、勝者はライト選手!うわぁ、あれって蒼炎剣士のアーツですよね?もうそこまで解放したんだ』

『剣士の出せる技としては最大クラスの範囲を誇るアーツだな!バフが重なってれば威力も上級職並みに高いぞ!さすが本選出場者、いいジョブしてるぜ!』

『あ、Aブロックの方も凄いことになってますよ』

『おお!?あれは伝説のアーツ!土下座ストリームじゃねぇか!』

『まさかニートのジョブをここまで使いこなすプレイヤーがいるなんて……ゲーマーって凄いですね』




こうして俺は2回戦へと進出した。

……くっ、Aブロックの試合超観てぇ!

おまけ

土下座ストリーム


ゲームにおける性能は、これまでしてきた回数と同じ回数の土下座を亜光速で繰り出す伝説の土下座殺法。

しかし一瞬でも制御に失敗すると五体爆散は免れない。

これまでの土下座と同じ数の土下座を繰り出すと言う性質上、使えば使うほど制御の難易度は跳ね上がる。


とある開発スタッフが古い文献で発見し、再現を試みたことでゲームの世界に発現した。


現実において最後にこの技が確認されたのは江戸時代である。

そう。彼の大剣豪、宮本武蔵のそっくりさん宮村正史こそその使い手だ。

度重なる誤解による果たし合いをやり過ごす為に体得したと言われている。


土下座ストリームの歴史は古く、古事記にもその存在が記されている。

最新の研究で、イザナギがイザナミに余ったとこと欠けたとこでフュージョンしね?と持ちかけた際に使用された形跡があると判明した。

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