楽しいダンジョン探索
気絶してしまった髑髏君をサクッと討伐して、俺達はダンジョンの奥へと進んで行く。髑髏君は『放心のスカルフェイス』なるアイテムをドロップしてくれたのだが、これって普段からドロップすんの?明らかにさっきのやり取りの結果作られてね?
装備
放心のスカルフェイス ☆☆☆
DEF+30 MND-10 耐久値200/200
ヘイト上昇 獲得経験値上昇・微
ふとしたきっかけで全てを失った髑髏の末路
下顎は驚き過ぎて外れた
骨なのに間抜けな表情をしている
そこそこ良いものなのがまたなんとも……。せっかくだから着けてあげようじゃないか。驚くことに、これ一つで初心者装備の合計DEFを上回るのだ。装備って大事だね!
「なるほどなぁ。ダンジョンは入る度にリセットされるし、宝箱のアイテム目当てな訳だからみんなさっさと転移するわな」
「でもマッドゴーレムもそこそこ強かったですよね?それが中ボスってことは本当のボスってエリアボス並みに強いんじゃないですか?」
「あり得るわね。今回はライ君と一緒に軽くダンジョンを探索するだけのつもりだったし、挑むとしたら回復アイテムが足りなくなるんじゃないかしら?」
「でも一番乗りはしてみたいっすよね!エリアボスは結局アルバスさんに先越されちゃったっすもんねー」
「アルバスさんて?」
「すごい強いソロプレイヤー。ボス相手でも毎回ソロで挑んでるらしい」
「ちょっと前に次の街への街道が解放されたのは知ってますか?その街道を封鎖していたモンスターがエリアボスで、それを1人で倒してしまったんです」
「あたしらも装備整えて挑もうと思ってたんすけどねー」
ライト達も十分に強いと思ったのだが、上には上がいるものだ。ボスモンスターのソロ討伐なんて戦闘民族かよ。ん?俺もユニークソロで倒してるだろって?確かにボス兎は強かったけど、対人特化の兎だったしなぁ。街の交流止めちゃうような災害とは比較にならないっしょ。俺の貧弱なステータスでも倒せた辺り、運営が手を入れたボスモンスター達と比べると弱かったんじゃないかな。今後アレより強いモンスターばかりだと思うと気が遠くなる。しかし打倒戦神の為だ。いつかは超絶ボスラッシュをソロで乗りきれるくらいの実力をつけなきゃな。
「いやー便利だわこの仮面」
「モンスターが面白いくらいにライリーフさんに集まってましたね」
「あっはははは!悪口でもヘイトって稼げるんだな!」
「ナイスタンク。かなり楽だった」
「あれだけ攻撃受けて感想が便利って……」
「凄いっすね!モンスターの攻撃ガン無視で煽り続けるとかパないっす!」
宝箱を探す道中、俺を交えての戦闘は意外にも上手くいった。慣れとは恐ろしいもので、兎達の攻撃を受け続けた俺にとってダンジョンのモンスターの攻撃は余裕で無視できるレベルの痛みだったのだ。なので俺はモンスター達を煽りまくった。仮面装備の効果もあってこれがかなり効果的。キレたモンスターが俺に殺到した。中には俺に向かって来ない奴もいたけど、手加減を乗せた投石を食らわせてプギャーしてやるときちんとこちらに向かってきてくれる。俺に釘付けになってるモンスター達を他のみんなが高威力のスキルやアーツで殲滅で終了だ。パーティ組んでるとフレンドリーファイヤが起きても衝撃だけで痛みがないのも助かったぜ。明らかに仲間からの攻撃のほうが痛そうだったからな。おかげで俺的いつか言ってみたい台詞ランキング上位の、俺ごとやれ!を言えたので満足ですわ。
お、あのうっすら光ってる壁って採掘ポイントじゃん。相変わらず分かりにくい光方してんなぁ。洞窟のなかじゃなかったら気がつかないぞ?
「すまん、ちょっと採掘していいか?」
「いいですけど、採掘ポイントなんて見あたりませんよ?」
「そこの壁がそうみたいなんだ。本当このゲームの採取ポイントだったり採掘ポイントってのは分かり難いよな」
「え?キラキラ光って見えるからむしろすぐに分かると思うんだけど……」
「ん?近くで見て漸く薄ぼんやり光ってるように見えるとかでなく?」
「おう、キラッキラだぜ?」
なんてこったい。俺はまだちゃんとしたポイントでアイテム採ったことなかったみたいだ。でもこの光方でもアイテムが採れるのは確認済みだしいいだろう。見つけ難いから前回のマンドラゴラなんて物が採れたのかもしれないな。
「初めて知ったわ。でもとりあえず掘ってみるな。多分レア物ゲットできると思うし」
「お?やけに自信ありげだな」
「単純に俺のLUKだから採れたんだと思ってたんだけど、今の話的に隠しスポット的な物を見つけられたんだと思う。大丈夫、今回は鉱物だろうし死に戻ったりしない筈!」
「アイテム採取だけでどうやったら死に戻れるの?」
「採るときに即死撒き散らしてくるアイテムがあってだな……」
「お前はいったいどんなチュートリアルをしてきたんだよ!?」
カン!カン!カン!
