知らない方が幸せなこともある
そういえば、タグにギャグとかコメディとかつけてませんでしたね。
思い立ったが吉日とばかりに追加しました。
ここまで読み進めてくれた方の中に、もし真面目な話を期待して読んでくださっている方がいましたら誠に申し訳ありません。
ふわふわシリーズは呪われていたのか?ストレージに封印した筈なのにとんでもない漢女を引き寄せてしまった!
「私にはわかるの。女の感ってやつね。そのアイテムはあなたに装備されるのを待っている、そう感じるわぁ」
「勘弁してください、俺がアレを装備したらただの変態だ!」
「大丈夫。最初の一歩は誰だって躊躇ってしまうもの、踏み出すことさえ出来たなら素敵な世界が待っているんだからん!」
「それ踏み外すの間違いでは!?」
華麗なるネゴシエイトの結果、ふわふわシリーズをストレージから晒すはめになってしまった。だがなんとか装備するのは避けられたからよしとしよう。無駄に抵抗を続けていちゃもん君と同じ目に遭うのはゴメンだからな!
「まあステキィ!なんてカワイイデザインなのかしらァん!!」
「は、はは。どうも……」
「でも、ごめんなさいね?私の勘、外れていたわぁ。この子達はまだ未完成だったのねぇ。あなたに装備して欲しいんじゃなくて、他の部位も作って欲しかったみたい。オーラの色が似ていたから間違えちゃったわん」
「そ、そうでしたか」
俺が装備しなくていいのなら問題無い。ちゃちゃっと一式装備を完成させて売り払おう。手元にあるとこの人をまた召喚しそうで恐いしな。
「私の名前はプリティ・ダイヤモンドって言うの。良かったらフレンドになりましょう?」
「え"」
「あなたの作る装備が気に入っちゃったのよぉ。いつか時間のある時でいいから私の魔法少女の衣装を作って、ね?」
「コヒュ……」
喉から変な音が出た。本人的には可愛らしく上目遣いしたつもりなのだろう。前屈みで目線を合わせられた俺は本気で喰われるかと思った。ここがゲームじゃなかったら確実に漏らしていたね。
「どお?ダメかしらぁん?」
「よ、よろこんで……」
「いやぁん!ありがとねぇん!」
気がつくと見知らぬ部屋にいた。キョロキョロと辺りを見回していると人が入ってきた。その人が言うにはここは病院のようなところらしい。何でも俺は昼間気絶してしまって運び込まれたのだとか。気絶するような事をした覚えはないのだが、何があったんだろう?思い出せるのは屋台で忙しく金儲けしていたことくらい。働き過ぎて倒れた?違うな。確か俺に文句を言ってきたプレイヤーがいて、それから……。ぐっ、思い出せない。いったい俺に何がおきたんだ……?
ピピッピピッ
ん?フレンドコール?誰からだろ。
「よお。ゆーじゃなくてライリーフ。長いからライでいいよな。そろそろチュートリアル終わったか?」
「なんだ光介か。昨日のうちに終わらせて今日は金儲けしてた」
「ライトな、ラ・イ・ト!俺が言い直したの聞いてたろうが」
「次から気をつけよう。で、何か用?」
「これから俺らのパーティでダンジョン行くんだけどさ、一緒に行かね?お前のLUKでお宝根こそぎもって帰ろうぜ!」
「ダンジョンか、イイねぇ。待ち合わせは何処にする?」
「一本杉ってわかる?今その根本で休憩してんだけどさ」
「たしか東門から見えるやつだっけ?いいぞ。今から行くわ」
「待ってるぜぃ!」
ダンジョンか。お宝ザックザクで大勝利ぃ!で終わるといいんだけどな。俺のLUKは余計な物まで引っ張ってくるからいまいち信用しきれない。けど今回は光介のパーティメンバーも一緒だし、あっさり切り抜けることができる筈だ。なんせβテスターだもんな!ん?いつの間にかメールが届いてるな。伝え忘れでもあったのか?
from:プリティ・ダイヤモンド
to:ライリーフ・エイルターナー
さっきはゴメンね?
ライリーフくんが私のお洋服作ってくれるって言うから、嬉しくてついはしゃいじゃったの(*/ω\*)
ふわふわシリーズの完成の後でいいから楽しみにしてるね?(*≧∀≦*)
なん、だと……?いったい気絶前の俺は何をしたんだ!明らかにこれは女子からのメール!鉄壁(物理)を誇る変態もふリスト以外から送られて来るなんて、気絶前の俺はどんなマジックを使ったんだ?俺にも教えろ!……しかし妙だな?このメールを見た瞬間から震えが止まらない。全身ガクブルしちゃうほど歓喜に打ち震えているのか俺よ?そこまで飢えていた覚えはないのだが、不思議なこともあるもんだ。ふわふわシリーズを更に増やさなければならないのはいささか気が重いが、それもまだ見ぬ美少女の為。全力で作ってやろうじゃないか、ダンジョンで遊んだ後で!俺は足取り軽く待ち合わせの一本杉へと向かうのだった。
俺は今怒りに打ち震えている。待ち合わせの場所には野郎が1人、そして美少女が4人楽しそうに喋っていた。まさか、な?そんなわけないよな?そう心の中で繰り返しながらゆっくりと集団へと近づいて行く。
「お、来た来た!おせーぞライ、待ちくたびれちまったぜ!」
「ライト、で合ってるか?そちらの4人はパーティメンバーだったりするのかね……?」
「まぁな!全員βテスターだからそこそこ強いんだぜ?」
その返答を聞いた瞬間の俺の動きは過去最速と言っていい。淀みなくメニューを展開し目の前の男に決闘を申し込んだ。
「野郎、ぶっ殺してやる……!」
「へ?デュエル?なんで!?」
「随分と楽しそうじゃあねぇの…?俺がスライムや兎と戯れている間、テメェは美少女4人とキャッキャウフフのハーレムライフっか!?リア充滅ぶべし!フハハハハ!我が断罪の一撃の下、冥府の涯まで叩き落としてくれようぞ……!」
さっき美少女(仮)からメール貰ってたろって?バカ言っちゃいけないよ。それはそれ、これはこれだ。お前らだって、美少女侍らせたチーレム野郎見掛けたら一発くらい殴りたくなるだろ?それと一緒。
「ちょ、いきなり飛ばしすぎだろお前……まあいいけどさ。受けてやる!俺の剣でその妄言ごと消し炭にしてやんよ!」
「こちとらユニーク倒してんだ!殺れるもんならやってみなァ!」
あー久々の茶番劇めっちゃ楽しいわぁ。
美少女達 (°Д°)ポカーン
おまけ
プリティ・ダイヤモンドさんの誕生経緯
初期案
称号効果でオリジナル魔法を作成できるようになった女の子。
一撃に全MPを込める超ロマン仕様の魔法のみを使用することに情熱を燃やす。
HPまで消費して放つ極限魔法には快感すら感じてしまう程。
第2案
念願の原始人を引き当てるもINT特化になってしまった男。
種族:原始人は魔法的な要素全てに例外なくマイナス補正が掛かる。その代わりに超人的な身体能力を有するのだ!
それでもINTやMNDを高くした場合、INTが500を越えた段階で称号【森の賢者】を獲得する。
ぶっちゃけゴリラ。
第3案
INTじゃなくてDEX特化のドワーフ
ドワーフなのにオーガ並の身長を誇る化け物。
お裁縫が得意。
この3つの案が何故かシンクロして召喚されたのがプリティ・ダイヤモンドさんです。
作者も意味がわかりません。