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除霊アイテムを作ろう

 ふむふむ、なるほど?水と自然塩とハーブとパワーストーンね。手持ちのアイテムでなんとか作れそうだな。

 ん?冒頭から何を作ろうとしてるのかって?いやいや、この材料を見ればわかるだろ?そう、聖水だ。

 あれから3日。開拓者のジョブレベルもカンストし、荒れ地エリアを一通り整地し終わった。だが幽霊さんの本体である遺骨は発見できなかったのだ。

 マップが夜になると幽霊さんはやって来て、もっとよく探せと催促してくる。まだ森林エリアも残ってると言うのに鬱陶しい。

 だがそこで思いついてしまった。祓える人が見つからないのなら自分で祓っちゃえばいいじゃない! まさに逆転の発想だよな。俺って実は天才なのでは?




 では夜になって幽霊さんが来る前にサクッと作ってしまいましょう。杯は持ってないので鍋でいいわな。……って錬金の大鍋しかねぇや。いい機会だし性能でも確認しておくか。



アイテム

錬金の大鍋 ☆☆☆☆

ダンジョンマスター必見のおすすめアイテム

どんなクズアイテムでもこの鍋に10個入れるとあら不思議

別のアイテムに早変わりする

いいアイテムを引き当てて冒険者をダンジョンに誘い込め!


※※※注意※※※

このアイテムはダンジョン専用アイテムです

所有するダンジョン内でのみ効果を発揮します

鍋より大きい物は入りません

最大で☆☆☆☆までのアイテムがランダムで出現します



 なるほど。ダンジョンのお宝はこのアイテムで作られていた訳か。でもよかったのかダンマスちゃん?これを俺に渡してる間、新しくお宝補充できないだろうに。まぁ、鍋としては使えるみたいだし、気にせず作業を続けよう。

 まずは鍋に水を入れましょう。もちろん町の広場の井戸まで汲みに行く、なんて面倒な真似はしない。クリエイトウォーターで一発だ。魔力から作られた水の方がなんか凄い気がするからな!

 次に塩をひとつまみ加えてっと。町に岩塩が売っていて助かったぜ。自然に作られた塩じゃないといけないらしいからな。あ、なんか呪文言うんだっけ?長いから覚えてないしそれっぽいこと言えばいいか。唸れ、俺の厨二力!


「我が魔力より出でし水よ、浄化の象徴たる塩の力をもって聖の理へと導かん」


 くっそ恥ずいが我慢だ!誰も見てないよな?

 次に入れるのはハーブだが、スパイスリーフしか持ってないや。とりあえず入れておこう。


「千差万別、無限の可能性を内包する葉よ。聖なる理を宿した水に、災厄を祓う力を宿したまえ」


 最後にパワーストーン。荒れ地の石からも幾つか見つかった何かの原石を使う。何かの原石は整地作業のモチベーション保ってくれた素晴らしいアイテムだ。削るまで何の原石なのかわからないワクワク感が素晴らしい。出てくる物のほとんどが安価な物だが、たまにルビーやダイヤモンドなんかも出てくるので侮れない。真珠とか琥珀とかが出て来てそれ違くね?と突っ込みを入れそうになったが楽しいからいいんだよ!

 さて、聖水作成の為にどの石を加えようか?う~ん、後で取り出せばいいだけだし豪華に行くのも悪くないな。てことで四大宝石を投入しましょう。そ~れ!ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドっと。


四大元素(古き秩序)を宿す悠久の結晶達よ、その力の拮抗をもって聖なる水に安定を与えよ!」


 さてと。……あー、この後どうすればいいんだっけ。煮る?それとも暫く放置?忘れてしまったものは仕方ない。日も傾いてきたし、適当にかき混ぜてそろそろ終わりにするか。

 最後の厨二力を振り絞り、適当にでっち上げた呪文を唱えつつ鍋の中身をお玉でかき混ぜる。


「小さき世界、万物は流転し、秩序は新たな姿をここに示す!さぁ、全て害意を退ける聖なる水よ!その名は――」

「なーにやってんだいライ坊?」

「二"ャーーーーッ!?」


 その瞬間、カッ!と鍋の中の水が激しい光を放った。


「ぬわ!?ライ坊、この聖なる波動はいったい何なんだい?」

「ぐぉ、目が……え?これか?ちょっと除霊しようと思って聖水作ってみた!」

「ごっこ遊びしてたんじゃないのかい!?」




 暫くして視力が回復したので鍋の中を覗いてみた。……おかしい、宝石が入ってない。ついでにスパイスリーフも消えてるな。まさか溶けたのか!?うっわぁ、もったいねー!これなら素直に屑石でも使えばよかったぜ。とりあえず中身を鑑定するか……。



