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千里の道も一歩から

 はい、回想終わり。とりあえず木が生えてない所から終わらせることにした俺はひたすら草を引っこ抜き、石を拾い、土を踏み固めるのであったとさ!

 あ"ー……。まだ作業始めて1時間も経ってないのかよ。小学生の頃爺ちゃん家の畑仕事を手伝わされた時と同じ気分だ。遊ばせろ!この一言につきる。いや、今まさにゲームで遊んでるんだったな……。

 なんかもっと楽に終わらせる方法はないものだろうか?案外手持ちのスキルで色々試してみれば何か画期的な方法が見つかるかもしれない。よし、レッツチャレンジ!



 その1!のっけから大本命の生活魔法だ。決闘で奇襲の役に立ったり、マッディウォーターゴーレムを仕留めることもできる生活魔法さんならきっと俺に楽をさせてくれる筈!


「いくぜ!クリエイトウォーター!」


 心なしか草花が元気になったように見える。ダメじゃん。考えなくてもわかるじゃんこれくらい。うぇ、しかも足元が泥々になってしまった。くそ、次を試そう。


「クリーン!」


 ちょっと埃っぽさが減った気がする。……クリエイトウォーターで土埃が抑制されたからかもしれないな。次!


「エンチャントホット!」


 こいつは冷めたスープを一瞬で熱々にしてくれる魔法だ!でも当然効果はないな。次!


「シードファイア!」


 薪に火をつける時に便利だ。あ!?予想より燃え広がってる!火事はまずいって!こういう時こそクリエイトウォーターだ!ふぅ、あっぶねー。次!


「ルミナス!」


 手元を照らせる。……暗くなったら使おう。次!


「オイルコート!」


 フライパンに薄く油が敷かれて超便利。シードファイアの前に使わなくて本当によかった。そしてやっぱり効果無し。


「バカな、全滅だと……!?これさえ使えれば何処でもサバイバル生活ができるんじゃなかったのか!」


 いや、落ち着け俺。サバイバル生活は十分にできるじゃないか。開拓や整地に使おうとするから役立たずに思えちゃうだけだ。生活魔法さんは依然優秀であることに変わり無い。



 その2、てかラスト!原理不明の手品なら行ける気がする。ゴーレムのコアだって簡単に抜き取り、他のプレイヤーの服まで瞬時に変更できる手品さんならなんとかしてくれるに決まってる!


「適当な布を草に被せて、次に布を除けると!」


 なんと言うことでしょう。布の下にあった草が一瞬にして消滅しましたよ!うはは!これは行けるんじゃないか!?ん?今何か視界の隅で揺れたような……?

 振り向くと、そこには整地した筈の地面に力強く生える草が。ダメじゃん!しかもせっかく均した場所に移動したからまたやり直しだし!

 ハァ……。結局地道にやるのが一番早いのか。楽をするのは諦めて、リジェネスライム時よろしくコツコツと開拓者のレベルを上げよう。





 更に2時間程作業を続けていると、ライト達が到着した。


「何でそんなクエスト受けてんだよ!?せっかく迎えに来たのに無駄足じゃねーかよ……」

「報酬が魅力的すぎたからなぁ。ホームだぜホーム!そりゃ掘り出し物だと思って飛びついちゃうだろ」

「ホームですかぁ。確かに私もクエスト受けちゃうかもしれません」

「ほら!ティナだってこう言ってるし俺は悪くねぇ!」

「いっそ清々しい開き直りっぷりね。けど確かにホームは魅力的よね。私達の場合、豪華な宝箱(LL)とダンジョンコアが使えるって言う大きなメリットがあるもの」


 ダンジョンコア?あぁ、あったなそんなの。そう言えば鍋の代わりに貰った錬金の大鍋なんてのも持ってたっけ。後で性能確認しないとな。


「あたしらも手伝えたらよかったんすけどねー」

「それな。まさかパーティプレイまで縛ってくるとかおもわないじゃんな?見ろよこの広さ……奥の森まで範囲なんだぜ!?」

「あー、確かにβの時はそこら辺も街だったしな。ラスイベで潰れちゃったかぁ……」

「アドベントがスタート地点になったのって、この影響だったりするんですかね?」

「どうかしら?ファースでは1万人のプレイヤーなんて受け入れられなかったでしょうし、どのみちアドベントからのスタートになったんじゃない?」


 ゲームの背景を考察しだしたリリィ達を眺めているとフィーネに袖をちょいちょいと引っ張られた。


「ライ、そろそろ休憩するべき。どれだけ急いでもこの範囲を終わらせるのは不可能」

「フィーネ、お前腹減ってるだけだろ?」

「当たり。ライ、ご飯作って」

「悪いな。食材系のアイテム全部鳥達に食われちゃったから今手持ちがないんだわ」

「そん、な……」

「そこまで打ちひしがれなくてもいいだろ?あー、引っこ抜いた雑草鑑定すればリャパリャパとかあるかもしれないな。スパイスも今から作ることになるし前に作ったやつより味は落ちるぞ?」

「さすがライ。愛してる」

「はっはっは!本気にしちゃうぞぉ?」

「訂正、そこそこいい感じ」

「そこそこ……」





 即席リャパリャパ炒めを全員分サクッと作って休憩することにした。雛達に作る感覚でかなりの量になってしまった。しかも大量生産も無意識に使ったせいで更に倍量だ。それなのにきっちり皿が空になるのは何故だろうか?


「あー、食った食った!なぁライ。これ本当にそこで拾った物だけで作ってんのか?普通にめっちゃ美味かったぞ」

「おかしいな?スパイスの調合も割りと雑だったぞ。それでこの味になるってことは、島でのデスマーチで無駄に調理のレベル上がった影響か?」

「スキルレベルどれくらいになったんすか?」

「今が……58だな」

「ライ君、どんな修羅場を潜ってきたの……?βで有名だった料理系プレイヤーでも30ちょっとだった筈よ」

「なんやかんやあって弟子とかできちゃったからなぁ。あ、そうだリリィ。ふわふわ装備を着て撮影会をさせてくれ」


 クエストで行動が縛られる以上、今を逃せば撮影の機会は当分先になってしまう。そんなに俺は待てない!早くふわふわ装備に包まれたリリィのスレンダーボディを諸兄らにお届けしろ!と魂が叫ぶのだ。


「なんでいきなり撮影会なのよ!?」

「俺の目の保養の為と、完成した装備を見せる約束を果たす為かな。あとお代の変わりってことでよろしく!」

「おお、それいいっすね!あんなにふわもこで可愛いのにリリィってば皆の前では装備してくれないんすよ?」

「リリィ、観念してふわふわになるべき」

「なんで貴女達までなんで乗り気なのよ!」

「ごめんねリリィちゃん?でも私も装備してるとこ見たいなぁって思ってたの。だからお願い!」

「そんな、ティナまで。う、うぅ……ちょ、ちょっとだけよ?ちょっとだけならいいわ!でも絶対掲示板に載せたりしないって約束して!」

「OKOK、それくらいいくらでも約束しちゃうぜ!」






ついに次回は撮影会だ!フォルダいっぱいになるまでスクショしまくるぞォ!

長くなりそうだったので今回はここまで。

そろそろ毎日投稿するスタミナが切れそう。


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