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閑話 とある新入社員の話

本日2話目

主人公とは一切関係無い話です。

 次世代のフルダイブゲームの開発にまさか新入社員の僕が関われることになるなんて、夢のようだ!

 そう、始めはそんな事を考えていた気がする。

現在開発中の新作VRMMO、このゲームの開発メンバーにはもうついていけない。

 ある日聞こえてきた会話を一部紹介しよう。きっと僕の気持ちを分かってくれる筈だ。


「テメー今なんつった!」

「ジョブ制なんていつの時代の代物だって言ったんだよ!時代はスキル制!その自由度の高さこそ求められているんだ!」

「だからこそ逆にジョブ制にして古き良きRPGの魅力を思い出させる必要があんだよ!」

「まあまあ落ち着きなや、容量ぎょーさん余っとるさかい両方入れたったらええねん」

「「さすが部長!発想のスケールがちがうぜ!」」



またある日

「バカ野郎!弓使いのほうがいいに決まってんだろうが!」

「冗談、世界観からしてアーチャーのほうが合っている」

「ジョブ制反対してた癖に妙なこだわり持ち出すなよな!」

「まあまあ落ち着きなや、容量はまだまだぎょーさん余っとるさかい、考えつくだけ入れたったらええねん」

「「さすが部長!プレイヤーに選択の自由を!」」



またまたある日

「こっちが!」「あっちが!」

「入れたったらええねん」



またまたまたまたある日

「これ入れる!」「こっちも!」

「ええんやで」



 信じられないだろ?こんなノリでゲームを作ってるんだぜ?言い争いが起きる度に追加される新仕様。

 あのエセ関西弁の部長は何を考えているのだろうか?いや、何も考えていないに決まってる!

 そしてもっとも訳が分からないのはこんなに色々と追加し続けているのに、まだ想定最大容量の1割にも満たないこのゲームだ。

 本当にゲームなのかこれ?何か別の物作ってない?


 そんな僕の予想は正しかった。これ、ワールドシミュレーターをゲームにするために様々なゲーム的要素を加えた物だったみたいだ。

この世ならざるもう1つの世界、それを遊び場にしようなんてスケールがでかすぎやしませんかね、部長。


 あれだけ色々と足したのにゲーム内で更に色々と自動生成されるらしい。なんでバグの1つも確認されないのか不思議でならない。

 ここの人達、やってることは滅茶苦茶だけど神がかった才能の持ち主だったりするのだろうか?ゲームそっちのけで椅子とか作ってる人もいるし。



……………。

 運よく採用されたけど、僕みたいな凡才にこの空間は悪夢のようだ。もっと一般的なレベルで仕事がしたい。

 このゲームが完成したら転職しよう。完成、するのだろうか……?

ゲーム制作の現場がこんな感じじゃないことは分かってます。本当ですよ?

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