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ドアノッカーを知る者

オーララ!

初ゲットで嬉しいんだけど俺が欲しかったのは小学生なんだわ。

作者は復刻した今回も☆5礼装を当てられなかった悲しみと共に暫く周回の旅に出ますので悪しからず。

 ワームを倒した俺達はアドベントの側まで戻って来た。ワーム戦の経験値が貰えなかったのは残念だけど、いつまでもあの場所で文句言ってても仕方ないからな。


「そうだ、お前に名前付けなきゃな。テイムしてないモンスターを街中に入れるのは問題あるし」

(種族名よりまともな名前でお願いします)

「分かってるって」


 他の2羽の名前がレクス=ノクティス、ルクス・アウレアだから適当にラクスでいいか。ら行+クスで統一感もあるしな。


「んじゃラクスで」

(悪くはありませんが、どこか投げやりに付けられた名前な気がします)

「ハッハッハ、気のせい気のせい」


ピコン

《鳥ガーハッピー・クリスタルのテイムに成功しました》

《パーティの定員をオーバーした為パーティから離脱しました》


「よし、これで堂々とアドベントに入れるぜ」

「うわ、いつまで肩に乗せてるのかと思ったらマジでテイムしたのかよ! てかそんなモンスターもテイム出来るとかゲームバランスどうなってんだ……?」

「細かいこと気にしてると禿げるぞ。それよりアドベントに入ったら転移門で王都に移動するけど、お前ら転移門使えるよな?」

「あ? そんなの当たり前だろ? 第二陣でゲーム始めた奴らだってそろそろ使えるようになってくる頃だぞ」

「そ、そうだよな! 使えて当然だよな!」


 俺はそんな時期になるまで転移門が使えないままだったなんてバレる訳にはいかない! バレたらきっとリーフ辺りが煽ってきてうるさい……てかなんだリーフの装備? 全身テカテカのピッチリラバースーツとは攻めてるなぁ。羞恥心とかないのだろうか?


「ライリーフ、アタシまだ転移門使えないんだけど」

「ああ、そう言えば今日はもともとマロンのランク上げの予定だったもんな。ラクスが増えて全員ではパーティ組めないし、マロンは先にアケノさんと合流して待っててくれよ」

「分かった。けどちゃんと戻って来なかったら怒るからな!」

「さすがに報酬ねだるだけで妙な事に巻き込まれたりしないって」

「そんな感じの事話聞きに行く前も言ってたらでっかいワームが出てきたじゃんか!」

「……い、1日に2回もあんな目に合うことはないと信じたいな」







 一抹の不安を抱えながら王都へと転移したが、とりあえずエイルターナー邸には無事に到着することが出来た。後は中に入ってこいつらに報酬を渡してくれるように公爵と交渉して、封呪の洞穴の事を報告すればミッションコンプリート! さっさと済ませてマロンと合流しよう。


「ほら、お前らもそんな所で止まってないで入れよ」

「んな事言われたってよぉ……」

「本当に勝手に入っちゃっていいのかな?」

「嗚呼、この角度からの御使い様も神々しい……」


 未だにバグってるエイルのことは見なかったことにして、っと……野郎二人はエイルターナー邸のあまりのガチ貴族の邸宅っぷりに呑まれてしまったか。気持ちは分かるぞ、ゲームの中とは言えこんな家に住んでるような見ず知らずの人にアポ無しで凸るとか勇気いるもんな。

 何? 前回の俺はとてもそんな様子には見えなかったって? そりゃ一応知り合いではあったからさ、友達の家に遊びに行くのとあんまり変わりなかったんだよ。


「ごめんくださーい!」

「なん、だと……?」


 リーフがいつの間にか俺よりも前に出て、あまつさえ扉にたどり着いていた。しかしそんな事は些細な事だ。それだけならあの装備本当にAGI上がるんだーとか、肝据わってんなぁ、いや何も考えてないだけかみたいな感想だった。だがなんとリーフはドアに付いてる変な輪っかことドアノッカーさんを初見で攻略してみせたのだ!

 使い方を誤れば指に絶大なダメージが発生すること請け合いのこのトラップをリーフなんかがスルー出来るなんて……くっ、なんだか屈辱的な気分だぜ。

 俺は精神的ダメージで震える足で一歩、また一歩と歩を進め、リーフの元までたどり着くと意を決して尋ねた。


「何故……何故それの使い方を知っている!」

「え? 何でって、私のお祖父様がイギリスに住んでて現役で使ってるからだけど?」

「まさかのクォーター!」


 そんな属性まで隠し持っていようとは侮り難し! ターナーが何故こいつと付き合っているのかいささか不思議だったのだがそう言う事だったか。ターナーはハーフとかクォーターな子が性癖にドストライクなのだろう、それ以外考えられない!

 設定の後出しでマイナスだった筈の総合評価(俺調べ)をプラスに傾けるとは……こいつ、悔しいがかなりのやり手だ。


「何悔しそうな顔してんの? あ! 分かったー! エイルターナー、あんたドアノッカーの使い方知らなかったんでしょー! ぷふふ、ダッサー!」

「ぬぐぅ……なんてイキイキと煽って来やがるんだ。だいたいな! インターホンもARで表示される時代にドアノッカーの使い方なんて知ってる奴の方が少ないんだよ!」

「そんな事ありません~! 皆は知ってるでしょ!?」


 と他のパーティメンバーに話を振るリーフ。門の所で緊張してた二人も、リーフが遠慮なく凸ったことで慌てて移動してきてたみたいだ。エイル? ずっとラクスのこと見つめながらベストアングル探してスクショしたり水晶上げたりしながら俺に着いて来てたよ。


「ごめんリーフ、ドアノッカーって名前も今初めて知ったよ」

「飾りじゃねーのかそれ?」

「御使い様、次はカメラ目線ではなく流し目でお願いします!」

「なっ、嘘でしょ!? 信じらんない! 普通これくらい分かるじゃん!」

「ほれみろ。やーいやーい時代遅れー」

「むっきーぃ! その顔超腹立つんですけどぉ!」

「ええい貴様等、人様の家の庭で何を騒いでいる! ここをエイルターナー公爵家の屋敷と知っての狼藉か!」


 気がつくと屈強な兵士を両脇に引き連れてエイルターナー公爵が俺達を出迎えていた。そして一目で分かる位にはおこである。

 果たして俺はこの状態の公爵から報酬引きずり出す事が出来るのだろうか?

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