ARドッジボール
ふむふむなるほど。(感想よみながら)
感想への返信は別にいらなかったのですね。
これまで通り後書きで疑問に答えられるようにしたいと思います。
文が分かりにくい、読みづらい等の意見は作者の力ではどうしようもないのでご了承下さい。
基本低スペックですまない……。
キーンコーンカーンコーン
ふぅ、ギリギリセーフ!なんとか遅刻せずに登校できたが眠すぎる。あのアホ鳥め、しれっと追加で獲物獲ってきてやがった。スキルフル稼働状態で料理してるのに終わりが訪れない訳だよ。
「ギリギリだったな悠。で、昨日あれから何があったんだ?」
「デカイ鳥に拐われて6時間程料理を作らされた」
「……お前、モンスターに拐われ過ぎじゃね?」
「まだたったの2回だぞ?言い過ぎだろ」
「1週間に2回も捕まってりゃ十分だって!」
そう言われるとその通りだが、俺だって好きでお持ち帰りされてる訳じゃないんだぞ?たまたまユニークモンスターが通りかかるのがいけないんだ。ユニークならユニークらしくもっとキツイ条件で出現しろって話だよな?
「ダイヤさんも心配してたから後で連絡しろよな?……ってフレンドコール使えないんだったな」
「へぇ、それで昨日は放置されてたのか。で、ダイヤさんて誰?」
「昨日のお姉さんだよ。お前のフレンドだろ?」
「……?ああ!プリティ・ダイヤモンドさんか!」
「はァ!?それってまさか……」
「いやー、あんな美人と知り合っていたとはな……記憶をなくす前の俺、グッジョブ!ん?どうかしたか光介?」
「い、いや?何でもないぞ?……プクク」
何をニヤニヤしてるんだこいつ?ふむ、今日の2限目の体育は確かARスポーツだったか?競技が何かは分からないが、イラッとしたので全力で潰しにいこう。
え?ARスポーツ知らないの?マジかー。そうだよな、俺ら未来に生きてるからな。簡単に説明すると超次元なサッカーだったりテニスのような何かを俺たちでも体感できる画期的なスポーツだ。あ、さすがにまだ死人は出てないぞ!
開発当初はエフェクトのみで行われるスポーツだったのだが、技術の進歩に伴い実際に球を打ったり蹴ったりする動作に合わせてエフェクトを処理できるようになった。そして更に技術は進化して、球に埋め込まれた制御チップによって動きまで再現できてしまうのだ!
そんな高価な物が学校にあるのはおかしい?俺もそう思う。けど何年か前に公立の学校全てに配備されちゃったんだから楽しまなきゃ損だよな!
「はい、皆さん揃ってますね?大変結構。他の授業もこれくらい真面目に受けるように。さて、本日は本田先生が出張のため私が授業を受け持つことになりました。確か予定ではARスポーツをやるんでしたね?先生スポーツのルールとかよく分からないので今日はドッジボールをしてもらいます」
数学の爺さんが来たからARスポーツは中止かと思ったが、ドッジボールか。いいね~。シンプルで実に分かりやすい。都合よく光介と別の赤チームになった。ふふ、光介よ。貴様に恨みはないが、これも俺のストレス解消の為だ。スターパニッシャーの餌食にしてくれようぞ!
「ウェーイ!」
「って外野かよ!」
「避けるの苦手だからな!先に外に出ておく、これも立派なさくせんだぜ?」
やられた!まさか初めから外にいることで俺の攻撃を無効化するとはな!だがまだチャンスはある。奴のチームを全員アウトにすれば光介も内野に戻らざるをえない。そこを狙ってスターパニッシャーで仕留める!問題はそれまで俺が生き残れるかってことだな。
ピーッ!
笛の合図と共に試合が始まった。ちっ、ジャンプボールは敵の手に渡ったか!
「ブフゥ!くらえーぃ!」
「なんのお!」
さすがは超重量級の肉体を誇る重石君だ。エフェクト無しでもエグいスピードでボールを投げてくる。だが当たらなければどうと言うこともない!
