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ドナドナ

短めです。

今回はライト君視点でスタートします。


―sideライト―


 おっかしいなぁ?狼と一緒にライのやつまで消滅してしまったぞ?お姉さんはパーティに入っていたし、魔法で死に戻りなんてするわけないんだが……ってライの名前がパーティから消えてる!?


「ど、どうしよう……私の魔法でライリーフくんがいなくなっちゃったわ!?」

「お姉さん落ち着いて!きっとバグか何かでライがパーティから抜けた状態になってたんだと思う。きっとアドベントに戻ってるだけだって!」

「ライト君、たぶんライリーフはアドベントにはいないと思うな……」

「えっ何でですか?」

「僕、見ちゃったんだ。魔法で空高く打ち上げられるライリーフの姿をさ。たぶんパーティから名前が消えたのは距離が離れすぎたからだと思う」

「はぁ!?距離が離れたって……パーティの強制離脱なんて1kmは離れないと起こらない筈じゃないですか!」

「飛んでったんだろうね、高度1000メートル以上に」

「あ、ありえねぇ……」

「私、魔法少女失格だわ……。大切な仲間をお星様に変えてしまうなんて!」

「いや?ダメージはないんだし生きてると思いますよ?ライの奴、自力で空中移動もできるから落下死することもないだろうし」

「そ、そうなの?ライリーフくんってすごいのね!私も魔法少女として空中でも戦えるようにならなくちゃ……」

「とりあえず自己紹介しないかい?お姉さんはライリーフの知り合いみたいだけど僕らとは初対面な訳だしさ」

「あ、確かにそうですね!俺はライトって言います!」

「僕はアルバス。で、貴女のお名前は?」

「私はダイヤよ。見ての通り魔法少女なの」


 ライの奴、人のことハーレム呼ばわりしてくる癖にちゃっかり自分でもこんな美人なお姉さんとフレンドになってるとは……。背が高く、中性的な顔つきで格好いいのに、ノリノリで魔法少女をしている姿はギャップ萌えポイントがかなり高い。

 何でこんな所に1人で、しかも狼の群れと戦闘なんてしていたのかを聞いてみた所、チェーンクエストの最中らしい。妖精の国から奪われた5つの宝玉を取り戻すストーリーなんだとか。最近この森で見たこともない大きな狼が出現するようになったと聞き、宝玉の力を利用したのではないかと調べているうちに群れに包囲されてしまって戦闘になったそうだ。


「うぇ!?最初は500体もいたんですか!」

「魔法に耐性がなかったみたいだからなんとかなったけど……皆が来てくれて助かったわ」

「結局最後はダイヤさんに頼ってましたけどね」

「僕にも範囲技があればもっと役にたてたんだけどなぁ」

「それより、ライリーフくんが今何処にいるか聞きましょう?無事だとしても見知らぬ場所でひとりぼっちなんて心細い筈だもの」

「そうですね。さすがにもう落ちてきてる頃でしょうし」


 とりあえず俺がフレンドコールしておこう。この中で一番付き合いが長いのは俺だしな。



「お、ライ無事か?」

『…ザッ……デカいザザッ……ザッ…れ…ザー………』

「……ライ?どうしたんだよ!?おい!」

『プツ』


……いったいライの身に何がおきてるんだ?







―sideライリーフ―


 全力で魔法少女してるお姉さんの一撃によって、骨に夢中でかぶりついていた狼達は一匹残らず消失した。誤算だったのは攻撃が足元から発動するタイプだったことだろう。通常であればダメージとして処理される筈の威力がパーティプレイの効果で軒並み衝撃へと変換された結果、俺は天翔天駆でも上がることの出来ないような高度まで吹き飛ばされている。


 わぁすごーい。お山よりもたかいよー。あ、あれがリブレスの街かな?ロンドン風の町並みなんだねー。……じゃねぇ!なんだこの威力は!?俺は空歩とか天翔天駆持ってるからいいけど他のプレイヤーだったら落下ダメージで確実に死に戻るぞ?魔法怖いわー。いや、そもそもダメージが無いからと言って積極的に仲間諸とも爆散させるプレイヤーなんていないか。


ピーヒョロロー!!


