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VS.セレネ

XXは来たから爆死ではない……

爆死ではないのだ!

 ふーっ、落ち着け俺。冷静に考えて、リアル時間にして約3ヶ月後に来るかもしれない侵略者さんが夏イベな訳ないって。

 だって俺の使ったバタフライエフェクトが事の発端だぞ? せいぜいチェーンクエスト扱いだって。

 それに時間だってかなり先だしな。間に何のイベントも無い、なんてことにはならないだろうからね!


「君、他にもエイリアン・レグルスの素材を手に入れているだろう。それも見せてくれ」

「んえ? ああいいぞ。他に落ちたのは牙と心臓っぽいのと……生きてる鞭だな」

「ほう、良い舌口鞭だな。傷も少なく根元から切断されている」


 舌口鞭? なにそれ、リトルマウスウィップより格好いいんだけど。運営はどうしてこっちをアイテム名にしてくれなかったのか!


「あ、これって寄生するとか書いてあったけど安全なのか?」

「我々には害は無いが……君達が使うとなると話は変わって来そうだね」

「やっぱりか……」

「この等級の舌口鞭であればシールドの迎撃システムに使えないこともないのだが、その場合エイリアンハートも使用することになる。どうするね?」

「う~ん……」


 別にそれでもいいんだけど、そうするとエイリアン由来のアイテムが牙だけになっちゃうんだよなぁ。まぁこれといった使い途も思いつかないんだけどさ。


「しゃーない、今回は牙でナイフ作るだけで我慢しておくか。こいつらはシールドの強化に回してくれ」

「うむ、心得た」


 宇宙人はアイテムを受けとると宇宙船に戻っていった。おそらく船内で加工作業を行うのだろう。

 さーて、それじゃ俺もナイフ作りに取りかかりますかね。


「ニャー」

「うん? どうしたセレネ」

「ンニャゥ」

「ははは、一緒に遊べってか? 可愛いやつめ!」


 そう言うことなら主として全力で応えてやらねばなるまい。俺はアイテムストレージから素早く超高級猫じゃらしDXを抜き放つ。


「ニャー!」

「ぬお!? あっはっは! 予想以上の食いつきっぷりだな!」


 この猫じゃらしDXは、帰り道の途中にあった雑貨屋で衝動買いしてしまった物だ。

 お値段なんと10万コル。超高級の名は伊達じゃないぜ!


「よっ、ほっ、そりゃ」

「ニャニャッ」

「おー。流石にAGI高めなだけあって簡単に捕まえるな」


 フェイントをいくつも織り混ぜた俺の猫じゃらし捌きをセレネは完全に見切っている。

 でもこのまま終わるような俺と猫じゃらしDXじゃないぜ?


「猫じゃらしDX、三段加速モード発動!」

「フニャ!?」

「ふはははは! 見るがいい、この不可思議な軌道を! 不規則に加速が加わりもはや猫じゃらしの軌道を捉えることは不可能! さぁセレネよ、ここからどうするね?」

「……ニャー」

「はーっはっはっ……は?」


 不思議な事に俺の手から猫じゃらしDXが消え去った。猫じゃらしの加速に耐えかねて手からすっぽ抜けてしまったのだろうか?


「ニャフン」

「え? い、いつの間に……!」


 セレネが勝ち誇るようなドヤ顔で猫じゃらしDXをくわえていた。

 いくらセレネのAGIが俺より高いと言っても目で追えないような速度は出ない。となると……


「あ! お前スティール使いやがったな!?」

「ニャー?」

「くぅ、まさか無敵の三段加速モードにそんな弱点があったなんて……。てかよく俺からピンポイントで猫じゃらしを盗めたな。LUKは俺のほうが高いし、普通ファンブルになると思うんだが」

「……ニャ」

「おい、何故目を反らす……まさか!?」


 セレネのアーツにはラックスティールなる技もあった。俺の予想が正しいとすれば、大変な事になっている筈だ。急いで俺のステータスを確認しなくては!



ステータス

HP 40

MP 1120

STR 35 

VIT 4 

INT 31

MND 55 +200

AGI 50 

DEX 111 

LUK 1781→781

残りステータスポイント10



 ご、ごっそり持っていかれてるぅ!? 予想以上に大変なんですけど!

 い、一応セレネのステータスも確認しておこうか。



セレネ(フォーチュンダークキャット)

Lv 8/50

ステータス

HP 200

MP 800

STR 20→30

VIT 20

INT 30

MND 30→40

AGI 270→290

DEX 180→190

LUK 400→420 +1000



 あ、レベル上がってる。一気に7レベルも上がってるし、エイリアン・レグルスの経験値はそこそこ美味しかったみたいだな。

 へー。眷属は1レベル上がる毎にステータスの何処かが10ずつ上がるんだな。

 ……うん、LUKのとこにがっつり+1000て書いてある。俺から失われたLUKの数値とぴったり一致するし、俺に向かってラックスティールを使ったのは間違いない。


「セ~レ~ネ~?」

「ニャ、ニャーン」

「ぐ、可愛い声で甘えても許さん! 残念ながら悪い子にはお仕置きをせねば……っておい、逃げるなよ!」

「ニャー!」

「この! 待てっての!」





 結局ログアウトギリギリまでセレネとの追いかけっこは続き、アイテムを作成する暇はなかった。

 最終的にセレネのラックパスってアーツでステータスは元に戻ったので、どうやら追いかけっこがしたくてわざとやったみたいだ。可愛いなーもー!

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