初めての順調なプレイ
本編です。
チュートリアルを書き終えた反動で軽い燃え尽き症候群に陥ったせいか勢いが足りない気がします。
すごく平和です。
腿肉の最後の1つが出るまでにキックラビットを30匹も狩った。一番ドロップしやすいアイテムなのにどうしてこんなに出てこないのか。物欲センサーとは恐ろしいものである。色々あって今日は疲れたから、クリア報告して適当な宿でログアウトして寝よう。おやすみ!
「……んむ、ふぁあ、あっちー」
部屋の暑さで目が覚めた。まだ4月半ばだってのに朝っぱらから太陽仕事しすぎだろ。流石のΩ様も室温調整まではできないからな。ふと時計を見てみると13時と表示されていた。
………真っ昼間やんけ!そりゃ暑い訳だわ。適当に何かしら食べてゲームしよっと。
はい、ログイン。今日はとりあえず研究者をMasterして他の生産系のジョブを取るつもりだ。あとは、そうだな……鑑定と識別もゲットできたし手持ちの石?とか草?の正体を確かめよう。せっかくだし宿の中でやっちゃうか。レアアイテムが混じってますように。
いざ、鑑定!
アイテム
・石 ☆
何処にでもある普通の石
・綺麗な石 ☆
スベスベした手触りの綺麗な石
マニアが集めているらしい
・綺麗な丸石 ☆
丸くて綺麗な石
アクセサリーに使われることもある
・黒曜石の欠片 ☆
黒く艶のある黒曜石の欠片
サイズが小さいので加工しても鏃にしかならない
・何かの原石 ☆☆
宝石
研磨するまで種類は分からない
そこらで拾っただけにしてはなかなかの成果じゃないか?
原石とは言え宝石まで拾えるなんて驚きだ。LUKさん地味に仕事してくれてたんだな。褒美に増えたステータスポイントを全部くれてやろう。この調子でレアアイテムを増やしてくれよな。
アイテム
・薬草 ☆
とても苦い草
薬の材料になる
・リャパリャパ ☆
一見ただの草のようだが野菜の1種
煮ても焼いてもシャキシャキした食感
・千年草 ☆
何処にでも生えている草
千年放置しても枯れない生命力を宿していると言われているが、真相は定かではない
・スパイスリーフ ☆☆☆
加工の仕方によって様々な味になる不思議な葉っぱ
加工を終えると味は固定される
うまく加工された物は香辛料の中でも高値で取引されている
・獣の骨 ☆
動物系モンスターの骨
時間が経っているので種類までは判別がつかない
・綺麗な骨 ☆☆
白くて綺麗な何かの骨
武器の材料にできる
・太古の龍骨片 ☆☆☆☆☆☆
遥か昔に倒れた龍の骨の一部
欠片と侮る事なかれ
龍の力は欠片になろうとも神にすら牙を剥く
最後のやつ序盤で拾えちゃ不味いでしょ!?
しかし、しかしだ。神にすら牙を剥く?ベネ!ディ・モールトベネ!
こいつを材料に強化を行えば、インテリアだって立派な武器に仕上がる筈。
拾えたとは言え貴重なアイテムだ。使うのはジョブレベルを上げてからにしよう。
これ1つじゃ足りないし、グーヌートに挑む前に龍種に挑んでフレッシュな素材を提供してもらわなければ。……でも勝てんのか俺?
まぁ行く行くはそんな事になる、そう思って備えておこう。
他のアイテムで良さそうなのは……スパイスリーフか。結構な数を拾えてるし、リャパリャパと合わせて調理スキルが上げられそうだな。加工の段階で調薬もあがるかも。色々試してみようか。
そのままかじってみる。山椒っぽいかな?舌がぴりぴりする。
刻んでみた。甘じょっぱい。生でも味が変わるのか。
磨り潰してみた。ミントアイスみたいな味だ。
手で持って叩いてみた。爽やかな酸味が心地いい。
生活魔法の火で炙ってみる。辛っ!そのまま唐辛子をかじったみたいだ。
適当に試しただけでもかなりのバリエーションになるもんだな。スパイスリーフの組み合わせだけでかなりのレパートリーになりそうだ。
けど俺は全部覚えられる自信ないぞ? 何か良い手はないだろうか……。
あ、研究者のジョブスキルが使えるじゃんか! 今俺が覚えているジョブスキルは2つある。研究とレポートだ。
研究はアイテム等に使用することで、鑑定や識別では見えてこなかった詳しい情報が見れるようになるスキルだ。そして何度も同じアイテムに使用して研究率を100%にするとレポートが使えるようになる。
レポートは研究成果を紙にまとめてくれるスキルだ。他にも今までの行動をまとめてくれたりもするらしい。
この2つがあればスパイスリーフの不思議な特性を丸裸にできるぞ!そうなったら料理人系のプレイヤーに完成したスパイスを売り捌いて活動資金にも困らない。クックック、完璧だぜ……俺ってば冴えてるぅ!
