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Win-Winな関係?

 結論から言おう、バニーちゃんは堕ちた。

 俺の料理だけでは多少態度が軟化する程度だったが、やはり世界樹の果実の威力は絶大だった。一口食べただけでR18判定が下されそうなトロ顔を晒し、うちでなら定期的に食えると教えたら前向きに働く事を検討し始めた。

 そう、世界樹の果実を用いても前向きに検討止まりだったのだ。俺はどんだけこの娘に嫌われているのだろうか。

 では何が決め手になったのかと言えば……答えはこのホームの地下に存在する宝物庫を見せたからだ。

 中身の金銀財宝は、もちろんノクティス達がファフニール周回で集めてきた物であり、当然八割程バルムンクで嵩ましされてはいるが宝は宝。その圧倒的金ぴか空間の前に、再びバニーちゃんがフリーズしたのは言うまでもないことだろう。

 再起動したバニーちゃんに、年二回のボーナス、そして働きぶりを見て追加される特別手当ての度にここから好きなものを一つ持ち出していいと言ったら堕ちたのだ。


「それでは私が担当する業務の詳しい説明をしていただけますか、マイロード」

「うむ。しかしその前に我が配下となる貴様に忠誠の証としてこれをくれてやろう」

「……!?こ、これは!」

「そうだ。それは以前貴様がカジノで身に付けていたバニースーツよ!」

「やっぱり私のバニースーツでしたか!って何故お持ちになられているので……?」

「オーナーさんがお詫びにってくれた」

「あの野郎、やっぱり許せませんね!……ところで、使()()()んですか?」

「ハハハ、まさか。今日再会するまでストレージに入ってることすら忘れてたさ!」


 酷い想像をするもんだぜ、こちとら主人公よ?ちょっと温もりを堪能しただけだし、R指定じゃないゲームでその手の行為を行えるわけないじゃない。だからいくらジト目で睨まれたって動揺なんてしないぜ。


「コホン……食事の時にも話したけど、俺はお飾りみたいなもので実質的なトップは別にいる」

「ああ、私を引き留める為の嘘じゃなかったんですねそれ」

「まあな。今うちには遊園地と巨大ショッピングモールがあるんだが、バニーちゃんにはショッピングモールの方を主に担当してもらいたい」

「アトラクション増し増しな遊園地とやらの方がバニーガールは相応しいと思うのですが、何故ショッピングモールに?」

「遊園地はそんなアダルティーな場所じゃないからだ」

「なるほど……溢れる大人の魅力が仇になりましたか」


 真面目な顔して何言ってんだこいつ?

 いや、性格を知っているからアレに感じるが、確かに外見だけならかなりレベルの高いバニーガールだったわ。

 そもそもショッピングモールにもバニーガールはまずいんじゃなかろうか?遊園地とショッピングモール、意図した訳ではないが、どちらも家族連れの客が訪れそうなイメージがある。家族連れでなくてもカップルのデートスポットになりそうな気が、気が……そうか、野郎共の視線をバニーちゃんにミスディレクションすることでカップルがギスギスするじゃないか。フフフ、これは女性スタッフ全員バニーガールに……っといけない、俺は既にリア充スレイヤーから足を洗った身。ましてや他者に頼ったカップル破壊工作なんぞ、現役リア充スレイヤーであったとしても邪道!残念だが全員バニーガール計画は封印だ。

 それはそれとして、バニーちゃんはどうしよう。忠誠の証とか言っちゃった手前、今更やっぱり普通の格好してくれとは言いづらい。


「ふぅ……やっぱりバニースーツを着ると心が落ち着きますね」


 ……いつの間にか着替えてるし、1人くらいバニーガールが敷地内をうろついててもいっか!


