VS.取り巻きA
※注意※
この作品は『ランダムでキャラを作ったんだが詰んだかもしれない』で合ってます。
「セット」
「スタンバイ」
「「オープン!」」
「へっ、先行はこっちのもんだぜ。ついてないな、最弱のゴブリンがデッキトップとはよぉ!」
俺のカードはゴブリン、相手の取り巻き野郎Aのカードは屈強な門番。門番はゴブリンの倍もパワーがある。
手札のゴブリン達を利用すれば倒せないことはないが、相手もサポートカードをセットしてくる筈だ。
「ドロー! 先行は攻撃できないのが残念だぜ。無骨な槍使いをバトルゾーンに、サポートゾーンにカードを1枚セットしてターン終了だ」
またパワーの高い兵士系のカード……バトルゾーンにある2枚はサポート効果が貧弱な完全なバトルタイプだが、ショップ大会で優勝したと言っていたしパワーでゴリ押しだけじゃないだろう。
「ドロー」
お、ゴブリンシャーマンか。サポート向きのいいカードだ。
「サポートゾーンにカードを2枚セットしてターン終了」
「なんだぁ? 攻撃してこないのかよ。おっと、貧弱なゴブリンじゃ俺のカードは突破できないか! うはははは!」
「うるせーな……勝負はまだ始まったばかりだろうが」
「俺の騎士デッキ相手にどこまで粘れるか見ものだぜ! ドロー!」
ほーん、騎士デッキねぇ……ん? もしかして最初から俺の当てた常勝無敗の聖剣使いが欲しくて難癖つけて来やがったのか!? うわー、こっすいなぁ。
「ゴブリンなんざ追加のカードを使うまでもねぇ! 無骨な槍使いで攻撃!」
「サポートカードオープン! ゴブリンシャーマンの援護で槍使いのパワーは半減し、その分ゴブリンのパワーが上昇。返り討ちだぜ」
「チィ……! なら屈強な門番で追撃だ!」
うん? まだゴブリンシャーマンの効果でパワーはこちらが上回ってるのに攻撃だと?
「サポートカードオープン! 堅牢な盾使いの効果を発動! このターン発動したパワーの変動を無効にする!」
「くっ、ゴブリンが破壊された瞬間サポートカードオープン。ゴブリンヒーロー! このカードはデッキからゴブリンを破壊したカードよりパワーの低いゴブリンカードを1枚バトルゾーンに出せる。来い、ゴブリンファイター!」
「ぶはははは! ゴブリンデッキかよ? しかもエース級のカードをサポートに使うだなんて、プレイング下手くそすぎるぜ!」
「にぃちゃん……やっぱりゴブリンじゃかてないのか?」
「騎士デッキ使いの彼はああ言っているが、ゴブリン使いの彼のプレイングは間違ってる訳じゃない」
「あんたは……てんいんのおっちゃん!」
「弱いゴブリンだけを出していたお陰で油断を誘い槍使いのカードを破壊できたし、サポートカードを切らせることもできた。そしてゴブリンを破壊されながらも後続のカードを展開して次に繋げている。序盤の立ち回りとしてはかなり良い方だと私は思うがね」
「な、なるほど……」
「君、よく分かってないでしょ?」
「……」
「ちーはよくわかんなーい」
「ぼくもとちゅうまでしか……」
解説が聞こえてきたけど俺もいまいち分かってない。
とりあえず煽られる程酷いプレイングではないってことは分かったので自信をもって場をゴブリンで制圧してやろう。
「俺のターン、ドロー」
ゴブリン将軍か。良いカードだ。
現在奴のフィールドにあるカードは門番のみ。舐めプしてカードをサポートゾーンにセットしなかったことを後悔させてやるぜ!
「俺はゴブリンファイターをコストに、ゴブリン将軍を召喚! ゴブリン将軍が召喚に成功したときデッキからゴブリンを2枚までバトルゾーンに出すことができる」
「はっ、雑魚を並べてライフを削りに来たか!」
「サポートゾーンにカードを1枚セットしてバトルだ。ゴブリン将軍で屈強な門番を攻撃! 続けてゴブリン2体でプレイヤーに直接攻撃!」
「ちっ、2ポイント減少で残りライフは3ポイントだ」
「ターン終了」
「スゲー! バトルゾーンがいっしゅんでゴブリンだらけになった!」
「これこそがゴブリンデッキの真骨頂。パワーの低いカードが多いがフィールドをゴブリンで埋め尽くすことで自分のライフへのダメージを防ぎつつ、相手のカードを消費させることができるんだよ」
「ゴブリンつよーい!」
「うっ、ぼくのアンデッドデッキと相性悪いかも……」
「調子に乗るなよクソが! ドロー! ……ククク、せっかくゴブリンを並べたのに残念だったな。手札からサポートカード発動、俊足の伝令! こいつは自分のバトルゾーンにカードが存在しない場合、相手のバトルゾーンのカードのパワーの合計より低いパワーを持つカードをデッキから召喚できる超優秀なカードだぜ! 来い、精鋭なる騎士団長!」
「うっわ、ゴブリン将軍より余裕で強いのかよ」
「まだ俺のコンボは終わっちゃいねぇ! 精鋭なる騎士団長の効果で規律ある騎士団員2体がデッキから現れる!」
「おお! 彼もすかさず切り返したか! しかも騎士団員は騎士団長がバトルゾーンに存在する間パワーが上昇する、これをゴブリンで切り抜けるには相当なタクティクスが必要だ」
「くそー、まけんなにぃちゃん!」
「がんばれにぃちゃん!」
「おにぃちゃんがんばってー」
「そーら、汚ぇゴブリン共を一掃しろ俺の騎士団!」
「くっ……!」
一気にフィールドががら空きになっちまった。
なんとかして騎士団長を倒さないと負けてしまうが、セットしているサポートと手札ではとてもじゃないが倒せない。頼むから良いカード来てくれよ?
