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豪華な宝箱

()内の言葉は主人公にしか聞こえてません

「じゃあライ、予定通り開けてくれ!」

「本当にいいのか?せっかく見つけた宝箱なのに」

「当然!700オーバーのLUKの補正とか超見たいじゃんか!」

「隠し部屋見つけたのもライリーフさんですしね」

「それに私達は何度かダンジョンに来て宝箱を開けているもの」

「開ける瞬間を一緒に見てるだけでテンション上がるっすからね!」

「良いアイテムが出なくても平気平気」


 そう言う事なら仕方ないな。責任を持って開けようじゃないの。初宝箱開封だ!いやーテンション上がりますわー。拾ったアイテムでも☆6とかあったし、宝箱からはさぞ良いものが手に入ることだろう。正直うっきうきである。超楽しいなダンジョン!


(クックック、期待に胸を膨らませちゃってまぁ。その顔が絶望と怒りに染まる瞬間が楽しみですネェ?)


 宝箱へと向かう足がピタリと止まった。おい、嘘だろ?せっかく見つけた隠し部屋からミミックだと!?宝箱を3つ並べて、その内の1つか2つがミミックなら分かる。1つしかないのにフェイクとか舐めんなよ!俺の胸の高鳴りを返せ!


(おや?私をミミックだと疑っているんですかネェ?ですがあんな初心者装備のニュービーに見破られるほど私の偽装レベルは低くありませんし……ああ!私の美しい装飾に感動して固まってしまったんですネェ!分かりますとも、私の装飾は他のミミックなぞとは比べ物にならない完成度を誇っていますからネェ。相手が国宝級の宝箱であったとしても私の方が美しいに決まっている!そう、その通り。むしろ感謝すべきなのです、私という完璧な芸術に出会えたことに!さぁ、気後れ等取っ払って私を開けなさい!その時こそ、私は更なる美しさで感動的な死を奏でることができるのだからネェ!)

「どうしたライ?開けねーの?」

「各員戦闘準備!この腐れミミックに最大火力を叩き込め!!」

「えっミミックなんすか!?」

「看破持ってるけど分からなかった」

「私の生物感知にも反応ありませんでした」

「とりあえずライの言うとおりにしようぜ?本物の宝箱だったとしても次探せばいいしな!」

(ば、バカな!何故私の完璧でエレガントかつビューティフルな偽装が見破られたのかネェ!?)

「たしかミミックは最初の攻撃のダメージは入らないんだったか?全員のスキルなりアーツなりの準備できたら言ってくれ。俺が石投げて無効剥がすから」

「おっけー、準備完了ー」

「俺もいつでも行けるぜ!」

「バフ掛けるのでちょっと待ってくださーい!」

「ちょっと、攻撃の順番を決めなきゃダメでしょ?まず私とフィーネが魔法を撃ち込むわ。その後にライト、ルルの順番ね。仕留めきれなかったらライ君とティナも攻撃に加わってちょうだい」

「おうさ!」

「はい!バフ掛け終わりましたぁ!」

「私も詠唱終わったわよ」

(な、なんて野蛮な連中なのかネェ!この芸術そのものである私に攻撃だと!?なんとか逃げ出して、ってノー!一度触られないと動けないんだたネェ!!)

「うっしやるぞ!」


 俺の投げた石が当たった瞬間、ミミックは逃走を試みたようだ。しかし身体が外に出てくるよりも早くリリィとフィーネの魔法が炸裂した。余りの威力にミミックは宙を舞い、そこに急かさずライトの放ったフレイムスラッシュが命中。まだ終わりじゃないぞ?衝撃で壁に激突し外骨格が歪んだミミックはまだ生きていた。なのでルルの拳を叩き込まれることに。轟音と共に壁にめり込みもはや虫の息だ。いやはや頑丈なもんだね。くらくらしながらゆっくりと目が外に出て来たが……。うわー、容赦ねぇや。ティナの矢が寸分違わず両目を穿つ。それでもまだ生きているとは驚きの生命力だ。せっかくなんで止めいただきますねーっと!


(あぁ、私の美しさが罪だと言うのかネェ……)


 いい感じにクリティカルが出たのでしっかり止めをさせた。ミミックよ、お前の犯した罪はそこじゃない。中身にお宝詰めて来なかったことだ。俺のわくわくを奪った罪は非常に重いと知れ!




