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技神の試練

長めです。

今回は微エロ&にわか注意です。


思いの外賢者の到来が早く後書き一部変更しました。


「よし、その為にもさっさと森林エリアを更地に変えないとな!」

「何がよし、ですか!レーレイ様からのクエストが最優先に決まってるでしょう」

「えー?さっきまで嫌がってたじゃんか」

「嫌なことはさっさと済ませたほうが良いってマスターも言ってましたからね。私もあんな所やこんな所を弄くり回される覚悟を決めました!女は度胸です」

「愛嬌だろ。てか言い方考えろよ。俺はそこまで上級者じゃねぇからな?」


 まぁティルナートの言うことも一理ある。今回の試練クエストは簡単そうだし、サクッと終わらせてしまえば無駄になる経験値も少ないしな。


「しゃーない、ごねられるよりましか。お前の改造から終わらせるよ」

「やったー!ん?改造……?今修理じゃなくて改造って言いました!?」

「はっはっは、どっちもそんな変わんないって。さ、生産所に行くぞー」

「待って、さっきのなし!なしでお願いします!開拓者らしく開拓しましょうよ!?レッツ森林伐採!あ"ー!何で止まってくれないんですかぁ!!ヤダーッ!!レーレイ様助けてくださいぃ!!!」

「うるせぇなぁ……俺の技量で元通りに直せる訳ないに決まってんだろ?そもそも元の形を知らないんだしさ。材料だけは良いもの使ってやるから諦めろ」

「そ、そんなぁ……!」





 俺が止まらないとわかると、ティルナートは高速で俺の体を出入りする嫌がらせを無言で始めた。ゾワっとする感覚が連続で続いて物凄く鬱陶しい!

 ふ、だがもうじき生産所に着く。たどり着いてしまえばこっちのものよ!作業さえ始めてしまえば邪魔することはできまい。手元が狂って本体が壊れちゃいました、なんてことになって困るのは俺もティルナートも同じだからな。


「うぅ……。ついに到着してしまったのですね……。レーレイ様、マスター。ごめんなさい、ティルナートは汚されてしまいます……」

「言っとくけどレーレイは推奨してる側だからな?ほれ、達成条件見てみ?」

「ふ、私だってそんな見え透いた手には引っ掛かり……やだマジじゃないですか」

「な?だから大人しく改造されようぜ」

「……あい」


 さて、どうにか改造を了承してもらった訳だが……。








「あん……あっ、んふぅ……やっ……あぁ!」

「………」

「んっ!……そ、そこは……んん!……ハァ……ハァ……」

「………」

「ふぁ……やめ、ひゃん!……あぁ……んっ」

「……あーもー!いちいちエロい声出すなよ!?気が散るだろうが!」

「だってぇ……んぁっ」


 勘違いするなよ?俺はただ剣の手入れをしているだけだからな?

 改造するためには手を入れてはいけない、言わばティルナートの核にあたる部分を避難させておく必要がある。だが長年野晒しにされていた為かなり汚れていてどれが核なのかがわからなかった。

 そこでパーツ毎に分解して汚れを落としてみたところ、ティルナートが喘ぎ出してしまったのだ。


「お前、手入れの度にそんな感じなのか?」

「知りませんよ!そもそもお手入れなんてされたの生まれて初めてなんですからね!初めてなんですからねぇ!」

「ええい、初めてを強調するな!……しかし手入れしたことないってどうしてだ?」

「私、これでもレーレイ様に手ずから作り出された聖剣の一振りですからね?壊れてさえいなければ劣化することはありませんし」

「あぁ、なるほどね」

「まさかお手入れがこんなに過激なコトだったなんて思いませんでした……。癖になっちゃったらどうしてくれるんですか!?」

「知るか!てかお前、剣から離れることできるだろ?改造終わるまでどっか行ってろよ」

「え?……あ、あーそうでしたっけぇ?でもあれはリンクが絶たれてたから偶然できたんだと思いますよ?」

「嘘つけ。鑑定したら剣霊離脱ってスキルがあるぞ」

「あれぇ!?そんなスキル私にはなかった筈ですよ!」

「増えたんじゃね?それこそ長いことリンク絶たれてた影響でさ」

「くぅ、私の成長が憎い……はっ!んっんん、どうやらそうみたいですね。確かに本体から離れて行動できるみたいです。ライリーフのお邪魔にならないように外でシチューでも作って待ってますわ。オホホホホ~」

