騎士のお仕事 2
おふとんが
あたたかくって
しあわせで
わがものがたり
ついぞすすまず
(意訳:布団買い替えたら寝心地ヤバすぎてずっと寝てる。寝すぎて何も書けんかったわ。やっべ、前回の投稿から一月以上経っとるやんけ……)
本当にすいませんでしたッ!!
拠点の設営が終わり、騎士達が本格的に動き出す。
当然事前に組分けはされているようで、俺は一人動きから取り残されぼけーっとそんな様子を眺めている。そんな俺に話しかけてくるのは、もちろんソフィアだ。
「ライリーフ君! ボーガン様に本陣での指揮を変わってもらったので、私と一緒に行動しましょう!」
「それは有難いんだけどさ、結局ここには何しに来たんだよ?」
「あっ。私としたことが、その説明をまだしていませんでしたね。では歩きながら説明しますね」
「うぃ、よろしくー」
周囲の騎士達からの殺気はますます強くなるが、もう慣れたので無視する。
「そうですね……まず、人の住む土地から離れるほど強力なモンスターが出現するようになるのは知ってましたか?」
「ん? ああ、そうだな」
ゲームなんだし当然と言えば当然だけど、実際にプレイしてみた体感としてもそれは感じられた。ファースから王都までの道を街道ガン無視で真っ直ぐ突っ切った時もかなり強力なモンスターに襲われたし、もっと分かりやすい例は鳥さんの住む島だろう。あそこなんてもう正攻法じゃ人なんて物理的に侵入できないし、遠目で見ただけだけど、モンスターもバグってるレベルで強かった。そもそも環境事態がバグってた。
「これは、人の住まう土地には神々の加護が与えられる為、モンスターの行動や発生が抑制されるからなのです。我が国で言うとグーヌート様達の力ですね」
「……」
ウェネアとレーレイ、あとまだ会ったことない法神のコル……コル……コルなんとかさんはともかく、グーヌートの野郎がちゃんと仕事してるなんて……ただの迷惑で暑苦しいだけの筋肉じゃなかったのか。これじゃ御礼参りの結果、不幸な事故を起こしてしまうと不味かったりする?
「しかしその加護も絶対ではありません。モンスターの活動が増えれば、徐々に効果は弱まり、いずれはモンスターの領域と成り果てます」
「あ、もしかして廃都ってやつ?」
「はい。かつて存在した国や都市がモンスターに蹂躙されたものです」
人とモンスターの勢力図がモンスター側に傾くと、人の側がかなり不利になって、最終的に街や国が滅びることになる。しかもそこには強力なモンスターがボスとして居座り、どれだけ他のモンスターを倒しても、そのボスを倒さない限りそのエリアは人の手に戻ることはない……だったかな。たしかそんなことがスプルドの公式ホームページに書いてあった気がする。
「なので、かつて滅んだ国々の二の舞を避ける為に、こうして我々騎士が定期的に国の周囲を調べ、モンスターを狩っているのです」
「なるほどなぁ……ん? でもモンスターなんて冒険者が毎日狩ってるだろ? わざわざ騎士が出る必要ないんじゃないか」
「冒険者は生活がかかっていますからね。稼ぎになるモンスターを優先しますし、討伐依頼だとクエスト達成に必要な数しか相手にしません」
「あーそっか、そりゃそうだわな」
NPCは死んだらそれまでなんだし、目につくモンスターを全部倒してたんじゃ身が持たないよな。本命のモンスターを探すついでに経験値稼ぎなんて、プレイヤーしかしないか。
「それに、ダンジョンの攻略を優先する方も少なくはないので……」
「ハハハ、ダンジョンのお宝は魅力的だもんな。プレイヤーも、ダンジョンの情報が入ってからは暫くダンジョン周回しまくってたし」
「アドベントの南西にあるダンジョンですね。私も休日を利用して挑んでみたのですが、お宝は見つけられませんでした」
「それは残念だったな」
「はい……あの骸骨武者が持っていた剣がドロップすればと思ったのですが……」
メルキアのとこの骸骨武者って言ったら、最近ホネホネ達先輩モンスターを尻目にダンジョンのボスに任命された緋桜のことだよな? ドロップ云々ってことは倒したのか。やっぱり素手でエイリアン倒せるだけあってスペックがヤバいな。
「でも! あの剣もライリーフ君に貰ったこの剣には負けます!」
「あー……そだねー、確かにねー」
そう言えば緋桜にもモノケロームを渡してたんだっけ。あれが欲しかったから、その上位互換みたいなクリアゼーレが手に入ってはしゃいでるのか。
「あっ、失礼。つい嬉しくて話が脱線してしまいましたね。要約すると、我々がこうして各地を巡回し、モンスターを倒すのは、冒険者達が倒すモンスターの数だけでは足りない分を補う為なんです」
「なるほどね」
「他にも理由はあって、レベル上げを兼ねた実践訓練としての側面があったり、それから――」
ピィーッ! ピピィーッ!
「っと、どうやら何か見つけたようですね」
「今の笛は……?」
「先ほど言い掛けた最後の理由です。モンスターの住む領域、そこで起きた異変をいち早く発見する為に、我々の任務はあるのです」