……………。
よし、死に戻りは無しだな。ツルハシは加工道具一式揃えてるときに一緒に買っておいたものだ。他にも採取用のアイテムも纏めて買ってある。使いたい時にわざわざ買いに戻らなくて済むようにと思ったのだが、いささか買いすぎた感があるな。
「そのままストレージに送られる辺り、本当に採掘ポイントだったのね」
「どうだった?」
「今確認するから待ってくれ」
「なんかわくわくするっすね!」
アイテム
魔力結晶 ☆☆
魔力が物質化してできた結晶
ダンジョン内で見つかることが多い
ダンジョンメタル ☆☆☆
ダンジョン内で見つかることがある謎の金属
周囲の魔力を微量ながら吸収している
純魔結晶 ☆☆☆☆☆
一切不純物の混じっていない魔力結晶
ダンジョン内で稀に見つかることがある
かなり貴重で宝石としての価値も高い
「なかなかいい感じだったわ」
「☆5のアイテムだぞ?その反応おかしくね!?」
「同じレアリティのアイテム自分で作れるんだから、ライの反応が薄いのは当然」
「バレてる!?」
なんでだ?☆☆☆☆☆スパイスは売り出さなかった筈。それなのにどうしてフィーネにそれが分かったんだろうか?戦闘職だし高位の鑑定スキルを持ってるとも思えないんだが……。
「掲示板に載ってたよ。許可出したんじゃないの?」
「掲示板……あ。」
ああ、あいつか。スクショ撮りたいからあーんしてくれとか言ってたやつ。確かに許可出したわ。でも俺のが写ってるスクショとリャパリャパ炒めを載せる許可だぞ?スパイスは買っていかなかったから間違えて売ったってことはない。
「確かに1人いたな。でもなんでそこから俺が☆5アイテム作れるに繋がるんだ?」
「これ。読んでみて」
フィーネがメニューから掲示板を開き俺に見せてきた。へー。食スレなんてのもあるんだな。余裕が出てきたら俺も食い歩きとかしてみたい。ってなんだと!?俺のリャパリャパ炒めが★5判定受けてるじゃないのさ!スパイス隠した意味ないじゃんか!俺のマヌケ!
リャパリャパ炒めは作り次第売るか食べるかしてたから、アイテムだって認識もなく鑑定なんて掛けてなかった。アイテムなんて出回っていて☆☆☆くらいって時に☆5のアイテムなんて出してしまえば行列にだってなるわな。周りの屋台が串焼き5本で300コルとかだったから、それに合わせて値段を決めたつもりだったのだが裏目に出てしまったか。
おもいっきり顔晒しちゃったけどどうすれば……って今は仮面着けてるから平気か。クックック、こんなマヌケ面した髑髏の仮面が★5アイテム作れるとは誰も思うまい。念のため初心者装備から新装備に更新も済ませれば、そうそうバレることもないだろう。幸い暫く屋台を出す気もなかったからな。このダンジョンを出る頃には料理人もMasterになってるだろうし、次はギャンブラー育てたい。うん、問題ないな!
「フィーネ、教えてくれてサンキューな。知らずにうろうろしてたらヤバかったわ」
「ん。面倒に捲き込まれて辞められたら困る」
「フィーネは本当にリャパリャパ炒め気に入ったのな」
「……?一緒に遊ぶの楽しいからだよ?」
「………ッ!!」
キュン死にするかと思ったぞ!?なんだこの可愛い生物は!小悪魔め、俺をロリスキーに変えるつもりか?自然な会話の流れでなんて破壊力だ。これが二人っきりだったなら完全にやられていたぞ!
「大丈夫っすよ!実はフィーネってJKなんす!」
「合法、だと!?」
「いえーす。ガチ恋してもいいんだぜ?ばきゅーん」
「ぐふっ!」
「もー!2人共ライリーフさんで遊ばないの!」
「リアクションが大きいから楽しい」
「ティナも混ざりたいんすか?素直じゃないっすねぇ!」
「ち、違うもん!」
「遊んでないで先に進むわよ?まだ1つも宝箱見つかってないんだから!」
「ライ!ダンジョン出たらそのリャパリャパ炒め、だっけ?俺にも食わせてくれよな!」
俺の反応はどうやら茶番劇として流されたようだ。ライトから普段のやり取りを聞いていたらしい。あっぶねー。でもちょっと残念とか思ってる俺もいたりするのです。フィーネガチ恋勢になってしまおうか?そんな事を考えていると壁に違和感を感じた。
「お、これ隠し部屋っぽいぞ!」
「でかしたライ!」
「キター!漸くお宝っすね!」
「まだそうと決まった訳じゃないでしょ?モンスターハウスかもしれないし慎重に行くわよ」
「ぶー。リリィノリわるーい」
「リリィちゃんはさっき可愛い装備貰ったから、デスペナで無くしたくないんだよね?」
「そ、ソンナコトナイワ」
「あげてないぞ。一式揃ったら代金請求するからな。アイテム払いでも可」
「勢いよく押し付けてきたくせに……」
「まぁまぁ。キックラビットの素材しか使われてない初心者装備並みに弱い装備だし、一式揃って5000コルくらいでいいからさ」
「それだと安すぎるんだけど……」
「いいから早く入ろうぜ!お宝が俺達を待っている!」
「壁壊せばいいんすかね?おもいっきり殴ってみるっす!」
「今誰もシーフ系のジョブじゃないからしゃーないよな!いくぜ、ヒートタックル!」
「あたしもやるっすよ、チャージナックル!」
「あー!二人ともダメだよぉ!」
「インパクトランス」
「もー!フィーネまで!」
このパーティ割りと脳筋だわ。最終的に止めてた筈のティナまで加わって全員で壁を攻撃してた。俺はアーツがないから見学だ。5分程経ったろうか?ついに壁が崩れて隠し部屋が姿を表した。中には洞窟に似合わない派手な装飾の施された宝箱が1つ置かれていた。
ついにお宝発見だぜ!
おまけ
四人を色々比べてみた
Height
ルル>リリィ>ティナ>フィーネ
Bust
ティナ>ルル>フィーネ≧リリィ
Age
リリィ≧フィーネ>ルル>ティナ