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チュートリアルで詰んだかもしれ ない.1

やっとゲームスタートです!

 プロダクトコードも入力したしいよいよゲームの時間だ。今日は土曜日、水分補給も食事もトイレも済ませたしΩ様のタイマー機能もセットした。

 これならログインしっぱなしでも大丈夫だろう。

 時刻は10時48分、色々準備していたら1時間近くも出遅れてしまったがしかたがないだろう。それでは目を瞑り。


「ダイブイン……!」


 音声入力の後、Ω様の寝心地の良さもあってか自然に意識が現実(ここ)ではない何処かへと遠のいていく。

 目を開く、ここはもう『スプルド』の中(新たな世界)

だ。


《ようこそ、Spread World Onlineへ。あなたのお名前は?》


 黒と白で彩られた何もない空間に音声が響く。しまったな、名前とか特に考えてなかった。


「えーと、じゃあ『ユウ』で」

《その名前は既に使用されています他のお名前をお願いします》

「シンプル過ぎたか、なら二のほうから…『ツヴァイ』で」

《その名前は既に使用されています他のお名前を》

「名字のほうから『リーフ』」

《その名前は既に使用されています》

「くっ『プラント』」

《その名前は既に使用されています》

『ライス』

《その名前は既に使用されています》


 くっ、平凡な名前しか出てこない自分が恨めしい……!

 まさか出遅れた代償をこんなところで支払うはめになるとは思わなかった。

 別にいいじゃん、同じ名前だって。どうせゲームの中なんだしプレイスタイルで変な2つ名とかつけられたりして区別つくって絶対。


「長めの名前なら通るかなぁ」


 名前だけじゃなくて苗字もつければ長くなるし被りも少なくなるよな。

 苗字を名前に使って名前を苗字に使うか。字にすると中々ややこしいな。スラ……プリ……トイ……ライ、うん。ライリーフでいいか。

 次は苗字で……適当にエターナーで、いや字を継ぎ足してエイルターナーでいこう。

 ライリーフ・エイルターナー。

 これが通らなかったらとことんネタに走った名前でプレイしてやるからな!

「『ライリーフ・エイルターナー』」

《確認しました、ライリーフ・エイルターナー様ですね》


 おっしゃ!通った!妙な達成感があるがまだゲームは始まってすらいない。次は確か、種族選択だったか?


《あなたの望む姿を教えて下さい》


 お、あってたか。ここで種族とキャラメイクになる訳ね。


「人種っと」


 そうすると目の前にリアルの俺のデータ元にしたキャラクターが表示された。うーん、鏡でも見ているみたいだ。このままだと知り合いが見たら100%俺だとばれるだろう。格好いいキャラを作れってオーダーも出てるし弄っていくか。

えーと、身長はそのままで。髪は少し伸ばして色はネイビーブルーにする。肌の色は今の色と白人系の色の間くらいに変えて鼻を少し高くすればゲームの街にも自然に溶け込めるだろう。

 瞳の色は……銀色にしてみよう。よし、完成!なかなか格好いいんじゃないか?自分で使うとなると少し恥ずかしい気もするが男は度胸だ!これで決定!


《あなたの望む形を教えて下さい》


望む形、はステータスのことか、どれどれ?


HP 10

MP 10

STR 1

VIT 1

INT 1

MND 1

AGI 1

DEX 1

LUK 1

残り300ポイント


 お、はじめから300ポイントもステータスに振れるのか!これは悩む、悩むけどある程度戦えるようなステ振りにしよう。魔法は仕様がわからないから低めでいいとして、HPは高めにほしいかな。



HP 800

MP 100

STR 70 +69

VIT 75 +74

INT 10 +9

MND 34 +33

AGI 68 +67

DEX 40 +39

LUK 10 +9

残り0ポイント


 どうやらHPとMPは能力値の割り振り方で決まるらしい。なのでとりあえず全ての能力値を二桁にして、HPとMPをきりのいい所まで揃えたあとは物理寄りに割り振った。

 うん、特化には劣るだろうけど普通に楽しむにはこんな感じがちょうどいいんじゃないかな?決定!