「ついでに言っておくが任せるのはショッピングモールのナンバー2のポジションだ。まあトップが多忙だから実質的なトップと言っても過言ではないけどな」

「本当ですか!?」

「ああ、だから基本自由に行動して儲けまくってくれればいい」

「私が、自由に!うへへ……どのアイディアから試してみましょうか」


 バニーちゃんが有能であるとして、問題は俺につっかかってきた時のような事を起こす可能性がある点だろう。しかし俺は気づいてしまった、そのリスクを極力減らす方法を。それこそがバニーちゃんをなるべく上の立場で採用し、裏事務仕事に縛りつけることで直接ゲストと接触する機会を物理的に減らすパーフェクトな作戦よ!

 オーナーへの復讐を原動力に、ここをカジノ以上のスポットに育て上げようと意気込んでいたバニーちゃんだ。文字通り山のような仕事で封殺すれば他のプレイヤーやNPCと問題も起こせないし、何より本人が進んで馬車馬のように働いてくれるのだから最高だろう。

 その結果俺は楽ができて儲かるし、バニーちゃんも目的達成に近づける、これぞWin-Winな関係ってやつだぜ!


「あ、そう言えば」

「ん?」

「マイロードは完全にお飾りなんですよね?となると、この施設のトップって誰なんです?」

「ブラウニーさんだ」

「ブラウニーさん……?」

「俺の契約している妖精だよ。俺が寝てる間現れるから後で挨拶しておくように」

おまけ

現在のホームエリア施設一覧


・巨大ショッピングモール『ぶらうにー』

侵入制限……無し

ゲーム内唯一のショッピングモール。

プレイヤーやNPCがテナント契約をしており、日用雑貨から戦闘用の装備まで、大小様々な商品が販売される事になる。

最上階のフードコートでは食通すら唸らせる料理が提供される店もあるとか……。


・滅竜広場

侵入制限……無し

カードバトルの大会を開く為に準備した椅子や机、そして巨大なバルムンクのオブジェが設置された広場。

かなり広く、机や椅子の置いていない場所は芝生も生えている為、他人を気にせずおもいっきり遊べる。

モンスターを気にせずに遊べるので結構な人気スポットに。

後にバニーちゃん発案で屋台も許可される。

場所代は貸し屋台込みで1日5万コル。アドベントの屋台が1200コルで借りられるのを考えるとかなり強気の値段設定。


・遊園地『ファース・ラビッツパーク』

侵入制限……無し

入園料……大人5000コル、子供1500コル

ゲーム内唯一の遊園地。マスコットキャラは三匹の羽の生えた子兎。

観覧車、コーヒーカップ、ジェットコースター等々、お馴染みのアトラクションが一通り揃っている。

バイキングの船体は、豪華客船『ゴールデン・ドーン』を制作したドーン三兄弟が監修している。

施設とは一切関係ないが、この遊園地が出来たことで何故かレッドネーム達の更正施設が『バブミーランド』(某ネズミの王国と同じイントネーション)と呼ばれるようになった。


・ダンジョン

侵入制限……無し

ただし挑戦するには専用チケットが必要。

ノクティス達鳥ガーハッピーが好き勝手カスタムしているダンジョン。やり過ぎてDPが枯渇気味。

ショッピングモール『ぶらうにー』内のライリーフのテナントで買い物をすると、購入1000コル毎に一枚、素材の売却10000コル毎に一枚、挑戦に必要なダンジョンチケットが貰える。


・畑

侵入制限……NPC、フレンドのみ

ファースのご老人方が勝手に色々育てている畑。

一部がダンジョンに飲み込まれたが、不思議とその後から作物の成長がよくなったらしい。


・牧場

侵入制限……NPC、フレンドのみ

ファースのご老人方が勝手に色々育てている牧場。

飼育されている数は、チキンランナー、レインボーシープ、バニラホルスタインの順で多い。


※追記

・宇宙船発着場

侵入制限……無し

現在は宇宙人達しか使用していない施設。

そう言えば宇宙人達はマッサージのチケットを受け取ってから姿を見せていないが、まだマッサージを受けているのだろうか?


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