「……」


 部屋の外には出て行ったが、たぶん本体とのリンクは切ってないんだろうなぁ。誤魔化し方下手すぎるだろ……。

 どうする?見逃すか?いや、ここは心を鬼にして


「ふんッ!」


おもいっきりハンマーでパーツをぶん殴る。


「いったーぁ!?何するんですかライリーフ!」

「やっぱりリンク切ってなかったな?改造中はこれくらい痛くなるかもしれないから今のうちにちゃんとリンク切っておけ」

「え"……わ、わかりました!今度こそ切りますから改造始めないでくださいよ!?絶対ですからね!?」


 やれやれ、漸く作業に集中できる。……でも改造終わったらすぐログアウトしよう。




 うん、一通り汚れは落ちたかな?んー、この宝玉が核になってるみたいだな。それじゃこれはストレージに入れておこう。

 さて、改造に使うアイテムの紹介だ。今回使うのはその辺で拾ったパワーストーン、ダンジョンメタル、純魔結晶、そして本日の目玉商品ヴィルゾーヴの尾羽だ!贅沢に一本丸々使ってしまおう。

 昔大ヒットした魔法使い物の超大作で不死鳥の尾羽を使った杖が登場してたし、剣に不滅の大怪鳥の尾羽を使っても効果ありそうな気がする。食あたりで死んでしまう不死鳥より鳥さんの方がよほど強力だろうしな。


 まずはパワーストーンの加工から始めよう。用意したのはシトリンクォーツ、クリスタル、パイライトの3つだ。魔除けの特性を考慮して選んでみた。ん?やけに詳しいってか?……中学の頃ちょっと凝った時期があったんだよ。

 形は……大きさだけ整えて丸くすればいいか。クリスタルとパイライトは原石そのままの状態が個人的には好きだけど、装飾に使うなら削らないとな。


……。

…………。

………………。


 ふぅ、こんなもんか?研磨のスキルがないからめっちゃ時間掛かったな。……うん、大きさもピッタリだ。

 次は剣身だな。う~ん。もう溶かして新しく鍛造した方が早いんじゃないか?……よし、やっちゃうか!鍛冶の知識?はっはっは、そんなもの一介の高校生が持ってるとでも思ったか?とりあえず熱して叩く、それくらいしか知らない。聖水だって作れたんだ!剣の一振りくらい作れないでどうするよ!行くぜ!


トン!……カン!……トン!……カン!


 あ、ダンジョンメタル入れ忘れた。もう一回やり直しだな。


トン!……カン!……トン!……カン!


 あぁ!ヴィルゾーヴの尾羽使うの忘れてた!もう一回!


ギャリィ!……ギャリィ!……ギャリィ!


 明らかに叩いた時の音が変わってる。そして色も銀色から黄金に変化し始めた。てか反動で手首もげるかと思ったぞ。うわ、HP削れてるじゃん!ぐぬぬ、ここまで来たら続けるっきゃないよな……。いいぜ?最後まで鍛えてやんよ!


ギャリィ!……ギャリィ!……ギャリィ!

リィーン!……リィーン!……リィーン!


 お、澄んだ音に変わったぞ?色も完全に黄金に変化してる。これは成功と見ていいんじゃないかな!あ!鍛え終わったら水に浸すんだっけか?水も豪華にニ"ャーーーーーッ!?を使ってしまおう。なーに、大量生産のおかげで小瓶にしてなんと500本も作れたんだ。大盤振る舞いしても半分以上余るさ!……しかしこのアイテム名、なんとかなんねぇかな。


シューーーーーッ!!!

