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初イベント開催

 ログインすると運営から初イベント開催のお知らせが届いていた。どうやらプレイヤーが3つ目の街である王都まで到達したらしい。

 イベント内容としては闘技大会をするみたいだ。開催期間は2日後の金曜17時から1週間予選大会を行い、成績上位者128名を選出。予選終了の翌日17時から2ブロックにわかれて本選トーナメント。

 ふーん?報酬は……イベント参加で5000コル、予選大会で5勝毎にガチャチケット1枚ねぇ?ガチャなんてどこで引けるんだよ。ん?王都の怪しい商館って所からガチャ会場にいけるようになったのか!俺も1枚持ってるし後で引きに行こう。んで、本選1位の報酬は100万コルと特典武器、あと確定スキルチケット3枚か。称号も貰えそうだよな。

 お、イベント中はアドベントから王都まで転移門が自由に使えるのか。これなら今やってるクエスト終わらせてからでも参加報酬とガチャチケ1枚くらいは貰えそうだな。


「おっし、イベント参加するためにもさっさと開拓終らせるぜ!」

「その前にレーレイ様に報告でしょうが」

「あ、それもあったか。サンキューなティルナート」

「ライリーフが改造したせいでティルナートじゃなくてティルヴィングになっちゃいましたけどね」

「そこはほら、ティルヴィングに宿る剣霊のティルナートってことでいいじゃん」






 なんてティルナートと駄弁りながら神殿まで来たわけだけど、なんか談話室の雰囲気が違う。

 町の集会所と成り果てたこの神殿にはいつも暇なお年寄りが集まってわちゃわちゃやっているのだが、今日の面子はどこか様子がおかしい。

 その目は爛々と輝き、まるで新しい玩具を前にした子供のようにすんげーいい笑顔だ。そして何故かそんな目で俺のことを見てくるのはどうしてだ?


「おやライ坊。もう今日の作業は終わったのかい?」

「え?あぁ、まだだよ。先にレーレイ様のクエストの報告しとこうと思ってな」


ざわり……


 俺がそんな事を言った瞬間お年寄りの空気が更に変化した。雰囲気的に一番近いのは目の前のとびっきりのご馳走を虎視眈々と狙う餓えた獣だろうか?非常に嫌な予感がする。


「ほほぅ?レーレイ様から試練を受けて、それを成し遂げたんだねぇ?ちょっと作ったものを見せてごらん」

「べ、別にいいけど……フォル婆、この人らなんなんだ?」


 目から謎の光とか出しちゃいそうだぞ?


「ふぇっふぇっふぇっ、気にするこたぁないさね。ささ、早く作った物をお出しよ」

「作ったって言うか、改造した物だけどな」


ざわざわ……ひそひそ……


 机の上にティルヴィングを取り出すとお年寄り達が興奮ぎみにひそひそ話をし始めた。俺を見る目が更にヤバイものになったぞ。もう目がビカーッ!と光だしてもおかしくない。


「驚いたね!殆ど原型は残ってないけど、これってティルナートでしょ?レーレイの作った物をここまで改造するなんてやるじゃんライ坊!」

「お、おう。……んん?今のフォル婆か!?なんか口調とか声質とかツッコミ所の宝庫なんだけど!」

「ふぇっふぇっふぇ、聞き間違いじゃないかい?きっと天狗のイタズラさね」

「この世界って天狗までいるのかよ……」


 妖怪の仕業ならそういうこともある、のか?あるんだろうなぁ。ならしょーがないよな。うん、しょーがないしょーがない。

おれはてぃるう"ぃんぐをかえしてもらいれーれいさまのせきぞうまでいどうするのだった。






「ライリーフ!もうレーレイ様の前ですよ。早く報告を済ませたらどうです?」

「うぇ……!?いつの間に」


 さっきまでティルヴィングをお年寄り達に見せていた気がするんだけど……何故俺はもう石像の前にいるんだ?


「ま、移動の手間が省けたと思えばいいか。おーい、レーレイ様ー?クエスト終わらせてきましたよー」

《……んぇー?誰さー?私今すごく眠いんだけどぉ……》

「俺です。グーヌート絶対許さないマンことライリーフです」

《あー、君かー。……え?もう直してきたの!?》

「手持ちにヤバめな素材あったからなんとかなった。で、これで試練クリアでいいのか?」

《ふーん?どれどれ……うわ!ヴィルゾーヴの羽根なんて使ったの?よく手に入ったね》

「巣まで直接招待されたからな。まだイベントリ半分埋め尽くす程度には持ってるぞ?」

《えぇ……?あそこって人が足を踏み入れられるような環境してないよ?》


 神様にドン引きされたプレイヤーはきっと俺が初なんじゃないかな。称号増えたりしない?……さすがにないか。


「レーレイ様ぁ……私はここからダイエット出来るでしょうか?」

《え?てぃっぷーは剣なんだからダイエットとか無理に決まってるじゃん》

「そんなー!?ならレーレイ様がまた改造してスリムな剣に鍛え直してくださいよぉ!」

《んー、ちょっとムリかなぁ?剣身にヴィルゾーヴの不滅の力が完全に馴染んでるから、私でも外側に新しく何か継ぎ足すくらいしか出来ないし》

「それじゃ余計太っちゃうじゃないですかぁ!」


 神様でも加工不能になるとか鳥さんの素材やっぱりやべーわ。神話級のモンスターを軽くひねって餌にしているだけはあるな。


《てぃっぷー、諦めて新しい自分をエンジョイしなよ?》

「……あい」

《うん。いい子だね。それじゃライリーフ、そろそろ君の試練の結果を伝えようか》

「うっす」

《ふふ、結果はもちろん花丸満点だ!私も新しい作品のインスピレーションを得ることが出来たし、報酬におまけもつけてあげよう。それじゃ、レプリカ改造も頑張ってねー》


ピコン!

《シークレットクエスト・技神の試練をクリアした!》

《報酬として称号【技神の試練を越えし者】、シークレットジョブ【技神の神徒】、レーレイの万能工具、技神の紋章を手に入れた!》






こうして実に呆気なく技神の試練は終了した。

もっとはっちゃけた話を書きたいところですが今は我慢の時。

あと少し。あと少しでヒロイン(仮)も出てくるし話も進むんです。

ちなみにヒロイン(仮)との本格的な絡みは次の詰み要素を乗り越えた後だったりする。


ティルナートがヒロインだと思った方々、本当に申し訳ない。

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ティルナートは豆腐メンタル君のヒロインだからね仕方ないね
ティルナートは準ヒロインだと勝手に思ってる
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