「ん?なんぞ!?」


 そろそろ落下が始まりそうな所で通りかかった鳥さんにキャッチされてしまった!ヤベーよこいつ、片足だけで俺よりデカイんだけど!?通常ではあり得ないようなこのサイズ、間違いなくモンスターだろう。鑑定通るかな……?


モンスター

不滅の大怪鳥・ヴィルゾーヴ Lv■■■


 oh……鑑定なんてしなきゃよかったかもしれない。最低でもレベル3桁ってなんだよ!?


「ちょ、ちょっと鳥さん?鳥さーん!?俺なんか食っても腹下すと思うからポイしちゃいましょう!もっと他にいいものがある筈だって!」

(ん?ほほう、珍しい物が飛んでいると思ったがモンスターと話せる人間だったとは。うむうむ、これは子供達も喜ぶに違いない。やはりたまの散歩は良いものだな。こうして面白い物が拾えることがあるから止められん)

「嫌だー!鳥葬なんて嫌だー!」

(ハハハ、実に活きが良い人間だ。どれ、弱ってしまわぬように急いで帰るとしよう)

「誰かぁ!ヘルプミーーーーーーッ!!」




こうして俺は再びモンスターに拐われたのだった。

どうしてこうなった……?



おまけ

モンスター紹介


・オークウルフ

モンスターじゃなくて木のオーク。

木目模様の体毛と、その強度から名前がつけられた。

体長は5メートル程。

体だけ大きくて何をやらせてもうまく出来ないとバカにされ続けた狼が、とあるプレイヤーを目撃し感銘を受けて進化したらしく、一応ユニークモンスターだったのだが何故か新種として登録されて数が増えた。

非常に高い物理耐性を持っていて、森に住む他のモンスターの攻撃をものともせず狩りを行う。

防御力を上げすぎた為かスピードとパワーが通常のウルフ種の半分程に落ちている。なのでバフを掛けられるように魔力を扱うすべを覚えた。

かなり頭の悪い進化を遂げたモンスターではあるが、その毛皮を使った防具はゲーム序盤では破格の性能を誇る。



・不滅の大怪鳥・ヴィルゾーヴ

見た目ダ○ナブレードっぽい鳥。片足で主人公を摘まめる程に大きい。

あらゆる天候をものともせず、悠々と空を飛ぶ姿は圧巻の一言。

遥か昔神々が争っていた時代、戦いに巻き込まれるも一切傷を負うこと無く普段通り飛びさっていったと言われている。




おまけその2

作者のコイントスが表だった場合の前話



主人公「ん?なんか聞こえね?」

ライト「お、ほんとだな。戦闘音って感じじゃなさそうだけど見にいってみるか?」

アルバス「わくわく」

……

…………

………………

狼さん(何故だ?何故我らの牙が通らない?先祖代々続けてきた研鑽は、全て無駄だったとでも言うのか……ウォーーーーーン!)

アイシャ「素敵!こんなにたくさんのワンちゃんに囲まれて、私はなんて幸せなのかしら!」

主人公「今すぐ帰ろう。あれに関わっちゃダメだ!」

ライト「えっ?助けねーの?」

アルバス「あれって襲われてるんじゃないのかい……?」

主人公「バカ!あれは趣味でやってんだよ!見つかったら俺達も強制モフモフパーティーにご招待だぞ!?俺はいいとしてもお前らのHPなんて即消滅だかんな」

ライト「あれが噂のアイシャさんだったか。おっぱいすげーな」

アルバス「ね、本当にすごいや。あれ?でも誰かを巻き込んだなんて話聞かないけど?」

主人公「俺が兎の巣穴でお仲間認定されたからな。きっと善意からご一緒しましょ?って笑顔で言ってくるに違いない」

アルバス&ライト「「お前が原因かよ!」」

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