アイテム

ニ"ャーーーーーッ!? PM

状態異常完全回復 10分間状態異常無効

10分間MP自動回復・大 怨霊浄化


分類は一応聖水

ポーション等と同じく飲んだり掛けたりして使用できる

負の要素を含むあらゆる物への特効を持つ

アイテム名を叫びながら使用すると効果が上昇するかも?



 また凄いのが出来てしまった。やっぱりいい宝石使ったからなのかね?


「ライ坊、あんたとんでもない物作ったねぇ。でもなんだいこの名前、もっと真面目なのつけられなかったのかい?」

「それはフォル婆が後ろからいきなり話しかけてきたせいだっての!」


 本当なら適当に伝説のアイテムの名前からパク……リスペクトしてつける予定だったんだ!てかアイテムの名前って自分でも決められるのか。初めて知ったわ。


「おや、そりゃ悪かったね。アタシのセクシーショットを撮らせてあげるから許しとくれ?」

「それ絶対罰ゲームだよな!?」


 何が悲しくてBBAの単独グラビア撮影なんてやらねばならんのか。あと60は若返って出直して来い!


「ふむ、しかしライ坊は思ったより物作りの才能がありそうだね……これは連中も気合いが入るってもんさね。くふふ!」

「あん?何の話だよ」

「な~に、焦らなくてもそのうち分かるさ。今は気にせず作業を続けるんだね」


 いったい何だったのだろうか?フォル婆はやけに上機嫌で町へと戻っていった。……まぁいいさ。聖水は完成したし、これで幽霊ともおさらばだ。これ以上の厄介事は暫く起きないだろ。

 うん、そう考えると気持ちがだいぶ楽になった。よーし!サクッと森林エリアも終わらせてクエストクリアといこうじゃないか!









この日、暗くなってやってきた幽霊さんに早速聖水を掛けてみたけど効果なかった。なんでだ!?

いつも応援ありがとうございます。


主人公に本筋に入られると、適当な設定をでっち上げることが出来ない&ネタバレが多大に含まれてしまうのでおまけが書けずにいましたが、本日はおまけつきです!





おまけ

ジョブ、開拓者について


簡単に説明するとマイ○ラぽい事ができるようになる。時間をかければ素手で石も砕けるぞ!

開拓に必要なアイテムは、集めた資材を使って自動でクラフトできるので便利。ただし使い終わると消滅するので注意。



おまけ2

アイテムの名称変更


★又はPMのアイテムのみ、後から作った本人が名称を変更することができる。

PMの場合は説明文も自分で弄れる。



おまけ3

錬金の大鍋について


主人公がダンジョンマスターからカレー入りの鍋の代わりに受け取ったアイテム。

ダンジョンのステップアップに必須のアイテム。

簡単に説明するとロック○ンエグゼシリーズのチップトレーダー的な物。大量の屑アイテムでお宝を引き当てろ!

同系統のアイテムとして錬金の小鍋、錬金の大釜等がある。違いは出てくる物の最高レア度と入れられるアイテムの大きさだけ。

ちなみにダンジョンマスターちゃんは、頑張って購入した直後に実績達成のご褒美としてダンジョン協会から同じ物が贈られてきてorzった。



おまけ4

ダンジョンのお宝について


前記したアイテムで入手するのが一般的。ただしそのまま宝箱に入れる訳ではない。

ダンジョンマスターの私室に設置された親宝箱にアイテムを登録することで、ダンジョン内の子宝箱に自動生成されるようになる。

当然アイテムのレア度が高いほど生成率は低くなる。冒険者に飽きられないようにアイテムの種類を増やすのも忘れてはならない。

若手ダンジョンマスターの無茶を防ぐため、ダンジョン協会では自身の作ったダンジョンのレベルに合わせたアイテムの登録を推奨している。


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― 新着の感想 ―
[一言] そりゃー腹黒なだけで怨み持ってないからじゃないっすかねぇ…
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