「かかったな!そのボール、まだ暴れるぜ?」
「何!?」
まさか初手からダブルフェイクだと!?重石君が投げたと見せかけて後ろからエフェクトを発動させるとは……流石全国のど自慢大会ベスト8の眼鏡だ。侮れん。今ので味方が2人もやられてしまったが、ボールはこちらの手に渡った。
「へっ!俺様にボールを渡したことを後悔するんだな!」
おお!番長!番長が味方だったのか!敵だと恐ろしいが味方ならこれほど頼もしい存在はいない!さぁ、やっちゃってくだせぇ!
「はい、線はみ出てるからアウト」
「なんだとぉーーー!?」
「番長ーーーッ!」
ちっ、今時番長なんてやってる時代錯誤な脳筋のせいでボールが敵の手に渡ってしまった。まさか敵ではなく味方を後悔させるとは思わなかったぞ。
「ははは!こうも一方的だと張り合いがないねぇ!」
「焦るなよ眼鏡くん、まだ勝負は始まったばかりだぜ?」
この強キャラ感。間違いない、奴はかつてボールの魔術士の異名で呼ばれていた天才児!まさか同じ高校に入学していようとはな……。小学生大玉転がし大会六連覇の実力、久しぶりに見せてもらおうか?
「アヒン!」
「なんでじゃーッ!?」
エフェクト無しのボールで一撃だと!?かつての天才はどこに消えてしまったのか!はっ、まさかサイズが合わなかったのか?もっと大きなボールじゃないと実力が発揮できないのか!?
「仲間に恵まれなかったな悠。ここから逆転するのは厳しいぜ?」
「黙れ光介!これくらい、ちょうどいいハンデだぜ。むしろ人が減ったおかげで動きやすいくらいだ」
「へー!そいつはスゲーや!でもいいのか?もうお前しか内野は残ってないぜ?」
「……え"」
振り返るとデルタヒュプノスで味方が全員アウトになる瞬間だった。しかもボールを自陣に跳ね返らせることで俺がキャッチしてセーフにすることも封じてやがる!
「残るは……君だけだね、悠二君?」
「ブフゥ……おでらの勝ちは決まったようなもんでぶ」
「ケヒャヒャ!男をいたぶる趣味はねぇからな。すぐにアウトにしてやるよぉ!」
「すまねぇ!すまねぇ!俺が線をよく見てなかったばっかりにこんな!うぅ……!」
「番長、君は悪くない。格好つけて普通にやられた僕が一番の戦犯さ。あれでチームの士気が下がってしまった」
「諦めるんじゃねぇ!まだ悠二が残ってるだろ!?あいつがボールを奪取してくれれば逆転だって出来るさ!そうだろ悠二!」
「はっ、いいぜ?俺が本当のドッジボールって奴をみせてやるよ……!」
「君たち、本当に楽しそうですね。今どき小学生でもここまで盛り上がりませんよ?」
大丈夫、俺ならやれる。兎達の突進に比べれば可愛いものだ。そう、避けるだけなら問題ない。どうキャッチするかが問題だ。
「ブフゥ!これで止めだぉ!」
「ちっ!ムーンドロップか!」
「残念、クレセントフォールです」
ぬおぉっ、あっぶねぇ!また眼鏡か!
「バカな!今のを避けるなんて!?」
「ゲヒャ!?人間業じゃねぇぜ……」
「悠のあの動き、ゲームの……?」
運よくギリギリで避ける事ができたが次もうまくいくとは思えない。やはりキャッチして外野にパスを繋げなくては。どうやら敵も今ので動揺してくれたらしいし、煽ってミスを誘えるか?
「はっはー!エフェクト使ってその程度かよ!そんなボールじゃ一生俺には当てられないぜ!?」
「ブフゥ!ブフゥ!強がりはやめるんだぉ!」
「待つんだ重石君!これは彼の罠……!投げてはいけない!」
「ブフゥ!!!」
キター!このARスポーツ、何も攻撃側だけがエフェクトを使える訳じゃない。ちゃんと守る方にも使える技はあるんだよ!
「レッドウォール!からの~、スターパニッシャーだオラァ!!」
「「「「ぐわーぁ!」」」」
「おっしゃ!見たか!これが本当のドッジボールだぜ!」
キーンコーンカーンコーン
「はい、では時間切れで勝者は内野の多い白チームです」
「そんなバカなァ!?」
あれ?今日ゲームしてなくね?
楽しかったからいっか!
何故かドッジボールしてました。
明日はちゃんとゲームの話を書ける筈……