スパイスリーフに研究を掛けまくっているうちにジョブレベルが最大になっていた。研究者はレベル20で最大だったみたいだ。
スパイスリーフの研究率も100%になったしちょうど良い。レポートしたら加工用の道具を買いに出掛けよう。幸いキックラビットの腿肉以外の素材がたんまりある。これを売れば買えるだろう。途中神殿に寄ってジョブも変えておこうかな。
宿を出て歩いているうちに神殿についた。別に先に済ませるつもりとかなかったけど、この2日で随分と通った道だったので自然と足が向いていたのだ。もしかしたら死に戻った回数はプレイヤー内で最大かもしれないな。
「こんにちは神父様」
「おお、貴方は確か戦神グーヌート様の試練を越えた……」
「ライリーフです。名乗ってませんでしたね」
「ライリーフ殿ですな。本日はどうなされましたかな?」
「ジョブを変更しようと思いまして。あの石盤に触れればいいんですかね?」
「ええ、そうしますと職業変更の間に転移します。そこは1人1人独立した空間になっているのでゆっくりとジョブを決めることができるのです。ジョブの変更が終わると神殿の裏手にある広場に転移します」
「なるほどなるほど。所で神父様、神父様は神父様で合ってるんですか?」
「うん?哲学ですかな?」
「自分で神父様と呼んでおいてなんですが、ここって神殿だし神官が正しいのでは?と唐突に閃いてしまいまして」
「あぁ、そのことでしたか。他のプレイヤーの方にも聞かれたことがありましたな。私の場合、メインジョブが神父でサブジョブが神官なのでどちらでも合っていますよ。大きな街では神殿が、小さな村等では教会が建てられていて、そこでジョブの変更を行うのでどちらも変わりはありません」
「へー、そうだったのか」
神父様と軽く雑談してからジョブ変更へと向かった。石盤に触れると白い空間に跳ばされていた。なんかキャラメイクした場所に似てるな。
そんなことを考えていると目の前にウィンドウが表示された。どうやらこの中に表示されているものに変更できるらしい。
「どれどれ?戦士、弓使い、剣士、魔術使いの基本ジョブは置いといて。また変なのばっかり表示されてるなぁ……」
現在のジョブ
メイン 研究者Lv20 Master!
サブ 冒険者Lv1
変更可能ジョブ一覧
〔戦士Lv1〕〔弓使いLv1〕〔剣士Lv1〕
〔魔術使いLv1〕〔ギャンブラーLv1〕〔ランナーLv1〕
〔収集家Lv1〕〔死霊使いLv1〕〔殴られ屋Lv1〕
〔ニートLv1〕〔家事代行Lv1〕〔料理人Lv1〕
生産系でなれるのが料理人しかない。
まさか系統の区別がつかないジョブの方が多いなんて思わなかったぜ。ギャンブラーはLUKが高いからだろうな。他のはステータスで出て来たって言うよりこれまでの行動で解放されたっぽい?
インテリアを武器に改造できそうなジョブは見当たらないし、大人しく基本職でも育てるか?うーん、悩むなぁ。
とりあえず料理人にしておこう。これからスパイスリーフの加工をするんだし、レベルが上がるかもしれない。
レベルが上がってステータスが上がれば他の生産系のジョブも出て来るだろう。出てこなかったら、そうだな……適当な鍛冶屋に弟子入りを頼むとしよう。
さて、ジョブも変えたし次は買い物に行きますか!
珍しいジョブ紹介
・殴られ屋
攻撃されることで経験値が得られるジョブ。
プレイヤーやNPCから攻撃を受けると自動的にダメージと同じ額のコルを徴収する。
・ニート
ゲーム開始から5日以上お金を稼がないと一覧に現れ選択できるようになる。
働かないことで経験値を得る珍しいジョブ。
・研究者
鑑定と識別を持っている生産系NPCがサブジョブとしてよくセットしている。
持っていると割りと便利なジョブ。
メインにセットしているNPCは少なく、いても研究の為に引きこもっているのでプレイヤーが就く事は難しい。一応レアジョブ。