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レアカードゲットだぜ!

 大量のレアカードを当てて次にクソガキに会った時に見せびらかす、残念ながらその目論みは失敗に終わってしまった。

 何故ならカードショップの入口でやつらが俺を待っていたからだ。


「ぷぷ、おいクソガキ……くくく、そ、その頭どうしたんだ?」

「……かーちゃんにおもいっきりなぐられたんだよ」

「にぃちゃんごめんなさい」

「おにぃちゃんごめんねー」


 実に立派なタンコブだ。こんな見事なタンコブは今どき漫画でもお目にかかれない。記念にスクショしておこっと。


「あいよ。んで、いっくん……だったか? お前は謝らないのか?」

「はん、だれがあやまるもんか……ひぅ!?」

「ん?」


 何故か俺の後方を見て青い顔をしている。

 たしかあっちには俺を監視している衛兵さんがいた筈だが……おっふ、チラリと盗み見ると鬼のような形相をしているじゃないの。こんなの見たら青ざめもするわ。


「あれいっくんのおとーさんだよ」

「ちゃんとあやまれるかみにきたんだねー」

「く、くそ~……」


 なんだ、あの人は俺を監視してた訳じゃなかったのか。ビクビクして損したぜ。


「なるほどな、それでお前は衛兵の詰め所の場所なんて知ってたのか。やっぱカードくださーいって言いながら中に入った俺に謝るべきだわ」

「ぷっ、だっせー。それであんな怒ってたのかよ」

「おう余裕そうだなクソガキ。お前の父ちゃんが見てんぞ」

「うっ、おれがわるかったよ……ほら、あやまったんだからこれでいいだろ!」

「ノン、それじゃ誠意が足りないよなぁ?」

「くっ、なんておとなげない……ごめんなさい! おれがわるかったです!」

「はっはっは、グッボーイグッボーイ。ちゃんと出来るじゃないか」

「うわわっ! やめろよいってーな! タンコブさわんなし!」


 頭をワシャワシャしてタンコブを攻撃する。これでさっきのことはチャラにしてやろう。


「あーくそ……あやまったしかえろうぜ」

「あ、帰んの? パック開封するとこ見ていかないのか?」

「みたい!」

「あたしもー」

「……ふ、ふん! ザコカードあてたとこをわらってやるよ!」

「素直じゃねーな。そうだ、せっかくだから1パックずつお前らにも買ってやるよ」

「マジで!? さすがにぃちゃん、じつはさいしょからいいやつだとおもってたんだよ!」

「いっそ清々しいまでの変わり身の早さだな……」


 てな訳で3人を引き連れて店の中に入ったのだが、どうやら先客がいたらしい。それもプレイヤーの。


「うひょー! さすがはヒメちゃん、相変わらずいい引きしてますなー!」

「いきなりSR引き当てるとかやっぱり幸運の女神ですわー」

「え~? そんなことないよぉ~」


 初めて見た。あれが噂に聞く姫プレイヤーってやつか。

 あの突き抜けたぶりっ子っぷり、相当ハートが強くても黒歴史待ったなしだぞ? なんて恐ろしい……。


「うわ、SRあたったとかマジか。あのねーちゃんめっちゃ運いいな」

「んとね、キラキラはぜんぜんあたんないんだよ」

「ぼくらも3枚くらいしかもってないんだ」

「ふーん?」


 自力で手に入れた、と言うか偶然手に入った2枚とプレイヤーから屋台の代金の代わりに手に入れた3枚は全部SRより上だったんだけどな。

 もしかしてパックより外でモンスター倒した方がレアカードってゲットしやすかったりするんじゃ……ってそもそもどのモンスターがカード落とすのかも分からないんだからパック買った方が絶対早いわな。


「とりあえず俺らもカード買おうぜ。オススメのパックとかある?」

「みどりのはかわいいモンスターいっぱいだよ! だからちーはみどりのね!」

「ぼくはアンデットデッキつかってるから黒いのがいい」

「やっぱ青だろ! スゲーつよいドラゴンはいってんだぜ!」


 ドラゴン……どこぞの龍帝を思い出すから青いパックは無しだな。黒と緑のパックもイマイチだし、適当に他のパックでいいか。


「じゃ、全員バラバラのパックにしてみるか。おっちゃん、青と黒と緑と赤1パックずつね」

「あいよ、全部で1200コルだ」


 1パック300コルか、地味に高いな。


「ほれ、お前らのな」

「サンキューにぃちゃん!」

「ありがとうございます」

「ありがとー」


 パックの開封なんて小学生以来か……やっぱりこういうのってワクワクするもんなんだなぁ。

 うわ、3枚しか入ってないじゃん。やっぱりちょっと高くね?


「うげぇ、またゴブリンかよ!」

「やった、ノーライフキングのカードだ!」

「かわいいのでたー!」

「なんでおまえらはいいのあたってんだよ……」

「日頃の行いじゃね?」

「ぐぬぬ……そういうにぃちゃんはなにあたったんだよ!」

「ふっ、俺のLUKさんを舐めるなよ? 当然SSRを引き当てたぜ」

「マジで!? ちょ、みせてみせて!」

「にぃちゃんスゲー!」

「慌てんなって、ちゃんと見せてやるから」



熟練の冒険者(HN)☆☆

トレーディングカード

投擲武器としても使えるかも……?


名も無き英雄(R)☆☆☆

トレーディングカード

投擲武器としても使えるかも……?


常勝無敗の聖剣使い(SSR)☆☆☆☆☆☆

トレーディングカード

投擲武器としても使えるかも……?



 今回当たったのがこの3枚。

 どうやら赤いパックは兵士や過去の英雄やをモチーフにしたカードが多く収録されているみたいだな。


「すっげー! めっちゃカッケー!」

「キラキラだけどかわいくない……」

「やっぱりSSRってつよいんだねー」


 ふふん、勝ったなこれは。

 ルールはまだ知らんけど、SSRが3枚もありゃ戯神の試練は余裕でクリアできるだろ。

 まぁ問題は一目見ただけでわかるほど3枚のカードのコンセプトがバラバラだってことなんだが……。


「おいお前ら! さっきからうるさいぞ! ちょっとレアカード当てたくらいで騒ぐなよ!」


 ガキんちょ達とワイワイしてたら姫プレイヤーの取り巻きAに絡まれた。SR当てて盛り上がってたし、その発言はブーメランなのでは?

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