(ひぃ~!助けてくれー!?)

(嫌だー!まだ消えたくないー!)

(体が、体が消えるぅ!?)


 うっは、水蒸気スゲー!部屋中真っ白だ。ん?なんか今聞こえたか?……気のせい、か。きっと蒸発するときの音だよな。

 これで剣身は完成だ。あれ?なんかサイズがデカいような気がするな……。

 うん。元は片手剣サイズだったのに、今では立派な大剣だ。ちょっとダンジョンメタルを入れすぎたかもしれない。これは柄も作り直さなきゃダメだよぁ。


 残ったダンジョンメタルを使って大きく作り直す。そして鍔の両端に削ったクリスタルとパイライトを嵌め込んで、グリップの中心にはクリスタルを嵌め込む。最後に柄頭に純魔結晶を加工した宝玉を着ければ柄の部分も完成だ。

おっと、ティルナートの核も取り付けないとな。鍔の部分の真ん中に取り付けて剣身と合体させた時の接合をより強固にしてもらおう。

 あとは剣身と柄を組み合わせて……完璧だ!早速鑑定、の前にティルナートを呼ぶか。あいつが宿るまでは完成なんて言えないもんな?


「おーいティルナート!作り終わったぞー!」

「ふわぁ……やっとですか?何時間待たせるのかと思いましたよ」

「は?そんなに待たせて……げっ、もう3時かよ!?うわー熱中し過ぎた」

「で、どうだったんですか?ちゃんと直してくれたんですよね?」

「まぁな!俺が作ったアイテムの中でも過去最高の出来だと自信を持って紹介できる!」

「おお!てことは期待しちゃっていいんですね!?私の新たなボディに!」

「もちろんだとも!さぁ、見るがいい!これこそが魔改造の極地!新生ティルナートちゃんのボディだぜ!」

「な、なな……なぁ!?」


 ふっふっふ、驚き過ぎて語彙が消失してしまったか?まぁ無理もない。自分の本体がこんなにゴージャスかつエレガントに変貌を遂げれば感動で言葉を失うのは必然。

 俺は確信したね。これならいつか必ずレプリカを本物以上に出来るってな!


「何ですかこのデブチンはー!」

「まさかのお気に召さない感じ!?」


 バカな!?俺の魔改造は完璧だった。いったい何が気に入らないって言うんだ!


「私は女性的でしなやかな片手剣だったんですよ!?それをどうして大剣なんかに改造したんですか!こんなに太らせるなんて鬼畜です!」

「そこかよ!?霊体には影響無いんだからいいだろうが!性能だってバリバリ上がってる筈だぞ!」

「いーやーでーすぅ!ダイエットを要求します!重さは20kgを下回るようにしてください!これは女として譲れません!」

「剣が何言ってやがる!住めば都だ!いいからリンクしろっての!」






その後もギャーギャー言い争い、俺は学校に遅刻した。

くっそ楽しく書けました。

けどその影響で明日の投稿はいつもより遅くなると思います。いわゆる賢者モードってやつですね。


おまけ

神霊大剣・ティルヴィング PM

ATK1400 魔性特効 MP自動回復・中

HP自動回復・小 MND+200

要求ステータス:STR1800


技神レーレイの作り上げたティルナート・プロトの新たな姿。

ダンジョンメタルの特性により周囲の魔力を吸収し、柄頭の宝玉に保管する能力がある。

また、3種の宝石により魔を払う力が大幅に増加している。

何故かニ"ャーーーーーッ!?と叫ぶと威力が上がる。




ネーミングがサブタイトルの心霊体験?と酷似しているが関係は一切ないと作者は語る。

関係ないけどシチューの味も格段によくなって1度に出せる量もかなり増えた。

要求STRで誰の手に渡るかバレバレなのは突っ込んではいけない。

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[一言] 呪われ(てい)た大剣…?
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