「ライ、称号増えてるぞ!あれレアモンスターだったんだよ!」

「わー!私、討伐系の称号初めてです!」

「さすがね、ミミックとは言えいきなりレアを引き当てるなんて」

「アイテムも良い感じ。ぐっじょぶ」


 どうやらレアモンスターだったらしい。それであんなにタフだったのか。どれ、俺も称号とアイテムを確認してみよう。



称号

【箱の中の思い出】

ゴージャスミミックを討伐した証

効果

デスペナルティ時、宝箱に収納したアイテムと宝箱はロストの対象外になる


アイテム

豪華な宝箱(LL) ☆☆☆☆☆

豪華な装飾の施されたとても大きな宝箱

ホームエリアに設置することができる

不思議な魔法が掛かっていて見た目より多くの物が仕舞える

※※※注意※※※

このアイテムは中に物を入れた状態でストレージに仕舞うことはできません!



 おお、いいじゃんか!俺の種族レベルは3になったので、デスペナのアイテムロストが適用される。なかなか死に戻りしないとは言え、この効果は有難い。少し残念なのはドロップした宝箱がホームを持っていないと使えないって所か。これはやることリストに宝箱とホーム購入を追加しなくてはならないな。


「良いですね!称号効果とドロップアイテムの組み合わせでストレージにだいぶ余裕ができますよぉ」

「そこまで余裕できるか?大きさ的に宝箱に入らない物だって多いだろ」

「多分サイズが違うんじゃないかしら?私のは『豪華な宝箱(M)』だったわよ」

「私も同じ」

「あたしはSって書いてあるっす!」

「私はLでした!」

「げっ、俺のSSだぞ?ついてねぇ!ライはどうだった?」

「LLだった。けどホームないと使えないっぽいぞ」

「ふふ、それはまた運が良いのか悪いのか判断に困るわね」

「なんにせよ1つ目から幸先いいじゃんか!この調子で次はアイテム狙おうぜ!」





俺達は暫く宝箱を探して回った。ボス部屋以外は全部見た筈だ。隠し部屋も更に2つ見つけて、発見した宝箱の数は全部で8個。中々の数を見つけられたんじゃないかな?

……それなのによぉ!


「あっはははは!なんで全部ミミックなんだよ!」

「凄い確率ね。全部ゴージャスミミックだったわよ?」

「普通のミミックと違って、倒す度に確定で宝箱落としてくれるからまだいいんですけどね?」

「ちくしょう!なんで俺だけ全部LLなんだ!?」

「私のLと交換する?」

「あ、あたしも交換して欲しいっす!L無いんでMで!」


 結局皆と1つずつLLを交換して俺の豪華な宝箱の内訳はLL3つ、L3つ、M2つになった。本当にパーティ組んでて良かったわ。ソロだったらホームが手に入るまでストレージを圧迫し続けるゴミになり果てるところだったぞ。





さて、お宝集めの次はマッドゴーレム戦だ。

サクッと倒して本当のボスとやらに挑んでやろうじゃないの!

読んでくれている方、お気に入りやブックマークをしてくれている方、コンメトをくださる方。

いつも応援有難う御座います。

作者が本作を書き始めたのは、実はゲームの課金を控える為って理由だったりするのです。

でも無理ですね!来週辺り絶対に課金してしまいます。全てイベントが悪いんや……。


それはそれとして前話の補足情報

主人公が隠し部屋等を発見できたのは、LUKによる判定もあるのですがメインはスキルです。

他のプレイヤーと違って、主人公はスキル枠に限りがないので獲得したスキル全てを使えます。

関係するスキルの相乗効果でギリギリ見つけたって感じです。

低いステータスしてるのにモンスターにダメージが通るのも同じ理由です。


おまけ

・ミミックについて


ミミックは自身を宝箱に偽装して、喜び勇んでやってきたプレイヤーを頭からパックンチョします。また、偽装中はどんな攻撃でも一度だけ無効にできます。

パックンチョが避けられると魔法による攻撃にシフトします。


・ゴージャスミミックについて

ミミックのレアモンスターです。

ゴージャスミミックは滅茶苦茶豪華な宝箱の見た目をしています。

宝石が至る所に散りばめられているためか、通常種よりVITとINTが高くなっています。

強化された魔法により自力で移動することに成功した個体もいるとか。

倒すと称号【箱の中の思い出】をゲットできます。

ドロップアイテムはサイズ違いの豪華な宝箱が1つ確定で落ちるようになっています。

確率としてはS~LLはサイズが大きくなる程ドロップし難くなっていて、SSがハズレ枠としてLと同じドロップ率になっています。

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