「ドロー!」
引いたのは……ゴブリンキング! このゴブリンデッキ最強のカードだ!
けど今来られても困るんだよなぁ。召喚コストが足りないせいでサポートでしか使えないし、それだと一時しのぎにしかならない。
ここは甘んじて攻撃をライフで受けることにして、次のドローに全てを賭けよう。
「サポートゾーンにカードを1枚セットしてターン終了」
「なんだよ、打つ手無しか? これはもう聖剣使いを貰ったも同然だな、ハーッハッハッハッハ!」
「……どうでもいいけど、姫プレイヤーさんめっちゃつまらなそうだぞ?」
「はっ!? お、お前がこんなところで時間とらせるからだ! クソ、速攻で終わらせて埋め合わせをしなければ……騎士団で総攻撃!」
「くぅ……!」
これで俺の残りライフは2ポイント。ライフでも逆転されちまったが問題ない。どのみち次のドローで良いカードが引けなけりゃ負けだからな。
「俺のターン、ドロー!」
ゴブリン斥候! これなら勝てる!
「俺は手札からサポートカード、ゴブリン偵察を発動」
このカードは自分のデッキトップ3枚を確認し、その中のゴブリンカードを全てフィールドに出せる。ただしゴブリンカード以外は問答無用でロストゾーン送りだ。
けど俺のデッキにはゴブリンしか入ってないから確定で3体のゴブリンが呼び出せる!
「デッキトップはゴブリンアーチャー、ゴブリンシーフ、ゴブリンシャーマン。3体のゴブリンを召喚!」
「また残念カード並べやがって! 面倒なんだよ!」
「これだけじゃないぜ? ゴブリンシーフの効果でデッキトップをサポートゾーンにセット! ゴブリンアーチャーの効果でお前の手札をランダムに1枚ロストゾーン送りにする!」
手札からロストゾーンに落ちたのは、一刀両断の剛剣使いと言うSRカードだった。切り札っぽいの落とせてラッキー!
「や、野郎……よくも俺の剛剣使いを!」
「悪かったな。代わりにこっちの切り札を見せてやるよ」
「何!?」
「バトルゾーンのゴブリンカード3枚をコストにゴブリンキングを召喚! ゴブリンキングが召喚に成功した時、ロストゾーンからゴブリンカード2枚を選択してバトルゾーンに出せる!」
俺が選ぶのはパワーの高いゴブリン将軍とゴブリンヒーロー。
今はまだ騎士団員のパワーが上だが、ゴブリンキングが騎士団長を倒せば逆転できる!
「行け、ゴブリンキング! 騎士団長に攻撃!」
「しまった……! 騎士団員のパワーが!」
「続けてゴブリン将軍とゴブリンヒーローでパワーの下がった騎士団員を攻撃!」
「クソが! ゴブリンなんて雑魚カードに俺の騎士団が全滅だと!? そのブサイク共、絶対ぶっ潰してやる!」
「それは楽しみだが、まだ俺のターンは終わってないぜ?」
「なっ……サポートカードか!」
「ご名答!」
俺は前のターンにセットしておいたサポートカードを発動する。
「サポートカードオープン、ゴブリナ! このカードはフィールドのゴブリンカードを全て手札に戻し、戻した枚数分ゴブリンをバトルゾーンに呼び出せる!」
「さ、3体のゴブリンが新たに……!」
「新たに呼び出されたゴブリン達は当然攻撃できる。これで止めだ、3体のゴブリンでプレイヤーに直接攻撃!」
「ち、チクショーーーーーッ!!!!」
取り巻きのライフが0になり、俺の勝利が確定した。
ゴブリン舐めんな!
カードバトル書くの難しいですね。
最低でもレーレン戦を書くことが確定しているので今から辛いっすわ。




