表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/285

地下闘技場

短めです

 謎の美女とのポーカー対決に敗北し、身ぐるみ剥がされコルとチップを全て没収された俺は警備員に地下牢へと連行された。

 回りを見ると俺と同じように金と装備を没収された人達が談笑している。余裕だなあんたら……。


「てか何でストレージ開けないんだ……?」


 開ければ適当なアイテム売って借金減額できるのに。


「お、新入りか。お前もアイテム狙いで落ちてきたのか?」

「アイテム?」

「え、知らずに落ちてきたのか……ギャンブルは引き際が肝心だ。あんまり熱くなるとろくなことにならねぇぜ」

「はぁ、でアイテムって?」

「ああ、それはな――」


 男の話によると、プレイヤーは所持しているチップ以上の負けが出た場合、装備を没収され強制的にここに連れてこられるらしい。

 そして借金返済の為に地下闘技場で凶暴なモンスターと戦わされるのだとか。


「借金の額によって戦うモンスターが決まってるから、真剣に戦えば負けても3回くらいで解放して貰えるんだわ」

「へー……ってアイテム関係なくね?」

「いやいや、関係大有りさ。何せ出てくるモンスターはどいつもこいつもレアな連中ばかりだからな。倒せればレア素材とドロップアイテムまでゲットできて借金もちゃらになるんだ。まぁ装備がレンタル品しか使えないからなかなか難易度はたかいんだけどな」

「ふーん。でもさ、レア物ならカジノ側に取られないか?」

「連中はストレージのアイテムには手出し出来ねーのよ。その代わり俺らもストレージからアイテム取り出して金に換えるって借金返済方法が使えないんだけどな」

「それでストレージ開けなかったのか」


 カジノ限定イベントか。面白そうだけど借金の額によって出てくるモンスターが変わるって所が少々不安だな。

 何せ俺は最後のゲームで一発逆転狙いの全ツッパをしてしまい、4億と言う莫大な金額の借金を抱えてしまっている。

 これは本来あの謎の美女との個人的な借金の筈だったのだが、バニーちゃんがすっごく良い笑顔で店側が借金分を払うと言い出したのだ。

 謎の美女は借金をかたに何かをさせたかったみたいだが、バニーちゃんの無言の笑顔の前に折れてしまったので俺の借金は店に返すことと相成った。

 

「スターゲイジー準備しろ」

「おっと、俺の番が回ってきたか。お前もいくら負けたのか知らないが頑張れよ」

「おう、あんたもモンスター倒せるといいな」


 ……あいつ、ゲーム始めるときにニシンのパイでも食べたのかな?





 俺の出番まで時間が掛かりそうなので周りのプレイヤーからどんなモンスターが出てくるのか聞いてみたところ、5種類のモンスターの名があげられた。


 鋭い爪と牙で獲物を素早く切り刻む漆黒の虎、アサシンタイガー。

 鉄壁の甲羅で身を守り高速回転で敵を轢き殺す衝撃の亀、サイクロンタートル。

 圧倒的なタフネスで相手を屠る巨大な鬼、グラップルオーガ。

 その蒼き角は何人をも切り伏せる聖剣の如し、ブルーソードユニコーン。

 小学生が考えたかのような最強無敵の究極昆虫、アルティメットビートル・ギカントエンペラー。

 

 虎~究極昆虫の順で強くなり、下に行くほど借金の額が多い奴が挑まされるとのことなので俺が戦うのは究極昆虫だろうな。


「ぬぁー! あと少しだったのに!」

「お、ゲイジーまた負けたのか」

「懲りないねぇ。そろそろ諦めたらどうだ?」

「あと少しでコツが掴めそうなんだよ! 次こそは勝ってあの角を俺の剣にしてやるぜ!」


 ふーん? スターゲイジーはユニコーン狙いか。

 ちなみにユニコーンはアイテム狙いの連中から一番人気のモンスターだ。

 蒼い角がそれはもう格好いいらしい。

 今のところまだ討伐に成功したプレイヤーはいないそうで、誰が一番にユニコーンの角で作った剣を手に入れるかで盛り上がってるんだとさ。

 なんとなく女性プレイヤーしか使えないんじゃないかなーと俺は思ってる。だってユニコーンだもの。


「次、ライリーフ・エイルターナー。準備しろ」

「はーい」


 さーて、ステータスアップ装備なしでどこまで戦えますかねぇ?

いつも読んで頂きありがとうございます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