《あなたの就きたい職業はどれですか?》


 次はジョブか。

 目の前には10種類のプレートが浮かんでいる。


〔戦士〕〔ランバージャック〕〔弓使い〕〔冒険者〕〔設計士〕〔ニート〕〔フードファイター〕〔マッチ売り〕〔釣り人〕〔アルバイト〕


 さっそく反応に困るものがいくつか出てきた。光介の言っていた通りかなりの職種がありそうだ。


「表示されたものの中からしか選べないのか?」


 疑問がつい口に出てしまった。


《職業を再抽選しますか?》

「うぉっ会話できたのかよ!」

《もちろんです。我々はプレイヤーのサポート目的としたナビゲートAIですから》

「ならもうちょっと分かりやすくサポートしてくれたってよかったんじゃ…」

《我々は何千人もの相手をしなければならないのです。問われない限り答えないようにしていれば気づかずにそのままやり過ごせることもある、その方が楽だ、と学習した結果です。》

「なんとなく言葉の響きから自信ありそうな気配を感じるけど、それって職務怠慢で後で怒られたりするんじゃないか?」

《問題ありません、GMの許可は得ています》


 それでいいのかGM?


「まぁいいや、再抽選ってことはここでしか出ないようなジョブもあるのか?」

《原則として一部ユニークジョブを除いた全てのジョブはゲート内での行動で取得可能です。また、ここでの抽選でユニークジョブは出現しません》

「つまりわりかし取るのが難しいジョブが出ることもある訳か」

《職業を再抽選しますか?》

「んーそうだな、1回再抽選してくれ」


 目の前に並んでいたプレートが消え去り、新しく10種類のプレートが現れた。


「今度のは〔ジャグラー〕〔笛吹〕〔大工〕〔剣士〕〔バンドマン〕〔歯医者〕〔魔術使い〕〔フリーター〕〔花屋〕〔戦士〕か〔戦士〕が被ったのは出やすいからか?」

《〔戦士〕〔弓使い〕〔剣士〕〔魔術使い〕は基本職に属するので何度抽選してもどれかが必ず出現するようになっています》


 てことは俺の2回の職業表示は割とハズレみたいだな。基本職が多いし。


「いっそのことランダムとかできたりする?」

《可能ですが種族、ステータスもランダムになってしまいます。よろしいですか?》

「げっマジか。そこまでランダムになるってことは何かメリットでもあるの?」

《レアな種族、レアな職業が出やすく通常のステータスに加えて最大で300ポイント分のボーナスポイントが振り分けられます》


 えっ!?自分で選べないとは言え運がよければ倍のステータスでスタートできるってかなり凄いんじゃないか!?


《ですが我々はランダムをオススメしません》

「どうしてだ?プレイヤー的にかはなり嬉しいメリットなんだが」

《キャラクターのランダム作成は何度でもリテイクが可能です》

「それも良いことなんじゃないか?」

《いいえ、あなた達はランダム作成を開始したが最後、よりいい結果を求めてリテイクを続けるでしょう》

「あーそれはあるかもな。さっきの結果で妥協しとけば、とかここまで来たら最高のを!みたいな」

《はい、その通りです。現にランダム作成を開始したプレイヤーの8割が未だにリテイクを繰り返しています。これは悲しいことです。》

「長いやつだと1時間も続けてるのか、業が深いな」


 んー、そうは言ってもランダム作成は魅力的だ。しかし途中で切り上げて先に進むためには相応の精神力が必要になる。

 悩む、非常に悩ましい……。



…………。

「決めた、一発勝負だ。ランダム作成をしてくれ!」

《……本当によろしいのですか?》

「男に二言はない、やってくれ」

《畏まりました。……それではキャラクターのランダム作成を開始いたします。なお、種族が変更された場合は現在の見た目を基準に種族毎の特徴を追加いたします。……キャラクター能力の抽選をスタート、完了しました。これよりチュートリアル空間に移行します》


 どんな結果になってもこれでスタートだ。どんな片寄ったステータスになったとしても、どんなマイナーなジョブになったとしても受け入れて攻略を目指そうじゃないか!

 どうせ懸賞で当てたゲームなんだし気負うことはない。さぁ結果を見せてもらおうか!





name ライリーフ・エイルターナー

種族 人種

ジョブ 研究者

ステータス

HP 10

MP 160

STR 3

VIT 1

INT 9

MND 8

AGI 7

DEX 12

LUK 564


スキル【解体】【採取】【採掘】【】【】


装備

初心者のナイフ

初心者の上着

初心者のズボン

初心者の靴






うーん、これは酷い。

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― 新着の感想 ―
あまりにもwwwwwwwwwwwwwwwwww
[一言] 結果はわかっていたけど、余りの酷さに吹いたww
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