チュートリアルで詰んだかもしれない.3
短めです
今日は月曜日。
精神的に非常に疲れてはいるが学校にいかなければならない。Ω様のおかげで肉体的にはベストコンディションではあるのだが、それはそれ、これはこれ。
チュートリアルで出て来たスライムはどうしたのか?何故いきなり2日も時間がたっているのか?答えよう。俺はこの2日間憎き緑色のアンチクショウに時間の許す限り挑み続けた。
ナイフで攻撃しても殴ってもダメージは1しか入っていないみたいだったので手数を増やすためにナイフを使うことをやめた。だがそれでもやつの回復ペースには負けていて、どれだけ素早くダメージを重ねても1割程度削れるかどうかだった。
だが収穫もあった。スキルに【体技】が加わっていたのだ。どうやらジョブに合わない行動だったのでスキルの取得に時間がかかったようだ。
行動でスキルがゲットできるならば!と俺はアイテムストレージ内の石をオブジェクト化して片っ端からスライムに投げつけてみた。
予想通り【投擲】が手に入った。そしてなんと【投擲】がセットされてから3回に1回くらいの確率で投げつけた石のダメージが5になることがわかった。
恐らくクリティカル判定だ!と喜んだがありったけの石の投擲からの連続パンチでもHPの3割を削るのがやっとだった。これが土曜日の出来事だ。
日曜日はもっと単純で、他にできることも無さそうなのでスキルのレベルが上がることを信じてひたすら石を拾い、投げつけ、殴る蹴るの繰り返しだ。
少し冷静になってスキルにレベルが表示されていないこと気づいた時は軽く絶望しかけたが、ナナさんがスキルは所持スキル一覧で確認するとレベルがわかると教えてくれた。
このときは本当にホッとした。そしてついさっきまでスキルレベルを上げ続けた結果がこれだ!
所持スキル一覧
解体Lv1 採取Lv5 採掘Lv1
体技Lv9 投擲Lv8 集中Lv1
精密動作Lv1
いつの間にか知らないスキルが増えていた。セットしてないからレベルは上がっていないみたいだな。ふぅ……もっと早く確認すればよかったぜ。
「おい悠、フレンド申請してくれって言ったのに忘れてたろ!」
「すまん、まだチュートリアルが終わってないんだわ」
「はぁ???」
いつものように光介と登校する。話題はもちろんスプルドについてだ。
俺の今の状況を話すとおもいっきり笑われて若干イラッとしたが、体技と投擲はLv10で進化すると教えてくれたので我慢しよう。
光介のほうは何事もなくβの仲間と合流して順調にゲームを攻略しているらしい。
何処の店の飯が旨いだとか、ダンジョンの宝箱からレア武器が出たとか非常に楽しそうだ。
「はー、くくく、腹痛ぇ!」
「そんなに笑うことないだろ?俺が死んだ目をしながらひたすらスライムを殴り続けてるからって」
「わるいわるい、でもそんな苦労するくらいならキャラ作り直したほうがいいんじゃないか?」
「それはなんか負けた気がするからしない。あと特典アイテムも消えちゃうし」
「☆4のアクセサリーだっけか?確かにそれは惜しいな。今出回ってるアイテムは殆んど☆1とか2で、βからの引き継ぎ特典も☆3までなんだぜ?」
良いものだとは思っていたけどまさかβ特典より上だとは……。元々するつもりもなかったがキャラデリは絶対なしだな。そういえば消費アイテムも3種類貰えたんだった。家に帰ったらまずはどんなアイテムかの確認からだな。
……まだ1限目どころかホームルームすら始まってないんだけどな!